最新の人事戦略 ~チームの非効率を見える化~
#人材管理 #ヒューマンリソース #人事 #HACKJPN #HUNTERCITY #戸村光 #小川高子 #トランチ ―
【スピーカー】
Takako Ogawa (Panalyt(パナリット)Founder & CEO)
Chi Tran (Pnalyt (パナリット) Founder & COO)
会社にとって必要な“ヒト” “モノ” “カネ”。
ですが、いくら”モノ”と”カネ”があっても、”ヒト”がいなければそれはただの“モノ”と“カネ”。ヒトが”モノ”と”カネ”を動かすことで、会社は息をすることができ、経済を回すエネルギーの一部となるのです。
そんな会社にとってなくてはならない“ヒト”の存在。会社の“ヒト”をマネジメントし、オーガナイズしていく業務を行うのが人事の主な仕事です。そんな人事領域での常識は日々変化を遂げているのです。
今回の授業では、人事必見の最新情報と人事戦略についてパナリットジャパンの代表取締役である小川高子さんとトラン・チーさんから伝授していただきました。
1.人事の考え方 (データの活用)
従来:採用からその後の社員の管理(給与、労務、福利厚生)が主な業務。
現在:従業員のライフサイクルまでを考える。すべてを通して理解し、最も従業員のパフォーマンスや満足度を上げる制度設計をも行う。(評価制度、人材開発、キャリア設計、エンゲージメント、人材配置)
では、なぜ人事の考え方にこのような変化が起きたのでしょうか?
<ポイント>
・キャリアプランなしに採用は語れない。
・報酬設計や福利厚生がエンゲージメントに与える影響を考慮し、制度設計すべきだから。
・エンゲージメントサーベイ結果は単体で議論すべきでなく、離職率や会社の実績への影響を理解したうえで判断すべき。
このような気づきが人事の世界に大きな改革をもたらしたのです。その中で新しいニーズとして生まれたものは、“あやふやな意思決定が多い人事領域を科学する”ということ。言い換えるのであれば、近年ますます複雑化している企業組織を、より深く知り、課題に対し人事として、データとファクトをもってアドバイスしさらに会社組織を内側から改善していくということなのです。
それを一言で“ピープルアナリティクス戦略”と表します。
2.ピープルアナリティクス戦略とタレントマネジメントの違いは?
タレントマネジメント=ムシの目*の分析
ピープルアナリティクス戦略=トリの目*の分析
ムシの目*:地を這うムシのように、物事をその現場近くから注意深く見るという視点のこと。
トリの目*:空を飛ぶトリのように、物事を遠くから見渡し全体像をつかむ視点のこと。
従業員のスキル・キャリアを把握して組織を設計するタレントマネジメントに対し、ピープルアナリティクス戦略は組織の全体構造、傾向、合理性を把握して設計するのです。
ピープルアナリティクス戦略を利用して、採用面(面接の回数、面接官のトレーニング)、や会社全体の従業員の安定の実現を成功させた前例がいくつも報告されています。あのグーグル、ウーバー、アップルまでもが積極的にピープルアナリティクス戦略を活用し成功を収めているのです。
データは気づきを与えてくれるだけでなく、常に指標を示してくれるのです。
その指針の先にあるベネフィットには主に以下のことが含まれます。
・人事関連業務の効率化(人事のBP)
・将来の機械やリスクの予測
・従業員や候補者体験の向上
・多様性の促進 etc…
そこで現在注目されているコミュニケーションデータの有用性。その中でも特に注目を集めている分析アプローチを二つ伝授していただきました。
コミュニケーションデータ*:会社内外で誰が誰とどの頻度でミーティングを行っているか、コミュニケーションをとっているかなどといった人と人のコミュニケーションに関するデータ。
3.ONA(Organization Network Analysis / 組織のネットワーク分析)
・コミュニケーションデータから、組織や従業員の将来をある程度予測できる分析手法
・会話の内容まで踏みこまなくとも、十分な示唆を得ることができる。
・リモートワーク時代のマネジメントにも期待される手法
→ONAを活用することで様々なことがあらわになるのです。
例)Uber わかったこと:コミュニケーションパターンの急激な変化=離職の兆候
退職してしまった従業員が在籍していたころのコミュニケーションパターンを分析したところ、時系列でのパターンの変化を確認。その後のEXITインタビューと照らし合わせ、アンケートでは得ることができなかったデータを客観的なコミュニケーションツールでデータを補うことに成功。
4.ナッジ(Nudge)
・選択の自由を奪うことなく、ささやかなきっかけによって自発的・持続的に行動変容を促すこと。
・アメ(金銭的報酬)やムチ(罰則)に頼らない
ナッジは通常の問題解決のためのプロセス(問題の事象→定量目標→ボトルネック→解決策)と似ているのですが、特徴的な点としてあげられるのが
・簡単で即効性がある
・人間の無意識のバイアスや性質を利用
・アメとムチに依存せず、また選択の自由は奪わない
というところがあげられます。
ONAとナッジ。まだまだフレームワークが確率されてはいないものの、将来的に強力なツールになると期待されているのです。
受講の感想
人事の仕事に対して抱いていた先入観が見事に覆されました。人事の仕事は従業員の社内での生活だけでなく、彼らの社外のライフスタイルまでをも考慮して設計を行っていることにはかなり驚かされました。また講義の後半で紹介していただいた分析アプローチがいかに有効的であるのかということを学ぶことができました。会社にあるデータを分析することで、気づきを得るだけでなく、新たなインサイトを得ることができる。そしてデータから与えられた指針に沿って管理を行うことで、会社がより合理的に最適な判断を下すことができる。これは、従業員だけでなく会社全体にとっても、良いサイクルを生み出すことができると確信しました。
まだ学生で、ビジネスの知識が乏しい私ですが、HUNTERCITYの授業でインプットした内容を自分なりにアウトプットしていきます!温かい目で見守っていただければ幸いです🌼また誤っている個所や補足などがあればコメントをお願い致します。
最後まで読んでいたき有難うございました😊