またどこかで
本を読んでいると、「あー!これこれ!」と
なることがある。
それは、小説でも、エッセーでも、詩でも。
自分のなかで、ぼんやりふわふわとしていたものが
言葉であらわされて、頭のなかで
カチッ という音が鳴る。
その ふわふわ が カチッ となる感じが
なんともすきで、忘れないようにしたくて、
ふせんを貼ろうかとなんども考えたのだが、
貼ったことがない。
なんとなく、ちがう気がして。
ガワだけが残って、
なかみがなくなってしまうような感じ。
それを実感したくなくて、
一度もふせんを貼っていないのかな。
たぶん、めんどうっていうのもあるけれど。
でもきっと、必要になれば、
その本をもう一度開く。
無意識の記憶をたどって、
「なんかあれもう一度読みたいかも」って。
そんな気がするから、ふせんは貼らなくていいし、
忘れてもいいかなと。
人もきっと同じで、なにか繋がるものがあったら
一度はなれたとしても、
またどこかで会えるような気がする。
むりにつなぎ止めることないなあって。
そんなふうに、川をながれる葉っぱみたいに、
ゆらゆらくるくる踊っていく感じがよいな。