言葉は圧縮率が高い
最初にこの言葉を聞いたのは、あの茂木健一郎先生の口から。茂木先生のトークショーに行って、本を1冊買ったら、1つだけ質問ができるという特典がありました。握手とかサインとかはよくありますけど、質問が1つできるなんて すごい!私はこんな機会は滅多にないと、本を買って列に並び、茂木先生に質問しました。私は
ある言葉を伝えた時に、なぜその通りの思いで、人に伝わらないのでしょう
と質問しました。すると茂木先生は、まるで元から答えがそこにあったかのように
それは君、言葉は圧縮率が高いからだよ。
とおっしゃいました。
・・・・・・すみません……わかりません
分からないですよね? 頭のいい人との格差を感じました(笑)
素直に伺ってみると、説明をしてくださいました。
思想や意識や思いを言葉にする時には、圧縮するのね。言葉はその圧縮率が高いから、受け取った人が解凍する時に、話し手と違う内容になっちゃうんだよ。
この言葉に衝撃を受けた私は、中高生の講座で、度々この話をします。なるべく自分の感情に近い言葉を厳選して話さないと、受け取った人がその通り、100%同じ気持ちを受け取れない。順番 も大事だよと。
また最近、似たような説明に出会いました こちらの本です。
先週、chatGPT の書いた小論文が、及第点だけど優勝しない話を聞きましたが、結局コンピューターが、どの情報であれ 同じ処理をするのと違い、人間は、受け取った状態で情報の処理が変わります。言葉の圧縮率をどんなに考えても、受け取った状態で変わってしまう、つまり、自分がコントロールできない域が原因で誤解が生じる場合もあるんですね。
この本では、その情報の処理をする時に、効果的に知的能力を拡張できるように、環境の方を工夫しようということが書いてあります。人間は、受け取った状態で、情報の処理が変わるというところがポイントで、分かりやすい例で言うと、同じ言葉を聞いても、怒り狂う人がいるかと思えば、やり過ごす人もいるというのは、その人たちの人格も関わりますけど、置かれた環境が大きいんじゃないかなと思います。だって、同じ人が同じ言葉を聞いても、その人のその時の環境で意味が大きく変わるじゃないですか。
感情的な言葉を置いといても、例えば、知的情報を自分の中に吸収したいと思った時に、同じ本を読んでも上手に吸収できてうまく活用できる人と、ただただ受け取るだけの人の違いって、その人たちの能力の差ももちろんあるんですが、環境の差も結構大きいかなって、この本を読んで思いました。
ちなみに、この本のポイントは、ここではありませんので、また本の感想は 別の機会に。特に教育者に、めっちゃおすすめです。
タブレットではどんどん思考が小さくなるって話は驚いたので、今度記事にしますね。