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日本全国で統一した避難所マニュアルが作れない理由

文章力養成コーチの松嶋です。文章力を買われて、居住している地域の避難所マニュアル作成に携わっている。もちろん、文学作品的な文章力ではなく、誰が読んでもその通り行動すれば避難所を運営できるという究極的にシンプルなものを目指している。が、避難所の運営というのは、地域性に依存する。せっかく私マニュアルを完成させたとしても、となりの県では使えない。避難所マニュアルが、日本全国で統一したものが作れないのはなぜか。それは様々な「違い」があるからだ。

日本全国で統一した避難所マニュアルが作れない理由

地域ごとの災害リスクの違い

日本は地震、津波、台風、豪雨、火山噴火など、多様な災害が発生する国だが、、地域によって発生する災害の種類やリスクが異なる。
地域ごとの特性に応じた対応が必要になるため、全国一律のマニュアルを作るのは難しい。

自治体の体制や資源の違い

各自治体の災害対応能力や資源(人員、避難所の数、インフラの整備状況)が異なるため、同じマニュアルを適用できない。例えば、大都市と地方では対応できる範囲が大きく異なり、災害時の体制も異なる。

文化やコミュニティの違い

地域ごとのコミュニティの結束力や文化は、災害時の対応に影響を与える。地域の住民同士のつながりが強い場所では、助け合いの文化が災害対応に組み込まれているが、そうではない地域では、異なるアプローチが必要。私の地域はコミュニティの結束力が高く、マニュアル作成の会議にも多種多様なメンバーが参加している。ところが、隣町になると様子はガラッと変わる。それくらい狭い単位で違うのだ。

避難所やインフラの違い

避難所の数や場所、設備が各地域で異なるため、それぞれの避難所に適した対応が必要。山間部の避難所と都市部の避難所では、物資供給や安全確保の方法が異なるため、統一マニュアルでは対応しきれない。

法的・制度的な違い

各自治体の条例や規制が違うことで、災害対応に関しても、地域ごとの法的枠組みが影響を与える。私は条例の書き換えも含めて柔軟に取り組むためにも、メンバーに市政に関わる人がいた方が良いと考えている。

そして、全国一律のマニュアルを作るよりも、地域ごとの状況に合わせた柔軟な対応策が必要だということがわかる。

しかし、それでは、地域ごとにマニュアルを作ることになったり、マニュアル作成に必要な人的リソースの不足でマニュアルが作れない地域では作成が送れたりする。

そこで、例えば都道府県ごとに、ある程度の型を決め、そこから先は、地域ごとの特性を加減していくようなことはできないか。できるとしたら、どんな作業が必要か、考えているところだ。

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