紙の手帳が良い理由を【手帳甲子園】で中高生に教わる
デジタルの手帳はとても便利だ。私はGoogleカレンダーを使い、他のプロジェクトの人たちとスケジュールを共有している。忘れっぽいので、重要なミーティングの前日にはリマインドメールも来るようにしている。仕事の打ち合わせ場所や趣味のライブ観戦の会場など、場所も入れておくと、Googleマップ先生が私を会場まで案内してくださる(笑) 私の文章講座はほとんどzoomで行っているが、授業もそこからダイレクトに開ける。
それでもメインのスケジュール帳は紙だ。長い人生、色々な工夫を積極的に重ねてきた。なぜ紙の方がしっくりくるのだろう。それはデジタルにない「不揃い」感が関係している。
そう言えば、ほとんどの中高生はデジタルの手帳を日常的に使えない。学校にスマホを持ってきてはいけないというところが多いし、持ってきても授業中に開けない規則のはずだ。なるほど、必然的に紙の手帳をフル活用するというわけか。
最近読んだDaiGoの本では、スケジュールに過去の自分が悩んでいたことまで記入してあり、それを振り返ることができるので、Googleカレンダーを活用していると書いてあった。スケジュールについても、コトを処理する時間の予測精度を上げる為に、予定と実際の差を計測しているとのこと。
1過去の悩みを振り返る
2予定と実際の違いを埋める
その2点について、確かにスケジュール帳、手帳はうってつけのプラットフォームだ。そして今回『手帳甲子園』で、まさにこの2点についてデジタルではなく「紙」で実践している中高生たちの手帳を覗かせてもらった。
手帳甲子園についてはこちら
まずは中学2年生女子の手帳
一日の欄を縦に割り、左に予測、右に実際を記録。可視化されており、まさに一目瞭然。当然昼間の授業時間は左右が一致。放課後や朝にずれが生じているが、その差について分析、次の予測にしっかり活用しているという。時間に振り回されるではなく「時間を操っている感覚」とのこと。ひえー。
次に高校2年生女子の手帳。
こちらも、左右で予定と実際の差。予定と実際が合うと、枠のずれがなくなり、四角になるという。「BOX手帳」と名付けていた。
続いて中学3年生男子の手帳。ちなみに彼が「手帳活用部門」で最優秀賞を獲得。プレゼンもとても親しみやすかった。
彼の素晴らしいところは「話し言葉で振り返りをしていること」だ。大人もそうだが、どうも振り返りの時は書き言葉に頼りがち。「改善あり」とかせいぜい「余裕を持たせること」なんかだ。だけどこの子は違う。
うまくいったこと。特になしと言いたいところだけど、強いて言うなら木曜の宗教の授業で寝なかったことくらいかな。50分耐えたよ!! すごいでしょ。ほめて。
やらかした。英IIもっと勉強しとけばよかった。おわった。
本来なら今日公欠でいないはずの後輩どもが全員一回線負けして練習にきてた。全員はねえだろうが。激怒!!
彼の場合は、大河ドラマのタイトルに憧れて、一日を二文字の熟語に集約。それも、すごく個人的で、「後悔」「期待」などと並列で友人の苗字なども並ぶ。面白い。この個人的なのが良いのかもしれない。
1過去の悩みを振り返る
2予定と実際の違いを埋める
どうだろう。中高生の頃からこの二つに留意し、毎日毎日手帳と向き合っていたら……。将来が末恐ろしい。
私も手帳については結構工夫をしている方だが、手帳を通して本当に自分と向き合っているか、疑わしい。いわゆる「わー素敵!手帳」になりさがってやしないだろうか。
中高生たちの熱いプレゼンを聞きながら、悩みを書き付けて日々カイゼンしているか、時間設定の甘さを目に見える形で自分に見せつけているか、もう一度考えてみようと思った。さらに、それをデジタルでするのは綺麗すぎるのではないかと感じた。本当の私はもっと不ぞろいで未完成だ。だから、整わない文字、削除できないペンで書くことで、その不ぞろいで未完成な部分を、否が応でも思い知らされる。ゆえに、紙の手帳の方が良いのだ。便利なデジタル機能以上の何かが「紙の手帳」にはある。
オマケ。デザイン部門
この手帳甲子園、表紙デザイン部門もあり、秀逸な作品が集まる。この表紙の絵は「手帳の」表紙であることがポイント。毎日目にすること、閉じて置くこと。そこまで考えてデザインされたものも多い。
グランプリに輝いたのは中央の表紙。右側の青い人物が暗闇の中で未来に力強く突き進む自分なのだそう。青春だわ。この人物は地の下にいるような感覚。周囲にはトゲのようなもの、爪のようなものもある。私が、というより、会場全体が「おおー」っとうなったのは、この青空が手帳をつかむ「手」の形をしているという点。プレゼン資料にはそのことが記載されておらず、口頭での発表がとても効果的だったように思う。また、右下の骸骨と女性のデザインは、美術的に評価が高かった。左側は黒だけ、右側はマゼンダ、レモンイエロー、スカイブルーの三原色だけを使用した絵。す、すごくない!?
宣伝
手帳ではなく、ノート術の講座開きます。オンラインサロンYourCue主催。
詳細はこちら