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AIは怖くない。人間は仕事を楽しめばいい。それこそがAIにはできないことだから。

高校生に小論文を教えている。よくある課題としてあげられるのは「 AI の台頭により人間の仕事が奪われる時代、あなたはどう生きるか」的なもの。
数年前までは、 AI が人の仕事を奪っても、新しく AI にまつわる仕事は増えるので、例えば AI にデータを覚えさせる仕事に就くとか、AI に何をさせるかを考える仕事に就くとか、または、 AI が苦手とするクリエイティブな仕事やアーティスティックな仕事に就けばいいという考え方が主流で、小論文もそのように書くようになってたし、私もそう指導していた。が、時代はあっという間に変わって、AI にデータを打ち込む仕事は、AI 自身が自分で学習するようになったからいらなくなったし、クリエイティブな仕事とかアーティスティックな仕事も AI がどんどんできるようになってきた。むしろ、今までに存在しない絵を描いてとか、今までに存在しない曲を作ってと命令すればいいし。本当の意味でクリエイトだ。もちろん、そんなことは私は望んでいないけど(笑)

そんな中、私は、前から言われていたデータと組み合わせた新しい考えを生徒と考察している。今の子供たちが大学を卒業した時には、その6割ぐらいが、今はない仕事に就くという研究結果だ。今までは、生き残るためには残り4割ぐらいの職業にしがみつく発想になってしまっていたが、本当は逆で、新しくできた6割の仕事にワクワクするようになってほしいの。

AI には、今ある仕事を奪われるだけ。むしろ世の中は便利になる。

確かに、車が登場した時、馬車の関係で生計を立てていた者は慌てたかもしれない。コンピューター(電子計算機)が登場した時は、電卓で早く計算ができる人たちが、そんな技術を横取りされたら困ると焦っていた。今、生徒に話すと本当にびっくりされるんだけど、これはのも本当の話。実際、私の友達で外資系の銀行に就職が決まった子がいたけど、その子は電卓が打つのを早くて、それで検定試験もあったし、その資格を履歴書にも書いてた(笑)

また、私は、大学時代にスーパーのレジのバイトもしてたんだけど、その時は、バーコードというものは、この世に存在していなくて、精算する時は、値段とその商品の項目を、順に打ち込んでた、例えば「198」「円」「豚肉」のように。だから、バーコードが初めて導入された時は、こんなしましまなシールを商品ごとに作るなんて無理だと思ったし、企業だって、全商品のパッケージにこんなものを印刷するのはあり得ないと思った。ところが、バーコードは信じられないスピード感をもって普及した。それが便利だったから、正確だったから。で、その商品が何かを見定めながら(夏みかんとはっさくの違いが分からず、売り場に探しに行ったこともある)レジで値段と項目を打つとか、そんなところに、人間が一生懸命努力する必要はないということだ。人間の仕事じゃなかったってこと。

AI も同じで AI がなんなくこなす仕事は、別に人間が頑張ってする必要はない。むしろ大変な仕事は全部 AI にやらせて、人間は楽しい仕事をすればいいんじゃないかな。自分の好きな仕事をね。

で、小さい女の子は、将来なりたい仕事を聞くと、だいたいパティシエか幼稚園の先生かピアノの先生かアイドル。それぐらいしか挙げられない挙げられない。なぜかと言うとそれくらいしか知らないからだ。
小学生に上がっても、中学生になっても、高校生になっても、人間は自分の知ってる職業からしか将来を選べないと思い込んでいる。思い込んでるだけ。でも、仕方がないよね。ない仕事は選べないんだもの。

将来6割の人が、今のない仕事につくと言うんだから、今ある残りわずかの仕事から無理やり探さなくてもいい。その「昔なかった仕事」はぽっと生まれたわけじゃない。ニーズがあるから就く人がいたってこと。ユーチューバーだって、e-sports選手だって、海のプラスチックごみを研究する仕事だって、必要だから生まれたんだ。

AI の登場から数年、今、小論文コースでは以前とは違うアドバイスをしている。

今ない仕事はどうしたら探せるか。っていう話になるけど、作ればいいんだよ。それか、今、存在しない仕事がどんどん生まれるから、その中から好きなのを選べばいいよ。楽しい仕事を選べばいい。それが唯一、AI にはできないことなのだから。

イマジネーションがわかない人は、こんな本を読んでみるのもいいかも。

講談社のページ。見ているだけで、今の子供たちが羨ましくなる。

私のようにオンラインで日本や海外のあちこちの生徒に文章の書き方を教える仕事も、昔はなかったよ。それを20年も続けているんだから、そろそろ新しい仕事を探そうかな(笑)
そうだね「あったらいいな」っていう仕事を作っていけばいいね。

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