親の先回りが子どもの成長を妨げる
子どもの国語力を伸ばしたいと思っている親御さん、何気なくしているアドバイスが、実は子どもの成長のチャンスを奪っていることをご存知ですか?学力や才能を育むための一番の方法は、アドバイスをすることはなく、子どもを信じて見守ることなのです。
親は少しだけ「先輩」なだけ
親は子どもよりも早く生まれ、色々な経験をしてきた「先輩」かもしれません。でも、自分自身苦しんで悩んで、経験を積んでやっと身につけたことを、すぐに子どもに教えてしまうことで、子どもが自分で学ぶ機会を奪ってしまうことがあります。
例えば、イライラしている子どもに「物に当たっても意味がないよ」と教えたり、友だちとけんかをして悩んでいる子に「さっさと仲直りしたら?」とアドバイスをしたりすることが多いかもしれません。でも実は、子どもはイライラを体感し、物に当たっても意味がないということを自分で習得すべきだし、友人とけんかをした時も、苦しんで悩んで、自分で仲直りの方法を考え、勇気を振り絞って行動することが大事なんです。親がその解決方法を教えるのではなく、子ども自身が「どうしようかな?」と考える時間が必要ということです。時間です。
知識と経験のバランス
大人はたくさんの経験を通じて問題解決の方法を学んできました。しかし、こうした経験は、実際に自分で試行錯誤し、成功や失敗を通して得たものです。知識だけでなく、実際の経験があってこそ、学びは深まります。
子どももまた、悩んだり、失敗したりしながら学ぶことが大切です。たとえ「これをすればいい」と親が分かっていても、その答えをすぐに与えるのではなく、子どもが自分で気づけるように見守りましょう。
子どもが自分で解決する力を育むために
小学生以上の子どもなら、親が助け舟を出さなくても、自分で考え、行動しようとする力があります。問題が解決しなくてイライラすることや、思うように成績が伸びない悔しさ、友達との関係に悩むことも、ひとつひとつがすべて大切な経験です。
親の役割は、いつでも助けられるように見守り、困った時にはサポートできる準備をしておくことです。しかし、そのサポートが不要であれば、子どもが自分で乗り越えた証となります。その瞬間こそ、親としての役割を果たした時だといえるでしょう。
親も子どもと一緒に「新しいステップに進んでいる最中なんだ」と思いながら、成長を見守っていけると良いですね。そして実は親もそこで1ステップずつ親になっていくのです。