あなたに「漢字検定」を勧める真の理由
知っている言葉しか使わない大人になっちゃうよ
私は、国語教師ですが、書き順とか、部首とかは、もうどうでもいいって思っているクチです。でも、漢字の勉強には、そんなことより100万倍も重要なことがあるんですよ。漢字の勉強って、つまりは、言葉の勉強なんです。
言葉、語彙が増えると、見える世界が広がり、表現する自信が付くのです。
次の漢字問題は、2級、高卒レベルの「書き」の問題です。あなたは、全部書けますか?
よく聞く言葉ですが、書くとなると、どこか不安なところがありますよね。そして、大概の大人は、こういう問題が出た時に、ググって終わりになってますよね。で、そういう人って、また同じ言葉に出会った時に、ちゃんと書けないんです。それを一生繰り返す。あやふやだから、間違うと怖いから、使わない。そうすると、今、知っている言葉しか使わない大人になるんです。ちーん。
ところが試験を受けるとなると、頭に叩き込もうとします。しかも、忘れないようにするために、何度か読んだり書いたりしますし、そもそも、どの漢字なのかを調べたりしますよね。それがいいんです。そうすることで完全にその漢字、というか、言葉そのものが血肉になっていきます。
1 あやふやな言葉を調べて覚えなおすと、自信をもって使えるようになる
日本語には他の言語にはない同音異義語があります。同じ音なのに漢字が違うのですね。外国人が戸惑うところです。
上記例題1の「サイチ」もそうです。
こういう言葉を調べることによって、同音異義語である他の熟語も、さっと目にすることになります。その行為であやふやだった言葉が一つ一つ確定されていくんですね。いつもワンパターンにな言い回ししかしない人は、このあやふやな言葉が結構多い人で、言葉が自分の頭の中で確定されていないので、あやふやな言葉を使いたがらなくなるんですね。
2 こんな言い方があるのかと新しい言葉を知ることができる
ザイゴウに関しては、「己のザイゴウの深さを知った」と聞いた時に、「罪」を思い浮かべることができる人と、「ザイゴウ?聞いたことない。だから使ったこともない」という人がいるかと。後者の場合は、チャンスです。ちゃんと調べて自分のものにしておけば、使う機会がなくても、小説やテレビドラマで出てきた時に、「あ、あれだ」と思い出せます。この思い出すチャンスが増えるのも、最初に言葉を調べたからなんですね。調べなかった人は、そもそも思い出せませんから。
3 誤って覚えていたことを修正できるチャンス
意味を調べた時に、長年思い描いていた意味と違う場合があります(笑)
よく「触りだけ聞かせて」なんて言いますが、この触りは、実はメイン部分という意味です。つまり……
曲のサワリ
〇 メインのサビの部分
✕ イントロや歌い出しの部分
このことに関しては、以前に記事を書いたのでこちらをどうぞ。
こんなふうに、調べてみると、今まで違った意味で覚えていた言葉も覚えなおすことができます。誤用が減りますね。特に、大人になると、言葉は間違っていても指摘されなくなります。指摘されない誤用は直りません。実は陰で笑われてるかもしれませんよ。ちなみに私は、仲のいい友人に対しては、「その言葉の使い方違うよ」と注意して回るので、若干煙たがられています(笑)
このように、漢字検定の試験を受けることで、それまでの期間、1日30分でも60分でも、言葉と向き合う時間を作るのは、とても素敵なことだし、その後の生活や、仕事への活用度合いが大きいです。他の資格試験とは異なり、言葉というベースになる部分がバージョンアップするので、様々なメリットが生まれてきます。それを是非体感して欲しいです。
ちなみに本日2022年5月4日現在、6月の第1回漢字決定試験の受付中です。
小中学生そして高校1年生の皆さんは、1つ前の学年の級を、復習代わりに受験してみることをおすすめします。
高校2年生以上は、受験勉強を兼ねて、高卒レベルの級に挑戦してみましょう。挑戦、勉強なので、落ちてもいいです。この学習は、きっと、他の教科にも役立つと思います。
大人は、人によって語彙力に差があるので、先ほどの高卒レベルの問題が解けなかった人は、その前の級、3級の模擬試験がネット上にあるので、受けてみて、自分の漢字力=語彙力レベルはどの辺か、一度測ってみるのもいいと思います。
私たち日本人のほとんどは、全ての仕事を日本語でしています。ここの基本の力が育つと、様々なことがスムーズに行きますよ。文章がうまく書けないとか、それ以前の問題です。まずは、使える語彙を増やしましょう。知っている言葉でしか話さないと、成長も何もありません。世界を広げましょう。
漢字検定については日本漢字検定協会のホームページを。
先ほどのテストの答え