混ぜるな!危険!混ぜ書き問題
文章力養成コーチの松嶋です。ニュースなどでは、常用漢字とそうではない漢字がまざった熟語を表示する場合「まぜ書き」という方法が取られます。
有名なものだと「きゅう覚(嗅覚)」「比ゆ(比喩)」「黙祷(黙とう)」など。これらを漢字、書けない人は多くても、読めない人は少数派だと思います。でも、読めない人にも読めるようになってほしいと、私は思っていて、そのためにはルビを振ればいいと思っているんですね。
そもそも、その少数の人たちがなぜ読めないかというと、わたしはある意味、むしろまぜ書きにしていることに原因があると思うのです。
国語教師として
さらに、子どもの教育現場、特に小学校では非常におかしな混ぜ書きが存在します。既に習った漢字は漢字で書かなくてはだめ、習っていない漢字はかなで書かないとだめという、超絶不思議なルールを課す先生がいまだにいるのです。
例えば、次の混ぜ書き、読めますか?
例えば「お菓子」お菓子の菓の字は小学校では習いません。「子」は1年生で習うので、2年生以上の子は「おか子」と書くのです。
どう読んでも「おかこ」ですよね?(笑)
同様に自分の名前も混ぜ書きになる子がいます。
例
昭二(しょうじ)……しょう二(昭を習うまで)
友和(ともかず)……友かず(和を習うまで)
服部(笑)?
地名に関しても同じです。
かご島
福い
新がた
今は、日本の都道府県名を小4で学習するようになりましたが、それまではその影響は中学生になっても続きました。
地名や人名は漢字とひらがなに分けない。頑張って書いて覚えちゃおう。
自分の名前は一生書き続けるもの。難しい漢字もありますが、書けるようになって損はありません。地名もそうですが、由来のあるものは、分けて書くとおかしなことになります。「書いて覚えちゃおう」それが私の指導方法です。それでも「学校の先生が習っていない漢字は漢字で書かないようにって言うんです」という家庭も。
少し立ち止まって考えてみてください。その漢字を、何年生の授業で習うのかが決まっていることと、その字を漢字で書いていいかどうかは全く別の話ですよね?
「国語指導を34年もしている先生が『混ぜ書きは良くない』って言っていい。なんなら「松嶋有香」という先生だと名前を出していいと伝えています(笑)
まぜ書きの弊害「双璧」は「双壁」ではない
「お菓子」を「おか子」と書く場合は「菓」の字はそんなに複雑ではないのでいいのですが、「双璧」を「双へき」と書いていた時代があり、いまだに「璧」の字を「壁」(かべ)と誤解している人がいます。「双璧」の「璧」は「壁」(かべ)ではなく完璧の「璧」と同じで「玉」の意味です。そういえばこの「完璧」も「璧」を「壁」(かべ)と書いている人もいますね。これは「へき」を漢字で書かなかった弊害の名残です。