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高齢者。早めの避難ができないわけ

この猛暑、高齢の母が出かける時に日傘をささない。
「ちょっと、お母さん、それじゃ熱中症になっちゃうよ」
日傘をささない理由を聞いて、私は愕然とした。

傘を持ったら歩けないのよ

私たちは、傘を持って、なんなら荷物も肩にかけたりして歩ける。でも、高齢者にはそれが無理なのだ。
傘を持つのがつらい。頭に日が当たらない高さに腕を上げられない。傘を持つ手と荷物を持つ手の交換ができない。そんなこんなであたふたしていると、車にぶつかるかもしれない。

若いうちは、歳を取った自分の体はイメージしにくい。でもだんだんと年を取ると理解できるようになってくる。例えば私は50代だけど、もう、階段の2段ぬかしはできないし、2日続けての徹夜は無理だ。そんな感じで、84歳の母は、もう、日傘を持てないのだ。

結局、つばの広い帽子とクールネックで乗り切っている。

先日、台風が近づいたとき「高齢者等避難準備情報」が一部地域で発令された。

「避難情報に関するガイドライン」(内閣府(防災担当))では、住民は「自らの命は自らが守る」意識を持ち、自らの判断で避難行動をとるとの方針が示され、この方針に沿って自治体や気象庁等から発表される防災情報を用いて住民がとるべき行動を直感的に理解しやすくなるよう、5段階の警戒レベルを明記して防災情報が提供されることとなっています。
 自治体から警戒レベル4避難指示や警戒レベル3高齢者等避難が発令された際には速やかに避難行動をとってください。一方で、多くの場合、防災気象情報は自治体が発令する避難指示等よりも先に発表されます。このため、危険な場所からの避難が必要とされる警戒レベル4や高齢者等の避難が必要とされる警戒レベル3に相当する防災気象情報が発表された際には、避難指示等が発令されていなくてもキキクル(危険度分布)や河川の水位情報等を用いて自ら避難の判断をしてください
 避難にあたっては、あらかじめ指定された避難場所へ向かうことにこだわらず、川や崖から少しでも離れた、近くの頑丈な建物の上層階に避難するなど、自らの判断でその時点で最善の安全確保行動をとることが重要です

国土交通省 気象庁HPより

太字のところを読んでほしい。気持ちは分かるけれど、高齢者には無理なんじゃないか?と思う。だいたい、普段の買い物にも時間がかかる、断捨離等でも捨てる判断ができない、高齢で、脳がそんな状態なのに「避難準備」をどうすればいいかなんて、たとえ準備期間があっても分からないはず。

ではどうしたらいいか。自分の親の自治体では高齢者避難についてはどうなっているのか、そのために準備しておくことは何か、子の代がある程度やってあげることが大事な気がする。

私たち姉妹がした準備

  • 高齢者避難がどうなっているか調べた

  • 民生委員さんが声をかけてくれることが分かったので登録した

  • 冷蔵庫に個人情報を書いた紙を入れて、一緒に避難する手はずを整えた

  • 備蓄品の整理と増強

  • 軽量ヘルメットの購入(高齢すぎて机の下にもぐれない)

もちろん、そんな良好な親子関係を築いていない場合もあるかと。それはまたそれで別の話になるので、言語化していきますが、ある程度親子関係のしっかりしている家では、判断力の鈍った親のために、子の代がしてあげることが大事だと思う。

その時、これまた喧嘩にならないようにするのが難しいんだけどね。老いを認めることは親にとってつらいということを覚えておきつつ、命を守る行動がとれるようにしてあげたい。

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