高齢者。早めの避難ができないわけ
この猛暑、高齢の母が出かける時に日傘をささない。
「ちょっと、お母さん、それじゃ熱中症になっちゃうよ」
日傘をささない理由を聞いて、私は愕然とした。
傘を持ったら歩けないのよ
私たちは、傘を持って、なんなら荷物も肩にかけたりして歩ける。でも、高齢者にはそれが無理なのだ。
傘を持つのがつらい。頭に日が当たらない高さに腕を上げられない。傘を持つ手と荷物を持つ手の交換ができない。そんなこんなであたふたしていると、車にぶつかるかもしれない。
若いうちは、歳を取った自分の体はイメージしにくい。でもだんだんと年を取ると理解できるようになってくる。例えば私は50代だけど、もう、階段の2段ぬかしはできないし、2日続けての徹夜は無理だ。そんな感じで、84歳の母は、もう、日傘を持てないのだ。
結局、つばの広い帽子とクールネックで乗り切っている。
先日、台風が近づいたとき「高齢者等避難準備情報」が一部地域で発令された。
太字のところを読んでほしい。気持ちは分かるけれど、高齢者には無理なんじゃないか?と思う。だいたい、普段の買い物にも時間がかかる、断捨離等でも捨てる判断ができない、高齢で、脳がそんな状態なのに「避難準備」をどうすればいいかなんて、たとえ準備期間があっても分からないはず。
ではどうしたらいいか。自分の親の自治体では高齢者避難についてはどうなっているのか、そのために準備しておくことは何か、子の代がある程度やってあげることが大事な気がする。
私たち姉妹がした準備
高齢者避難がどうなっているか調べた
民生委員さんが声をかけてくれることが分かったので登録した
冷蔵庫に個人情報を書いた紙を入れて、一緒に避難する手はずを整えた
備蓄品の整理と増強
軽量ヘルメットの購入(高齢すぎて机の下にもぐれない)
もちろん、そんな良好な親子関係を築いていない場合もあるかと。それはまたそれで別の話になるので、言語化していきますが、ある程度親子関係のしっかりしている家では、判断力の鈍った親のために、子の代がしてあげることが大事だと思う。
その時、これまた喧嘩にならないようにするのが難しいんだけどね。老いを認めることは親にとってつらいということを覚えておきつつ、命を守る行動がとれるようにしてあげたい。