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子どもに教えたい!マニュアルに頼らない“自分で選ぶ力”の育て方

文章力養成コーチの松嶋です。私は茂木健一郎先生の本を良く読む。茂木先生は頭が良すぎるわりに、本はとても親しみやすい。さすが脳科学者だと本当に感心する。

昨日読んだ本。

「自由意志」というテーマに焦点を当て、現代社会の中で自分の意志をどのように発揮すればよいのか、また、AI時代における意思決定の重要性についても論じられている。本書の鍵となる概念「モート」は、人生やビジネスで他者に真似できない、独自の優位性を持つ意思決定のパターンを指す。これを確立することが、AIに勝るための戦略として重要だ。

書籍紹介文より

日本人のモートを見つけよう、自分のモートを見つけよう、そんな話と受け取った。でも、私が一番考えたのは、独自の意思決定どころか、自由な意思決定でさえ、日本人が苦手だってこと。それは、学校教育の悪影響だと私は確信する。

日本人は、問題を出されても、ろくに考えもしないで「正解は何なのか」と聞きたがる。
よくうんざりするのが「茂木さんのお薦めの本を教えてください」と聞かれる時だ。
お薦めの本など、自分の直感で選ぶものだと思うからだ。
僕が面白いからと言って、その人にあってるかも分からない、
そもそも読むべき正解の本が、この世にあるわけがない。
それをあると思わされているのは、それを自分で選んでいいんだという教育を受けてこなかったからだ。

エピローグより

何事にも正解があって、その正解にたどり着くためのマニュアルがあるなら、マニュアルを読んで、できるだけ早く正解にたどり着いた人が勝利する。昭和時代までは、そうやって世の中がなんとなく回っていた。

私が初めて「こんなものまでマニュアルがあるのか」と驚いたのは、大学の時に読んだ『ポパイ』か何かの特集記事で、「これが男のチャーハンの作り方だ」というものだった。私はそのレシピで、初めてチャーハンの作り方をじっくり読んだ。それまで、感覚的に作っていたチャーハンで、なんとなく「これは美味しいな」と感じていたのに、突然そのレシピが「正解」のように感じられ、自分のやり方が間違っているかのような錯覚に陥った。

もちろん、『ポパイ』に載っているレシピだから、試してみる価値はあるだろう。でも、私が試行錯誤してたどり着いたチャーハンは、自分にとっては十分に美味しい。だから、私の中ではそれが「正解」なのだ。

チャーハンならそれで済むが、世の中には恋愛のガイドブック、結婚のガイドブック、そしてこれからは介護のマニュアルもどんどん増えていくだろう。私も今、両親の介護をしているけれど、私と同じ状況にある人なんて、この世に一人もいない。だから、「こうしたらいいよ」という経験者のアドバイスは心強いが、それが必ずしも私の状況にぴったり当てはまるわけではない。結局、ガイドブックにはならないのだ。

人の生き方も同じ。自分が試行錯誤して、やっとたどり着いた方法が自分に合っているなら、それでいいじゃないか。それを自分で選んで良いのだ。そう思えない人が大勢いる。そして、今の小中学生も全くそうだ。だからこそ、子どもたちが何かを自分の考えで選んだとき、それを「それでいいんだよ。やってみなよ」と言ってあげることが大切なんじゃないかな。

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