子どもに教えたい!マニュアルに頼らない“自分で選ぶ力”の育て方
文章力養成コーチの松嶋です。私は茂木健一郎先生の本を良く読む。茂木先生は頭が良すぎるわりに、本はとても親しみやすい。さすが脳科学者だと本当に感心する。
昨日読んだ本。
日本人のモートを見つけよう、自分のモートを見つけよう、そんな話と受け取った。でも、私が一番考えたのは、独自の意思決定どころか、自由な意思決定でさえ、日本人が苦手だってこと。それは、学校教育の悪影響だと私は確信する。
何事にも正解があって、その正解にたどり着くためのマニュアルがあるなら、マニュアルを読んで、できるだけ早く正解にたどり着いた人が勝利する。昭和時代までは、そうやって世の中がなんとなく回っていた。
私が初めて「こんなものまでマニュアルがあるのか」と驚いたのは、大学の時に読んだ『ポパイ』か何かの特集記事で、「これが男のチャーハンの作り方だ」というものだった。私はそのレシピで、初めてチャーハンの作り方をじっくり読んだ。それまで、感覚的に作っていたチャーハンで、なんとなく「これは美味しいな」と感じていたのに、突然そのレシピが「正解」のように感じられ、自分のやり方が間違っているかのような錯覚に陥った。
もちろん、『ポパイ』に載っているレシピだから、試してみる価値はあるだろう。でも、私が試行錯誤してたどり着いたチャーハンは、自分にとっては十分に美味しい。だから、私の中ではそれが「正解」なのだ。
チャーハンならそれで済むが、世の中には恋愛のガイドブック、結婚のガイドブック、そしてこれからは介護のマニュアルもどんどん増えていくだろう。私も今、両親の介護をしているけれど、私と同じ状況にある人なんて、この世に一人もいない。だから、「こうしたらいいよ」という経験者のアドバイスは心強いが、それが必ずしも私の状況にぴったり当てはまるわけではない。結局、ガイドブックにはならないのだ。
人の生き方も同じ。自分が試行錯誤して、やっとたどり着いた方法が自分に合っているなら、それでいいじゃないか。それを自分で選んで良いのだ。そう思えない人が大勢いる。そして、今の小中学生も全くそうだ。だからこそ、子どもたちが何かを自分の考えで選んだとき、それを「それでいいんだよ。やってみなよ」と言ってあげることが大切なんじゃないかな。
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