ユカヲ

妄想を食べて生きています

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創作大賞2024に小説を応募してイライラした件

はじめに noteの街の住人になったはずなのに、約3か月半程noteから失踪しておりました。 こんにちは、ユカヲです。 急にこの街(note)へ戻ってきたのは、創作大賞2024へ応募するため。 タイトルの「イライラした」とは、noteを触るのが久しぶりすぎて、いろいろ忘れちゃってたからです……(;^ω^) 自分のせいじゃねぃか。 noteってこんなにめんどくさかったっけ?普段、私はエブリスタに生息しています。 小説サイトなので、小説やエッセイ(もどき)を書いては、投

    • (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第三十一話】

      「きっと征之介様にも、ワタクシと藤孝様のように、心から結ばれる方がいらっしゃると思いますわ」  私は少し照れて両手の指を、胸の前で組み合わせた。  藤孝様と心から結ばれるなんて、自分で言って顔が熱くなる。   「征之介様は、まずご自身がお幸せであることを、お感じになることが肝要(※非常に大事な事)でしてよ。  すでにお相手がいらっしゃる方とお付き合いなさっていては、運命の方と結ばれるのを逃してしまいますし、何よりどちらも心が傷つくと思いますわ」  ふぅ、私なんて良い事を言

      • (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第三十話】

         征之介様の話ぶりには淀みがなく、こうやって話ができるようになるまでに、何度もこのことを心の中で考えていたんだろう。 「俺の家も体面が一番大事で、精神を病んだ彼女と結ばれることは許されない。  時折変わった行動を見せるようになった彼女は、精神分裂病(※現在は統合失調症という。幻覚や妄想、興奮状態になるなどの症状もある)だと言われていたが、俺から見ると、何の色にも染まらない純粋な心を持った人で……ずっと好きだったんだ」  長いまつ毛を伏せて、征之介様はそのきれいな口を結んだ

        • (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十九話】

          「櫻子、大丈夫か?」  優しく私を抱き寄せ、背中を擦ってくれる。  絵に描いてもらうために着た、お気に入りの京友禅の袖が、いつのまにか溢れた涙で濡れていた。 「藤孝様……征之介様は、大丈夫ですわよね?」  自分で首を切った女性が亡くなったと聞いて、自然と身体が震えてしまって止まらない。 「大丈夫、あの征さんが死ぬはずない」  力強く私を抱きしめて、藤孝様も少し震える声で、だけどしっかりと言い切った。  川で死のうとしていた征之介様は、運よく私と出会って助かったの

        創作大賞2024に小説を応募してイライラした件

        • (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第三十一話】

        • (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第三十話】

        • (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十九話】

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十八話】

          「お友達ならば、ずっと好きでいられましてよ。  征之介様はもう、ワタクシと藤孝様の深い友情愛をお持ちですわ」 「フ、ハハハハ……。  本当に君は面白くて、優しい子だな」  これまでに見たことのない、穏やかな顔で微笑む征之介様に、私と藤孝様も顔を見合わせて笑いあった。 「いい絵が描けそうな気がするよ。  じゃあ、また来週の日曜日に。  三人での『お勉強』には、いつでも誘ってくれ」  征之介様は、藤孝様を見上げてニヤリと笑う。 「三人でなんて、やりませんっ」  顔を真

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十八話】

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十七話】

          「ほら征之介様、この世は楽しいことも、ございますでしょう?」  笑っている征之介様を見ながら、川で初めて会った時に、冷たく『この世はつまらない』と言った彼に対して問うてみた。 「そうだな。  若妻と孝ちゃんの濡れ場に、俺も参加して三人でやったら楽しそうだな」  スケッチブックと私たちを見比べて、美しい顔をチラチラとのぞかせていた彼は、ニヤニヤとした笑いを投げかける。 「えっ? 『お勉強』って、三人でもできるんですの?」  私は考えたこともない『お勉強方法』に驚いた。

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十七話】

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十六話】

           藤孝様の『来てもいいよ』の合図にお返事すると、鏡で全身を最終点検して、隣の部屋へ行き、二人で『お勉強』に耽るのだった。 「あーぁ。 せっかく奥手の孝ちゃんの代わりに、天女のように愛らしく瑞々しい若妻と、睦み合えると思っていたのに」  征之介様は、藤孝様の反応を面白がっているみたいにニヤニヤする。 「征さんっ! 櫻子は、僕のものだ。  絶対に渡さないっ」  征之介様の言葉に怒って、しっかりと私を抱き寄せた藤孝様。  私もその広い背中に腕を回して、引き締まった胸の中に頬

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十六話】

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十五話】

           藤孝様の首に絡ませていた腕を外して、細いけれど、私よりもしっかりとした筋肉がついた肩に触れる。 「いや、ヘタだった僕が悪いんだ」 「ごめんなさい」 「すまない」  二人で同時に謝って、また笑いあった。  自然と再び、口づけをかわす。 「ワタクシ達、お互いに遠慮しあって、何もしないまま過ごしていたんですわね」  優しく髪を撫でている藤孝様の右手を捕らえて、自分の口元に近づけると、私はきれいなその手に口づけた。 「ワタクシ、藤孝様のことが好き、大好き」  言葉に

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十五話】

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十四話】

          「『まだ』だなんて、頬と手首以外にも、征之介さんから口づけされるつもり?」  急に深く唇を合わせられた私は、頭が惚けてしまって、返事が出来なかった。  藤孝様は片手で、詰襟のホックと一番上のボタンを外す。  いつもきちんと留められている詰襟を着崩す、その手慣れた様子と、普段は見えない白いシャツの襟が見えて、ドキッとした。  まじめな藤孝様の裏側を知れた気がして、嬉しい。  もう結婚して四か月もたつのに、こんな様子も知らなかったなんて。 「僕だけが、櫻子さんの身体に

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十四話】

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十三話】

           食堂から二階へ上がった私は、洗面所で口をゆすいで、口紅を塗り直す。  あぁ、あんなに怒った顔の藤孝様、見たことないわ。  後ろめたいことがあるのを、黙っている私が悪いのですもの。  誠心誠意、お詫び申し上げよう。  鏡に映った私は、眉根を寄せて、藤孝様に嫌われてしまったかもしれないことに、悲しんでいた。  言い訳などせず、すべてお話しようと心に決めて、藤孝様の部屋のドアを叩く。 「はい」  いつもよりも機嫌が悪そうに聞こえる藤孝様の返事に、自分の部屋へ戻りたくなる

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十三話】

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十二話】

           食堂はきれいに片づけられており、お義父様はお出かけになって、お義母様もすでにお食事なさったみたいで、私と藤孝様は、二人だけで遅めの昼食をとる。 「今日は、こうやってお昼も藤孝様とご一緒出来て、ワタクシ嬉しいですわ。  お風邪を召した教授には申し訳ないですけれど、時々は先生方もお風邪を引いて、お休みくださったら、よろしいのに」  私の言葉に、ちょっと笑ってくれたが、藤孝様のご機嫌はナナメのまま。  藤孝様が早く帰ってきたのは、講義が中止になったからだそうだ。  いつも

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十二話】

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十一話】

           目ざとく私たちの、ぎこちなさを見つけた征之介様は、更に追い詰める。 「あれ? 俺、なんか悪い事言ったか?  もしかして、孝ちゃん……新婚なのに、若奥様に淋しい思いをさせてるんじゃないだろうね?  だったら、かわいそうだな。  こんなに美しい妻を放っておくなんて」  征之介様は、長いソファーにゆったりと背をもたれかけ、脚を組んでニヤニヤしている。  なんで、そんなことまで分かるのかしら?  まったくもって、征之介様の言う通りだわ。  まるで千里眼(※なんでも見通す超能

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十一話】

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十話】

          「ワタクシ、藤孝様が大好きなんですの。  離してくださいませっ」  上等な着物の上から、征之介様の腕を思いっきりつねりあげ、そのアブナイ雰囲気から脱出する。  つい、征之介様の魅力に取り込まれてしまうところだったわ。  藤孝様、ごめんなさい。 「いたたたっ。 ひどいなぁ、画家の右腕をつまみ上げるなんて」  大げさに痛がるように冗談めかして、征之介様は私を離した。  そうだった、この方は将来有望な、天才洋画家。  怪我させたら大変だっ。 「申し訳ありませんっ。腕はお

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第二十話】

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第十九話】

          「本気で死のうと思うやつが、あんな浅くて流れの遅い川を選ぶと思うか?」  スケッチブックから、少し顔を出し、切れ長のきれいな左目で見られる。  声の調子は私をからかっているのに、その目は空虚さに満ちて、笑っていない。  私はドキリとしたのを悟られまいと、少し不愛想に答えた。 「存じ上げませんわよ。  ワタクシは、本気で死のうと思ったことなど、ないのですから」 「そうだろうな」  征之介様は、ご自分で聞いておいて、私の答えがわかっていたかのように相づちを打つ。  

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第十九話】

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第十八話】

           私は驚いてしまって、言葉が引っ込んでしまった。 「ハハハハ、そうだろう?  ウチの自慢の嫁だ」  身分が高い美青年から、この一井家の嫁である私を誉められたお義父様は、声を上げて笑う。 「だが、もうすでに藤孝とは、見ていてこちらが照れてしまうほどに仲がいいからな。  いくら、美男子の征之介君とはいえ、櫻子さんを落とすなんてことは、できまいよ。  なぁ、櫻子さん」  失礼にも笑い続けているこのお客様に、気分を害した様子もないお義父様は、急に私の方へ返事を求めた。 「え

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第十八話】

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第十七話】

           その方は、目にかかりそうなほどの長い前髪の間から、切れ長の美しい瞳がのぞく。  頬の色は白く、少々不健康そうな容貌を呈した、白皙の美青年。    品のいい大島紬(※着物の織り物のひとつ。高価)を、あえて今風に白いシャツをのぞかせて着崩して、ソファーに背筋を伸ばして座っていた。 「な、何で?」  どうして、川で会った征之介様が、ウチにいるの? 「櫻子さん、こちらは松原公爵のお孫さんになられる、松原 征之介君だ」  松原公爵家と言えばたしか、さかのぼれば大名家に続き、松

          (創作大賞2024)大正浪漫チックな花嫁は恋する夫とお勉強がしたい【第十七話】