ニューヨーク、経済活動再開のための指標R0を1未満にするとは。
ロックダウンより1ヶ月経過したニューヨーク
3月1日にニューヨークで最初の感染者が見つかり、その2週間後の3月14日にニューヨークで最初の死者が出たのがつい昨日のように感じる。
3月中旬から段階的にエッセンシャル事業以外のビジネスが閉鎖されていき、1ヶ月がたった。現在では、「経済活動を開始するのはいつか」がニューヨーカー全体の関心だ。毎日行われるクオモ州知事の生会見に注目が集まる。 今回は、クオモ州知事が会見で説明した「社会経済活動再開のため道筋」を紹介する。
ニューヨークのロックダウンまでの時系列解説はこちらのnoteを参照してください。
感染者数増大カーブは平坦化している
ずっと爆発的に増加の一途をたどっていたニューヨークの感染者数だが、4月に入って、感染者数増大カーブが平坦化していると、ようやく希望のニュースが届いた。
一日あたりの純入院者数、集中治療室の純患者数、挿管処置を受けた純患者数等はマイナスとなっており、私たちは感染拡大をコントロールできている。
一方、1日の死者数は600~700人(計12,822人)と依然として高い値であるし、新規入院者も約2000人となっている。
NY PAUSEを解除するのは、まだだ。これは長期戦だ。
経済再開の計画はファクトとデータをベースに、公衆衛生と経済の専門家によって策定されるべきであり政治家が行うべきではない。
NY州は感染拡大をコントロールできているが、長期的にはワクチンが開発されるフェーズ(12ヶ月から18ヶ月後)が続くとみられる。
段階的に「新たな常態(New Normal)」に戻るためには、下図マトリックスのように (1)ビジネス又は製品がどれだけ必要不可欠か、(2) 当該ビジネスの職場における従業員の感染リスクの2つの基準を用いて判断することになる。
経済再開のための指標。R0=<1を安定化できれば...!
感染率を測る指標として、「1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを表す基本再生産数(R0)」に注目していく。
この数字が1未満になると感染は縮小していくが、1以上であれば拡大していく。
ダイヤモンドプリンセス号は2.2。スペイン風邪は1.4-2.8、NY州の拡大期も1.4-1.8だった。
現在の武漢は0.3であり、現時点のNY州は0.9である。
しかし、これは誤差があり0.9-1.2の範囲である。まだ1未満とは言えない。
今後、定常的に1未満とするためにこれまで機能してきているNY PAUSEを5月15日まで延長する。
連邦政府・近隣州・みんなの協力が必要だ
■近隣州と連携を進める必要がある。どのように通勤するのか,職場ではどうやって他者と一定の距離を取るのか,どのように顧客と接していくのかを考えなければならない。
■マスクの着用の義務化:他者と一定の距離を取ることが難しい場所でのマスク等の着用を義務付ける。これまでとってきた感染拡大防止措置(NY PAUSE)をすぐに終わらせず、州民が遵守し続けることが重要である。
■検査について:NY州はひと月で50万検査と米国で最も実施しているが、それでも1900万人の州民、900万人の労働者にとっては十分ではない。連邦政府の協力が重要。
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以上、直近のクオモさんの会見の内容をまとめました。
さあ、ちゃんと落ち着くには1年以上かかりますね。頑張りましょう!