英語表現を磨く方法をデザインする~後記:Chat GPTを利用した感想
1.Chat GPTを使ってルーティーンを作ってみた感想
過去4回にわたり、Chat GPTを用いて、英語写実文の技術向上のためのルーティーンをデザインしてきました。長めの英作文のように、自分が書いた文章を批評したり、高めていくことを自習で行うのは難しいことです。ですから、Chat GPTを利用すれば、個別の文章合わせて使えるという点が素晴らしいメリットで、言葉の学習にとても有効だと感じます。ただ、利用するうえで注意する点もあります。Chat GPTを使ってみて感じたことをいくつか記したいと思います。
(1)場面の定義づけ
日本語でもそうですが、英語にも「レベル」と「ふさわしさ」があり、それについてできるだけ詳しくプロンプトに含めると、質問者が期待する英文の回答をChat GPTは返すようです。私の場合、公表されているGCSE English Languageテストの採点基準がありましたので、それを含めることで、自分が書いた写実文の判定はわりと正確にされているのではないかと信じることができます。
(2)日本語力や英語力
言葉の使い方もそのフレーズ自体の正確さは信頼できると今まで使った感じでは思います。意味を大きく変えずに、より写実的な表現を模索するという今回の目的にかなっています。
(3)分析する
気を付けなければならないのは、定義がないか、または曖昧にして質問を投げかければ、いかにも合っていそうな回答をスラスラ答えてしまうということです。社会の中の事実とは合っているかという判断をいつもするわけではなく、文の中でのつじつまが合ってしまえば回答として提示してきます。これは正しくなさそうだ、という判断基準を質問者が持っていて、不審な点は指摘していくということが非常に大切です。ただ、そういう判断基準を持って、疑り深くChat GPTの回答を読むことは、質問者の分析力を高めて、結果的に英作文の技術向上につながるとは感じました。期待する回答を得られないのはChat GPTの責任である場合と、質問者の質問に改善の余地がある場合があります。いずれにしても、鵜呑みにしない姿勢が必要です。
(4)リストを作る
起点と終点がはっきりしていて、その間のバリエーションをたくさん作るような使い方は安心して使える感覚があります。あるフレーズを使った例文が10個欲しいときなどです。
2.最終的に決めた英語写実文の技術向上ルーティーン
(1)写真を選ぶ。Descriptive writing practiceの表に書き込んでいない「場所」の写真を優先的に選ぶ。
(2)写実文を書く。写実文とは。採点基準の理解。
(3)「Chat GPTで写実作文を鍛える!」作成したChat GPTのプロンプトを使い、レベル判定、分析、文章のアップグレード版を作る。
(4)「Chat GPTの分析を分析」で作成したChat GPTのプロンプトを使い、アップグレードされた文章を分析、技法などを理解する。Chat GPTの分析が間違っていることがいくつかあったため、見直し、矛盾があればピンポイントで問い直す必要がある。
(5)アップデートされた文章内の表現で、使用したい語彙、フレーズを抜き出し、「Chat GPTで問題を作る」で作ったプログラムを使用して、対日本語訳付きのフレーズを作る。日本語訳から英作文をする。
(6)Descriptive writing practiceの表に記録する。
各項目の詳細については、これまでの4回の投稿に載せてあります。実験レポートのように長いので、目次を利用して必要な個所のみ見ていただくとよいかもしれません。