価値観とか世の中の眺め方が変わってきた話
お久しぶりです
この投稿を読んでくださっている皆さん、お久しぶりです。
noteではまだ書いていませんでしたが、(そして唐突ですが、)私には只今絶賛イヤイヤ期の2歳の娘が一人おります(白目)。
夫のとある夢を応援するために、このところ週3日、丸1日のワンオペ育児が続いておりまして、ジュエリーデザイン&製作からはかなり遠ざかっている状態です。娘は週に4日幼稚園に行っているので平日に私が自由に使える時間はたくさんあるのですが、マルチタスクや気持ちの切り替えが苦手な性格上、娘のお迎えの時間やその後の時間を考えるだけで、頭の中からクリエイティビティのクの字もなくなってしまうのです。
私のアトリエは家の中にあります。ワンオペが始まった頃は娘の相手をしつつ横目でアトリエを眺めては、そこに座って落ち着いて思う存分製作に集中できないことをもどかしく感じていましたが、次第にそんな気持ちも薄れ、いつしか私の机の上は娘のおもちゃ置き場と化していました。
そんなある日、娘を連れてアムステルダムにある子供動物園に行きました。オランダには各地に無料の子供動物園が点在していて、動物と触れ合ったり遊具で遊んだりできます。有料の動物園のように世界各地の珍しい動物がたくさん見られるわけではありませんが、ウサギや羊やポニーなど、私たちにお馴染みの動物たちが出迎えてくれる癒しのスポットです。
娘のために行った子供動物園ですが、当の娘はそこまで興味を示さず遊具で遊んでばかり。どちらかと言うと私の方がはしゃいでいました(笑)一時間半ほどの滞在で動物たちにすっかり癒され(私が)、帰宅の途につきました。そして娘が寝た後にその日の余韻に浸るべく子供動物園のホームページを何気なく開くと、今日見た動物たちの紹介の他に、動物園への寄付やスポンサー募集、そしてボランティア募集のページが。
おや?ピンときた。
ボランティア募集の文字を見た瞬間、私もやりたい!と、強いワクワク感を感じました。動物と触れ合えて、ささやかながら地域に貢献もできて、普段の生活圏で知り合えない人々との出会いもあるはず。こりゃあ一石二鳥どころじゃないぞと。私はコロナ禍のロックダウン中にオランダの他都市からアムステルダムに引越してきて、その後間もなく妊娠&出産、そのまま育児に突入したので、いまだにアムステルダムの街にたいして詳しくもなければ「ホーム感」も芽生えていない状態です。アムステルダムに越してくる前はジュエリー工房に勤務していたので普段からよく人と接していましたが、今は一人で製作しているのでそれもなし。一人時間が大好きなのでそれはそれで気に入っていますが、たまには違うこともしてみたい。子供動物園を訪れた時の私は多分そういう気分が特に強かったんだと思います。どうせジュエリー製作やデザインに身が入らないのなら、いっそのこと今までとは全く違うことに挑戦してみようとも思いました。こうして私は子供動物園のボランティアに応募し、無事に採用されました。今のところは週一日だけですが、このボランティアへの応募は私史上稀に見るほどの良い決断だったと思っています。
価値観の変化を感じはじめる
子供動物園でボランティアを始めてから、私の気持ちや考え方に色々な変化がありました。たとえば一番わかりやすいところではファッションです。動物園では汚れてもいい靴と、動きやすくダボつかない服(扉やフェンスなどに引っかからないように)が求められます。あと上着のポケットにファスナーが付いていることの重要さにもやっと気付きました。(しゃがんでも携帯がポケットから落ちない!)
普段着る服も、機能性重視の頑丈な仕様のものが気になるようになりました。今後のジュエリー製作にもこの機能性重視の価値観は引き続き影響するんだろうなと思います。
ボランティアを始めてからまだ数ヶ月ですが、今後の生き方に大きく影響するであろう気づきもありました。それは「この世の中、人にどう見られるかよりも、純粋に自分がどうありたいかだけを気にしていればいい」ということ。今までも頭では分かっていた事ですが、そこに専念することはなかなか難しく、ふとした時に忘れがちになってしまいます。でもこれを常に意識して日々を過ごせたら、精神衛生上これほど良いことってあるでしょうか。
新たな出会い
ある日他のボランティアスタッフの方と話をしていた時に、なぜここで働こうと思ったのかを聞いたことがありました。おそらく50代半ばと思われる彼女は元々IT系企業で働いていたそうですが、仕事が楽しいと思えず、もうこれ以上お金を稼がなくても暮らしていけると思った10年以上前のある日にキッパリと仕事を辞めて、これからは自分のやりたいことだけを毎日目一杯やろうと決めたそうです。FIREってやつでしょうか、羨ましいお話です。動物園でのボランティア以外では実験的な音楽をやったり、読書やガーデニングをしたり。ノーメイクで内面から美しさが滲み出ている穏やかな彼女に、毎週少なからず感化されています。
また他のボランティアの男性は強面で寡黙、やや近寄りがたい印象でしたが、ある日その男性が一人で豚小屋へ行き一匹一匹を愛おしそうに撫でてあげているのを目撃した時は、フワッと心が温まるのを感じました。
個人プレーとチームプレー
ジュエリー製作は、私の場合は完全に一人での作業です。それに比べて子供動物園では全員で手分けしつつ協力することが大切で、地域コミュニティとの関わりも強く感じることができます。ただ純粋に動物のお世話をしたい、地域と関わりたい、地域のために何かしたいという理由で動いている人ばかりの世界。金銭云々が全く関係のないところで汗水を流すことを選択した人たちと繋がれるのも面白いと思いました。
最後に
自分にフォーカスするということは、他者も尊重するということ。その「他者」もまた、自身にフォーカスしているんでしょうし。暖かい目で見守ればいいんじゃないでしょうか。自分は自分、人は人。お互いに余計なおせっかいは無しで。これはトイレの壁に張り紙しておきたいくらい大切な事だと思っています。
これから先にどんな気づきが待ち受けているのか、今から楽しみです。