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空と海と、5日目
2019年4月30日
十四番札所
十五番札所
十六番札所
十七番札所
疲れと達成感で、小さな遊園地にいるような気分だ。🎡
小さいときはこうして一日一日を、力尽きるまで過ごした気がする。
その日を精一杯に遊び、笑い、泣き、そして翌日はまた新しい一日がくる。先の不安なんて考えたこともなかった。『今』の延長が未来になるだけのこと。
今朝は6時からお勤めがあると言うので準備をしていると、10分前に集合するようにと管内アナウンスならぬ、坊内アナウンスが流れる。
え!?
5時50分に本堂に行くの?
急いで準備をして本堂に行かなければ。それにしても急に10分前なんて聞いてないし、正直迷惑だった。
本堂で11人の泊り客が待っていると、副住職に続いて住職が入ってくる。そしてお経が始まった。私はこの後にご飯を食べて歯磨きをしたら、隣のかどや旅館にブラジルチームと合流しようと急いでいた。
6時半までのお勤めが、10分も延びてようやく終わった。
正味50分もお勤め関係に時間をとられていたのだ。長すぎるし、話しの大半は息子愛の話しで、どこで終わるのか冷や冷やしたものだ。
四国に発つ前に遍路を経験した人が、宿坊はお勤めがあって面倒だよと言ったのを思い出していた。
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それでもしっかり朝食を食べ、かどや旅館に行きブラジルチームと合流できた。
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スタートから早々、シノダさんが私のザックを車に積んでくれたのだ!
涙が出るくらい、本当に感謝だ。
これでシノダさんのお世話になるのが最後というのも寂しい。(実は、まだ続くのだった)
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予報通りの雨天なので、カッパを着て歩く。
私のように『ザ・レインウェアー』みたいな黄色いカッパもあるし、ブラジルチームの殆どはレインポンチョだ。
ポンチョとしっかりした雨の装いのどっちが良いのか、来る前に随分と迷ったのだ。10巡しているお坊さんに訊くとポンチョだった。
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しかし私は6月を跨ぐので、梅雨の季節にしっかりしたのが良いとお店の人から助言を受けていたのだ。店名は敢えてあげないが、Mont Blanc に似てる。
お高いレインウェアだが、重いし何より脱いで着るのがめっちゃ面倒。
今考えると、少しでも荷物を軽くするにはポンチョで十分。
☂️雨で足が濡れるじゃないかって? 濡れなくても、体が蒸れて濡れたような状態だから同じようなもの。何かしら汗で濡れた感じなのだ。
色とりどりのカッパが一列になって、後ろから車が近付くと「カオーカオー」と車の存在を知らせるのだ。
めまポルトガル語で🚘車のことを『カオ』と覚えて、私も何度かカオーと叫んでいた。その時に皆がニヤリとする。
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今日は脚の調子が悪いマリーナは、シノダさんに車でお寺とお寺を移動していた。
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モニカとマリーナが姉妹で、その母はマリアだと昨日教えてもらっていた。
娘たちは少し英語を話すが、母親のマリアはさっぱり話せない。しかし私が「マリアママ!」と何度も呼ぶので、満面の笑顔でニコッと笑ってくれるのだった。
70歳になるマリアママはとてもキュートな人で、娘たちと外国に旅行に来ている幸せ者だ。
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⬆️ジュッサラと、ジローニモ
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彼らは雨であろうが相変わらず花と実に興味を示し、特に実がなるものはみんながもぎ取ろうとする。先導しているササキさんまでも、もぎ取って食べだした。
山毒キノコ🍄なんかを採らなくてよかったーと、取り癖のある彼らを見て思った。
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白髪で年長者のセリートが、後ろから何やら叫ぶと皆がクスクス笑っている。言葉を返すのでもなく、ただ笑うだけ。
なぜ笑っているのか知りたくて先導しているササキさんに訊くと、ジローニモの話し方を真似ているんだとか。
ブラジルは広くて南部の言葉が少し違っているらしく、いわゆる方言を真似て笑いにしていた。疲れているときの笑いは何よりもの救いだ。
愉快な仲間たち♡
シノダさんは時間短縮も兼ね、ブラジルチーム12冊の納経帳をまとめて書いてもらっていたのだが、最初の一番だけは彼ら自身で納経所に行かせ書いてもらうようにしたそうだ。
経験させたのだ。
それにしても、ブラジルチームは1番~17番そして69番~88番と、41個分が歯抜けになってしまう納経帳なのである。
ま、いいのか。
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十六番札所の観音寺を打った後は、コンビニで少し長い休憩があった。
さすがブラジルの人で、皆が淹れたてのcoffeeを飲んでいる。コーヒーの本場から来た人たちは、日本のcoffeeは美味しいのだろうか。世界の食も、日本で食べるとどことなく和風になっていたりする。和風中華のように、本場の味を日本で好まれるように少しアレンジされるのだ。Coffeeは世界共通なので、そんなことないのだろうか。ま、日本じゃこんなものだと思って飲んでいるのかなぁ。
それ以外も食料を買ったり、リップクリームを買ったりと忙しい。
モニカがカウンターにある『饅頭』を、どれにしようか迷っている。熱々のそれらが美味しそうに見えたのだろう。あん饅、ぶた饅、ピザ饅とあと2種類ほどあったが、すべての説明は出来なかった。
それで、ピザまんを薦めると美味しいと食べていた。
他にもドリンクの容量の説明をしたり、少しは彼らの役に立っていることが嬉しかった。
中2水準の英語力であったが…
コンビニの🍌バナナは、1本100円なんてのもありお高めだが、彼らはそれを見つけると直ぐに購入するのだ。
歩くときにバナナが大切な役割を果たすことをちゃんと知っている。カリウム摂取も出来るし、何より脚がツルのを防ぐ。休み時間にナッツを食べたり、先日はニンジンも食べていて、食生活に気を配っていると思った。
それで、途中に八百屋さんを見つけた私はバナナを2房購入して、コンビニで買えなかった人に配ったのだ。
バナナなんて安価なものなのに、受けとった人はとても喜んでくれた😀
気持ちが嬉しいのだろう、きっと。自分も嬉しくなる相乗効果。
実はそのときに私は、又もや大失態の直後だった。
十四番の常楽寺が工事中でバタバタしていたのは理由にならないのだが、納経所に寄るのを忘れていた。それで納経帳に御朱印をもらってないのだ😂
忘れたことを十五番・国分寺の納経所で気付いたのだった。納経所の人曰く、さっきも十四番の納経を忘れている人が居たと。私だけじゃなかった。
あ~どうしよう・・・
遍路で納経帳は持参するか、実は迷っていたのだ。
御朱印集めは趣味でもなく、たかが300円だが88の札所でもらうとなると大金になるので、本当に必要だろうかと。
服装も同じく、つま先から頭の天辺まで完全なるお遍路スタイルの人も居れば、何一つ身に着けない人も実際に居るのだ。
手首に数珠を付ける人は普段でも見かけるのだが、その数珠は必需品だと言われたことがある。しかし私は数珠が好きじゃないのでしていない。反対に、服装なんて全く関係なく気持ちの問題だとか。他人の助言は助言として受け止めて、自分の考えたものにした。
自分は傍から見てお遍路さんと分かった方がいい。白っぽい服装に笈摺を着て、菅笠を被り杖を持つと何処から見てもお遍路さんだろう。これで十分だった。
それ以外は正式なものから省いたのだ。
忘れた御朱印に戻って、、しかし此処まで来て十四番だけ外すのか?
それより何より、今朝シノダさんに運んでもらっているザックが十七番に行かないと貰えないし、勝手に自分だけが舞い戻っても彼らを待たせたりすることは出来るわけがない!
仕方ない、諦めよう・・・と、切り替えて歩いていたのだ。
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そして十七番の井戸寺に着いた。そこでブラジルの友から、納札やボールペン、そしてモニカ達3人からは小さな絵とテーブルクロスを頂いた。その気持ちが伝わり、束の間の同志として歩いた証だと実感したのだった。
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僕の「正義」がきっと彼を傷付けていたんだね せか・おわ「doragon Night」より
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お坊さんが座して目を閉じている水墨画の右上に、一枚貼られていたものだった。
画も凄かったが、私はこの言葉が静かに胸に迫るものを感じた。
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人はそれぞれに自身が正しいと思うこと、信ずることが行動として表れる。ときに自分を俯瞰してみる一呼吸が大切になる。そして世の中の潮流が果たして正しいのか、その報道の裏には実は何があるのかを読み取る力が必要だ。そのために自身のアンテナを常に張っていること、考えの違う人とも話すことで気付きが生まれる。
十七番・井戸寺に迎えに来たシノダさんがいたので、つい御朱印を忘れたことを話すと、彼らを待たせて車で十四番札所のお寺まで乗せて行ってくれたのだ。
無事に納経帳は書いてもらい、歯抜けにならずに済んだ。しかしまあ、シノダさんにおんぶにだっこ状態である。最後まで本当に申し訳ないし、有難い限り。
戻ると、シノダ車で移動を待っていたブラジルチームのメンバーと熱いハグを交わして、最後の別れを惜しんだのだった。
皆は「Kimiko!」と、名前をしっかり覚えてくれている。
もうこのブラジルの方々には2度とお会いすることはないだろうけど、別れることを悲しむのではなくこうして出会えたことに感謝だった。
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本当にありがとう!
十皿やみんな!
その別れは何故か清々しく、数日の彼らと過ごした時間を楽しむように『歩き遍路宿びざん』に向かって歩いていた。
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地図通りだが、途中タクシーの運転手に道を尋ね宿に到着したのが、ちょうど2時。
いつもより早い時間だ。
手前のセブンイレブンで2Lの水と、昼ごはん用に『金の食パン』と『冷凍のブルーベリー』を買っていた。
コンビニで食品を買う習慣がないので、こういう時はけっこう迷う。
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部屋に案内され一通り説明を受けたあと、Wi-FiがあったのでYouTubeで『上沼恵美子のこころ晴天』のラジオ放送を聴いて、時々大笑いをした。
遍路中にスマホがいいのかどうか分からないが、少なくとも私はこうしてストレス細胞を減らすことができる。
表情筋が固まってしまわないように、この先も何度かYouTubeを聴くのだった。
この宿はblogで人気が高い。
過ごしてみて分かったのだが、歩きへんろにとって正に『痒いところに手が届く』のだ。
そして、オーナー夫妻が東京出身だからかセンスがいいのも外せないところだし、おそらく遍路宿ではトップクラスの情報を持っている。と、思う。
洗濯をしてお風呂に入ったあとの空白の時間、寝ていた💤
睡眠不足と蓄積した疲労が、この気持ちのいい空間と気持ちのいい寝具がすっぽり包んでくれて、ベッドに沈んでいったのだった。
この夜も含め、四国に来て初めて深く眠ったのがこの宿だった。
この宿では夕方の2時間、質問タイムが設けられていた。
Q
夕ご飯の提供はないので各々が準備したものを食べながら質問するスタイルであり、それで客は夕ご飯用の弁当を購入してリビングに来るのだが、私はあとで徳島ラーメンを食べに行くと決めていたので、リビングに持参したのは筆記用具と携帯のみ。
何もない私にお接待だといい、奥さんが豚汁とおつまみ程度のおかずを出してくれたのだその焼き椎茸が、めちゃくちゃ美味しかった!!
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マヨネーズを塗って薬味を振り焼いただけかもしれないが、料理のセンスはこんなちょっとした所に感じるものだ。
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リビングの壁面には一般の家庭には珍しい大きさのブラウン管があり、時間帯天気予報や体験画像を映し出して説明してくれた。
別格の『穴禅定』は体験してほしい場所だと、オーナーがおススメする。
狭くて暗い洞窟を通り抜ける画像をみて、閉所恐怖症の自分はNGだと訴えるとそれでも問題ないと推すのであった。
なぜ?
あんなに狭い場所を通るなんて、考えただけで圧迫感がある。しかし元力士の人が通ったくらいなので、絶対に大丈夫なのだそうだ。
自分自身のリサーチ不足のせいで、この先の遍路道を説明されるも頭が追い付かない。
正直、チンプンカンプン。
最初の方しか、リサーチしてなかった。
オーナーの言葉を書き留めるのがやっとだったが、その走り書きはこの先に幾度となく役立つものとなる。
すると「昨日はニューカレドニアの親子が来られてねぇ・・」と、奥さんが言ったので「!」と思い。昨夜送られてきた画像を見せると、やはりビキニ娘たちの事だった。
今朝この宿を発っていた彼女に、この宿の玄関の画像を送り返すとビックリマークの顔と、ボクサーみたいな父がオーナー夫妻の肩に手をまわした3ショットの画像が返ってきた。
それには「This morning」と記されていた。
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屈託のない笑顔が浮かんだ。可愛らしさの陰に精悍さを伺えるビキニ娘。
いや、名前はREAちゃんだったなぁ。
また、
どこのお寺を端折っているのかしら❓
オーナーに今までの歩きの感想を述べると、遍路ころがしを気持ちよくクリアしたのなら結願は出来ると言われ、私は舞い上がってしまった。
本当ですか❓❓
と喜んでいる私に向けて、もう大丈夫よと奥さんが追い打ちをかけてくぎを刺す。
気持ちのいい宿で、嬉しい言葉 💛
ケーキとプリント抹茶アイスが、一度に運ばれてくるような感激を味わっていた。
容易い道のりではなかったが、この先は大丈夫なんだと根拠のない自信で満ち溢れた訳で、
この先にザックのショルダーベルト以上の苦しみが待っているのを、その時は知らない。
ま、知らなくていい。
幼児の注射のように、何日後に注射するからと心構えをさせるのは意味がない。注射の日が来るまでの間、ずっと痛いことに怯えてしまうからだ。ぶっつけ本番で知らなくてもいいこともある。
オーナー夫妻と話していると、奥様は魔女に出てくるサマンサの魔法をもらったようだった、本当に。
体は軽く、心はルンルン、2年前から計画していた四国に来てよかった~と、初めの一歩を踏みだせた自分の勇気を称えたくなる。
この先、どうなるかも知らず
徳島ラーメン』なるものを是非とも食べたいと思っていたら、ご主人が徳島一美味しいと思うお店を教えてくれた。
なんとそれは徒歩圏に位置し、雨の中を傘を差して「中華そば めん八」に行った。
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そこは孤独のグルメに出てきそうな雰囲気のお店で、自ずと期待値を高くするのであるが店内には客が居ない。『徳島ラーメン』と言ったらNGだと宿の主人に言われていたのだ。それもそのはず、徳島で出すラーメンだから地名は省いて当然だ。
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郷里のラーメンのメニューに『九州』や『博多』の文字はない訳で、私は中華そばの特大750円を注文する。
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最後まで食べた。
点数はあえて付けない。
(私にすれば、大変珍しいことだが)
Because、豚骨スープが遺伝子に組み込まれているような私には、何とも表現し難い味だったのだ。
温めていた徳島ラーメンは、これで満足。本場で食べたのだからね!
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宿に戻り、小指のマメ治療をすることになる。
マメといえど、小指が擦れて大きな水膨れが出来ている状態で、ご主人から最新の治療として患部の水を抜き完全に乾燥させることを教わる。
水を抜いたあとに、ドライヤーの送風で乾かして終了。結構時間がかかった。
ブラジルチームと昼間歩いているときに金物屋さんがあったので、割れ物などを包む際に巻くビニールのプチプチを分けてもらっていた。それをザックのショルダーベルトに何重かに巻いて、痛いと文句ばかり言っていた肩のクッションになるようにしたのだ。
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我ながらその緊急対応に満足して、ザックを眺めては自画自賛。
生きていくには、勉強ではなく工夫が大切なのだ。
今朝は5時起床で長いお勤めを経て、雨具を着てブラジルチームと最後のウオーク・そして別れがあった。
最新設備で情報提供をするここ『びざん』は、オーナー夫妻の人柄も人気の所以だろう。
人柄は相手の心に届き、受け手の感謝のサインで返す。
今日も濃縮8.5牛乳を飲むような、濃い一日だった。
明日も5時に起きないと間に合わない。
寝るぞ!おー
本日、26.398歩