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食あたりがこわくて牡蠣を食べられない、繊細すぎる中2息子の苦悩
うちの中2息子は、超絶ビビりだ。
わたしもけっこうなビビりだが、わたしが驚くほどビビり。
食べ物も保守的で、いつも同じものしか食べなかったのだが、最近成長して、あれこれ食べたことのない食べ物にも興味を示すようになってきた。
良いことじゃないかと思うかもしれないが、これがまた面倒の種。なぜなら、この食材をめぐって、またひと悶着ビビるからだ。
1.牡蠣が食べてみたいけど
この前、息子が大好きなはま寿司に行ったときのこと。
冬の特別メニューとして、牡蠣の茶わん蒸しがあった。
旦那が北海道出身で魚が大好き、その影響で息子も魚介類が大好きだが、食べるものはまぐろとエビとサーモン中心、たまにホタテ程度。
だが今回、牡蠣って美味しいの?と聞かれた。わたしはあまり好きではないが、牡蠣好きな人は多いし、魚介好きな人は気に入るんじゃないかと言った。
けれど息子は、「牡蠣って食あたり起こすんでしょ?」と、興味はあるけど心配そう。なんでそんなこと知ってんの?
生で食べたら当たった人はきいたことあるけど、加熱したらほとんど大丈夫じゃない?と言うと、息子はその「ほとんど大丈夫」が不安になったらしい。ほとんどじゃなかった場合が。
自分のスマホで何か調べているなと思ったら、牡蠣が当たるかどうかを調べていた。どれを調べたって「絶対大丈夫」とは書いてないので余計不安になったようだ。
「ねぇ、牡蠣って美味しいの?でも当たらないかな?」と、食べたいけど怖い、のやり取りが5分くらい続く。
すでに面倒くさくなったわたしは、数百円だし、とりあえず注文して、食べられそうなら食べてみたら?と言った。息子も納得してやっと注文。ここまで10分かかったかな。
2.牡蠣を目の前にして悩む中2男子
ほどなくして、牡蠣の茶わん蒸し到着。もっとしょぼい牡蠣かと思ったら、意外と大粒の牡蠣が入っている。魅惑の牡蠣を目の前に、息子はまた迷う。
「これ食べたら、オレ死ぬかな?」と悶々としている。とにかく今のところ牡蠣で死んだ人は聞いたことがないので、大丈夫だと思う、と言った。
「でも怖い」
「じゃあ食べなくていいよ」
「でも食べたい」
「じゃあ食べれば」
の繰り返しでこれまた10分。息子は頭を抱えて悩み始めた。
ちなみに基本、うちの家族は胃腸が強いようで、息子が小さいころからノロとかロタとか胃腸に来るウィルスにやられたことがないし、息子が風邪をひいても、胃腸に来たことがない。だからあまり食あたりも起こしにくい一家だ。
悩んでいる息子にそのことを伝えて、だから大丈夫でしょ。と言った。
しかしもう、悩み倒して不安しかなくなっている息子。
そもそもそんなに高確率で当たるなら、こんな安い回転寿司とか、スーパーに並ばないでしょ。と言ったけど、もう耳に入らない様子。
そこまでのリスクを冒して食べなくていいような気もするが。
食べたい。でも怖い。の無限ループ。
3.息子のことを言えないビビリなわたし
そういうわたしも、なかなかのビビりなので息子のことをあまり責められない。
乳がんの治療で、毎週×12回の「パクリタキセル」という抗がん剤を打つとき、「しびれ」の副作用が毎週強くなりますと言われて、毎回先生に怖い怖いと言ってごねた。
だって、しびれると、鉛筆持てなくなったり、足先の感覚がなくなったりする人がいるんだもの。フラメンコができなくなったり、字が書けなくなったりしたら嫌だ。
インフォームドコンセントって、知りたくなくても全部知らされちゃって、それが書面に書かれるから、確率が1万人にひとりでも、それがいかにも起こるように見えてしまう。
と、こんな感じでわたしも似たような思考回路を持っているので、息子の気持ちは分かる。だけど14歳の少年が、牡蠣を食べるか否かで悩むほどのことでもないし、できれば好きにならないでいてくれたほうが、コスパが良い。牡蠣高いし。
4.そして、息子が出した結論
冷めゆく牡蠣の茶わん蒸しを目の前に、スマホでググっては、牡蠣の当たる原因や確率、当たった際の症状などを事細かにわたしに報告する。
いいから食えよ。と内心思いつつ、うんうんそうか、でも大丈夫。となだめたり、じゃあ今日は食べなくても、また勇気が出たら食べなよ、と言ったりの繰り返し。
さらに悩むこと10分。息子は「今日は食べない!」と結論を出した。冷めきった茶わん蒸し。わたしはすっかり満腹で、その茶わん蒸しをいただく余裕がない。そして牡蠣はあまり好きではない。
結局、牡蠣の茶わん蒸しは残ってしまった。もったいないとは思うけど、ここでのポイントは「残さず食べなさい!」とか「せっかく頼んだのに」と、頼んだ息子を責めるのはよろしくない。
本人だって食べたいけど、怖くて食べられないのだ。食べたいのに頼んだものを無駄にしてしまうのは、自分だって嫌だろう。
だからとにかく今回は、ちょっともったいないけど、「牡蠣を食べたいけど当たるのが怖い」と不安になって、自分で調べて考えた挙句「頼んじゃったけど、不安だから食べるのを辞める」という結論を自分で出したこと。
勇気ある撤退?だ。
まあ、牡蠣なんていつでも食べられるし、ゆっくり考えなよ。と言ったら、ちょっと肩を落としながら、ホッとした感じ。
ひとつひとつの選択を、考えすぎちゃって重くなるんだよね。わかるわかる。生きづらいよねぇ。
5.そして後日。牡蠣に再チャレンジの機会が
旦那にその話をしたら、旦那が牡蠣を食べたくなったらしく、キムチ鍋の日に牡蠣を入れると言い出した。
さて息子はどうするのか。次回に続く!
今日もお読みくださりありがとうございました!