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明日のフラメンコライブに向けて。踊りを通じて伝えたいこと。
いよいよ明日はフラメンコのソロライブ。
そわそわして、全く落ち着かないので
平常心を取り戻すためにあえてBTSの動画を見たりしてる前日。
踊る曲は、アレグリアス=喜び、という意味(実際の歌は亜種のカンティーニャス)。
発表会は基本群舞だし、ソロライブにちゃんと観客を入れた状態で踊るのは初めて。
フラメンコは即興性が高いので、踊りとギターと歌との掛け合いで本番の全てが決まる。
打合せは当然なるけど、何度練習しても、本番にはテンポが変わったり、打ち合わせと違うことがあったりするので、対策にも限界があるので、つい現実逃避。
そして明日の本番を迎える前に書いておきたいこと。
実はこの曲に特別な思い入れがある。
このアレグリアス(スペイン語で喜び、という意味)の踊りは、群舞クラスで振り付けを付けてもらっていたとき、わたしは乳がんの手術を受けた後、抗がん剤治療中だった。
抗がん剤で生理が止まり、病気以外のいろんな家族の問題も噴出して、自分のメンタルがほぼ崩壊して、ごはんの味がしなくなり、激やせして、1番メンタルがやばい時に、この振り付けクラスにだけは通おうと通っていた。
ひとは、本当にメンタルがやばくなると、ごはんの味がしなくなる。食べるのも面倒くさくなって、炊飯器から手づかみで白米を食べたときは、マジでわたし、終わった。と思った。
その時期、フラメンコを辞めたら人生が終わってしまうと思って、それだけ通っていたけど、それ以外の時間は、ただベッドに横たわって、布団をかぶって、消えたいって思うだけの日々だった。
そして、2年間の振り付けクラスのなかで、治療も終わり、家族の問題も少しずつ解決し、底をついて少しずつ浮上した感が出てきて、そこからだんだん抜け出していった。
ご飯が美味しくなり、生きてるってこういうことなのだ、とわかった。
そしてこの曲の発表会のときには、ギスギスに痩せた身体から、すっかりまるまると太った身体に変化し、そのデブっぷりさえわたしは幸せの象徴だと思えるようになって、まさに「アレグリアス=喜び」を表現する舞台だったな、と思えたのだ。
だから、私にとってはとても思い出が詰まった特別な振り付けだ。
この振り付けが始まったとき、メンタルがどん底で毎日消えたいと思っていた時期から、ご飯が美味しく食べられてどんどん太って元気になってと言う過渡期を経験したときに、ずっとわたしと共にあったのが、このフラメンコの曲だった。
だからこそ、「生きてる」ってやっぱり楽しいなぁ。と思えるような「喜び」という名の踊りを、人前で踊り、その生きる、ということの喜びを伝えたい。と願った。
当然、踊りの説得力は、技術力に裏付けされるものであり、ただ私が楽しいから踊っているだけだと自己満足なわけで、きちんとしたテクニックに裏付けされた上で出せる表現なので、あれもこれもやりたいからと言って思ったようにできるわけでは無い。それはやはり、一朝一夕でできるものではない。
でも、私の中の目標として、見ていてとても幸せな気持ちになれたり、深く心を動かされたり、パワーをもらえるような踊り手さんのような、最終的にはそういう、見ている人に何か良い気みたいなものを持ち帰ってもらえるような踊りができたらなぁと思っている。
もちろん、まだソロなんて初めてなので、実際は緊張して頭がパニックになっているのだろうが、技術的な問題や、自分がそれを伝えられるかという問題は置いといて、伝えたいと言う気持ちを持って踊ろうと思っている。
いつも発表会を見に来てくれる友人は、練習もいっぱいしてその成果も発表してほしいけど、何よりも私が楽しんで踊っているところを見たいと言ってくれる。
友人と言う立場からすると、友達が幸せそうにしていると言う姿を見ることがその子にとっての幸せだ、と言ってくれる。ありがたい。
そしてわたしも、誰か他の人の踊りを見るとき、幸せそうに踊っている人を見ると、それがたとえ見知らぬ人でも元気をもらえる。楽しい気分になれるのだ。そのためにはやはり、踊っている本人が楽しむことが大事なのかな、と思う。
だからやっぱり、楽しむのはとっても大事なんだなぁと思う。楽しいのは人に伝わるから。
とはいえ、楽しさが目に見えるほどになるには、なかなか場数が必要だと思う。実際はそれ以前に、緊張や振り付けを覚えているかどうかが精一杯でそこまでの余裕は無いだろう。
だけど、そのうちできるようになりたいという理想図や思いがあるかないかで、成長の度合いが変わると思うので、私は自分の中の理想像としてそれを目指しながら、今できることをやって今の自分のベストを尽くせればいいなと思っている。
明日は今までやってきたことが発揮できっればそれがベストだが、そのためにも、とにかく楽しもうと思う。
今日もお読みくださりありがとうございました!