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抗がん剤脱毛でウィッグを使うけど、他人にバレないか?の不安について経験者が答えます【メンタル編】

2017年に乳がん全摘手術と抗がん剤治療した。脱毛やウィッグに関してなど、そのときの対策の情報をアップしている。

ウィッグについてはすでにいくつか記事をアップした。

乳がん関連の記事はこちらに「マガジン」としてまとめているのでご覧いただければ。


ウィッグのことも何回か書いたが、まだ書ききれないことがある。

抗がん剤治療をすることになり、脱毛でウィッグを使う。
ここまでは良いのだが、実際にそのウィッグ姿で人前に出ることを考えると、結構勇気がいるのではないか。

いままで電車の中にあからさまに「ヅラ」なおじさんがヅラをずらした状態で眠りこけている姿を見て「プププ」と笑ったりしてきた手前、自分もヅラをかぶる日が来たら誰かに後ろ指をさされるのではないかと不安になる。

とまでは行かずとも、日常のオシャレでウィッグを使っている人でない限り、やはり人前デビューしたら何か言われないか、変な目で見られないか気になる部分であると思うので、わたしの考え方と経験談をシェアしてみようと思う。


街で自分のウィッグがバレないか不安

まずは知り合いというよりは、世の中、家の外にウィッグで出るときに思うのがこれだ。

「ウィッグってバレないかな?」

これに関しては、わたしがお世話になった病院のアピアランスセンター(脱毛など抗がん剤による外見の変化の相談窓口)のスタッフさんの一言で不安が吹き飛んだ。

「知らない人の髪型って、そんなにチェックします?」

電車の中で、街の中で、今すれ違ったあの人がウィッグかどうかなんて気に留めたこともない。

明らかにヅラがずれているおじさんはともかく、最近のウィッグはとても自然な髪型にできているし、まずズレない。
強いて言えば「つむじ」や「生え際」が不自然だったりするが、知らない人の「つむじや生え際」をじっくり見るほどみんな暇ではないだろう。

要は「自分が思っているより他人は自分のことを見ていない」のである。

身近な人にウィッグがバレないか不安

これは町中を歩くよりもさらに緊張が高まる瞬間だろう。

わたしは毎週必ず会うような身近なママ友や、フラメンコのクラスには乳がんになったことと抗がん剤治療をすることを伝えたが、それ以外の息子の小学校の保護者など、あまり会う機会が少ない人には当然伝えていなかった。

そしてウィッグ生活が始まってほどなく、息子の小学校で授業参観があった。

以前のわたしは結構ダークな色のロングヘアだった。だがウィッグは冒険してかなり明るい髪色のショートボブを選んだので、かなり印象が変わることは承知していた。

ウィッグを選ぶときに、「今の自分に近づける」か、「大胆にイメチェンする」のどちらかが、他人から見ても自然に映ってウィッグバレしにくいというアドバイスをもらい、わたしは大胆にイメチェン方向で行くことにした。

しかしやはり参観に行くときは緊張した。普段あまり話さないママさんにさえ、「髪型すごい変わったね!」と言われた。怪訝な目で見る人はいなかったと思うし、すごいイメチェンだね!と言われたけれど、ウィッグと疑う人はいなかったと思う。それほど世の中、がんにでもならない限りウィッグの知識を入れる場所もないし、まさか身近な人がウィッグを付けているとも想像しない。

逆にもし「あの人ウィッグ?」と疑う人がいたとしても、ダイレクトに「なんでカツラかぶってるの?」とは聞いてこないだろう。いや、直球でそんなことを聞いてくる人は失礼な人なので、それはスルーしよう。

あとはすべて「慣れ」だ。

ウィッグをしている自分に見慣れてしまえば、他人の目も気にならなくなってくる。だいたい1週間程度でウィッグ姿の自分に見慣れてしまうだろう。


ウィッグは飛んだりズレたりしないか??

もうひとつ、やはりおじさんの「ヅラ」のイメージからか、わたしはウィッグは強風などで飛んでしまうイメージがあった。

だが、フルウィッグに関していえば、きちんと下地のネットをかぶってからつければ、まずズレないし、強風で飛ぶこともない。

強風の日に自転車にも普通に乗っていたし、手で押さえるほどでもない。

わたしはウィッグでフラメンコの発表会に出るつもりだったし、毎週レッスンもウィッグで行ってたので、ダンスでズレるのではないかと最初は心配だった。

しかし、思ったより全然ズレない。頭を大きく振り乱すような振り付けは分からないが、フラメンコでは全くズレなかった。まったくズレなかった。ヒップホップのダンスをやっていた人もいたらしい。

それでも不安なら、頭皮に貼り付けるズレ防止の粘着テープとか、歌舞伎俳優が使うようなヅラ接着剤などもあるが、わたしもフラメンコ発表会用に買ってはみたもののほとんど使わずに終わった。

わたしは後頭部に少し毛が残っていたので余計にネットと髪の毛が絡んでズレなかったのかもしれないが、とりあえず大丈夫だったことをお知らせしておく。

アピアランスセンターも活用すべし


もしあなたの病院に「アピアランスセンター」という抗がん剤による外見の変化についての相談窓口があれば、ぜひ活用してみてほしい。ウィッグなどの具体的なオススメや、抗がん剤では爪の色も悪くなるのでネイルの話、眉毛やまつ毛の脱毛についての対策など、さまざまなことを教えてくれる。

病気を治すことだけの病院ではなく、アピアランスセンターはオシャレとかメイクについても話せるのでなんだか気持ちが明るくなって、すごく救われた。

こんな感じで、ウィッグデビューは緊張するかもしれないが、意外と他人は気づかないし、自分も見慣れてきて、すぐに生活の一部になる。

あまり心配しないで、ウィッグライフを楽しみながら、抗がん剤を乗り切れれば幸いだ。

今日もお読みくださりありがとうございました!


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