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大好きだったショップの閉店セールに行ったら、店長がやる気なくなっててガッカリした件


1.好きなセレクトショップ、閉店の知らせ

ときどき洋服を買う、お気に入りのセレクトショップから閉店を知らせるハガキが届いた。とても寂しい気持ちになった。

リユースショップのパートでは汚れても良いユニクロ服なだけに、お出かけするときは少しだけ気分があがる服を着たい。

日本の洋服屋さんはどこに行っても流行もの一色で、アラフィフのおばちゃんがとうてい着こなせそうもない色や形が流行った日には、買うものがなくなってしまうので困る。好きな色や形が流行った年に買いだめし、着まわし続けるなんていうこともある。

けれどわたしが気に入っていたショップは、インポートものも扱っていて、海外ならではの発色や柄ものがあったり、インポート系の色柄を意識し、さらに着やすさを重視した国産オリジナル製品があったりで、お値段も手ごろで好きだった。

セレクトショップとはいえ、全国にあるチェーンなので、県内にあといくつか店舗はある。が、そこはアクセスも良い。そこの店長は優秀で、たまにしか訪れないわたしのことを覚えていてくれ、訪れるたびにあれこれコーディネートを提案してくれて、気に入った服を買えるのでとても気に入っていた。

なので閉店の知らせをもらって、ぜひ一度は閉店前に店長さんに会いに行きたいなと思っていた。閉店セールもやるみたいだし、何より店長さんにありがとうと言いたかったからだ。

コーディネート下手なわたしのサポートをたくさんしてくれて、店頭に出ていない商品まで奥からあれこれ出してきて、似合う一着を提案してくれたりで、本当に助かっていたし、時間がなくても立ち寄るくらい好きな店だった。

2.なじみの店長が他人のようにスルー


今日も、この店の近くまで来ていたのだが、別のところで時間を使ってしまい、あまり時間がなかったのだけど、あと10日ほどで閉店してしまうので今日しか立ち寄れないと思って寄ってみた。

すると、店長らしき人と、見たことのないスタッフさんがいて、違うスタッフさんが接客してくれた。

店長らしき人はきっとわたしを見ればすぐにわかるだろうな、と思っていたら、店長らしき人はわたしに声もかけずに素通りした。

小顔のすらっとした人だけど、マスク姿だ。あまりにそっけないので、もしかして人違いかも?とか、わたしが行かない間に店長は別の店に移動になって、似た人が来たのかも?とかいろいろ憶測した。

アパレルは歩合制と聞いたこともあるので、売上ノルマで最初に声をかけた人が売るから声をかけないのかなぁと思ったが、以前も違うスタッフさんがはじめに接客してくれて、そのあと店長に変わってもらったこともあるし、そんなことはないだろうな、とか、目の前の洋服よりそちらのほうが気になるほど店長らしき人がわたしをスルーする。

そういいつつ、あれこれ試着して、別のスタッフさんから2点ほど購入を決めて会計のとき、以前店長に言われた割引クーポンの話になった。

以前、買い物をしたとき、店長さんがショップのポイントを使うかLINEクーポンを使うかで、どっちがオトクかを計算してくれて、結局ポイントの方がオトクだから、LINEクーポンは期限書いてあるけど関係ないので、次回提示してくださいね、と言われたものだった。

そのことを伝えるとスタッフさんが「店長~」と呼んだ。来たのはやっぱりあの店長さんだった。やっぱあの店長じゃん。

そして、以前話した店長とのやり取りを伝えると、「ああ、それ期限切れてるので無理ですね」とそっけない返事。時間は経ってるけど、自分が言ったことも忘れちゃったのかね。と残念に思った。

けれど、わたしもしばらく来てないし、わたしのことも忘れてるのかもしれないね、と思って「もういいです」と引き下がった。

3.彼女に「お客さん」は見えてなかったのか


お会計待ちのとき、スタッフさんに、このお店が好きだったので、閉店は残念だと伝え、そのあと、みなさん他の店舗に行くんですか?と聞くと、そのスタッフさんは「わたしと店長は退職します」と言った。

そうか。それで合点がいった。

店長はやる気がないんだ。
もう辞めるから。売り上げもお客さんもどうでもいいんだ。

そう分かった瞬間、とてもガッカリした。

どこの店でも、店長は売り上げを任されるから頑張る。見た目30代に行くか行かないかで、割と交通量の多いターミナル駅ビルの店長を任されてシャカリキにやっていたのかもしれない。

たとえそれが売り上げのためであっても、わたしにとっては、嫌な顔をせず提案をしてくれる、有能でいい店長だと思っていた。

その間にコロナ禍があって、みんなお出かけしなくなって、仕事もテレワークになって、アパレル業界めちゃくちゃ落ち込んだだろう。この店だってメインは割と華やかな色遣いのインポートアパレル。だからきっと売り上げも相当落ち込んだに違いない。

その時期はわたし自身だってお出かけの機会がなかったし、やっぱりオシャレ着の必要がなくなって買いにもいかなかった。だけど久しぶりに訪れたときでも店長は嬉しそうに迎えてくれたのが印象的だった。

だから別にこの店がなくなることは店長の力量だけではなく、時代の流れもあるのだろう。店をなくすのは本部が決めたことだし、それで内部でいざこざがあったのかもしれないし、きっといろいろあって店長も退職することにしたのだろう。

辞めるから、もうこの店の売上なんかどうでもいい。あと10日、消化試合。時間が早く経てばいいのに。という投げやりな感じになったのかもしれない。

なんだかすごくガッカリしたが、それでも一応最後なので、会計の後、店長に「いろいろコーディネートしてもらって助かりました、いまも助かってますよ。ありがとう」と言った。

すると店長は「ああ」みたいな気のない態度で、気持ちの入ってなさそうな「ありがとうございます」を言った。

あまりに空気が悪かったので「最近お出かけの機会が増えて、店長にコーディネートしてもらった服だけで足りなくて、昔のを引っ張り出して着てるんですよ」とおべっかを打った。ちょうどそのとき着ていた服は、ほんとうに5年前くらいにその店で購入した服だったし。

すると半笑いで「ああ、引っ張り出しちゃったんですね、懐かしいなぁと思って見てました」とどうでもいい返事をした。

自分の店の服だとわかったら飛んできて話しかけていた店長だったのに。いろいろあったのかもしれない。

4.人は「辞め方が9割」


でも、わたしはやっぱりそこで違和感を感じる。

いろいろあったのかもしれないが、お客さんには何の罪もない。

逆にわたしのように、閉店してしまうのだったら挨拶がてら寄って、最後に何か買っていこうかな。と思った人も多いのではないだろうか。

その人たちみんなに、そうやって、もう売上なんか、客なんかどうでもいい。という態度をして、閉店までの10日間、消化試合をするのだろうか。

内部の事情がどうあれ、だからといって、お客さんをないがしろにしていいのだろうか?

今までのお給料は、お客さんが買ってくれた売上で成り立っていることは分かっているのだろうか?いままで買ってくれたお客さんにお礼の気持ちとかはないのか。

もしかしたら、いろいろありすぎて、少しメンタルに来ちゃっているのかもしれないし、慮ることもあったのであれこれ言わずに店を去ったが、それでもやっぱりモヤモヤする。

彼女は、もう次はアパレル業界をやらないかもしれないし、だったら今のお客さんなんてどうでもよいのかもしれないが、わたしはそういう考え方はしたくないなぁ、と思う。

できれば最後の日まで店頭に立って、事情はあれど閉店することと今までの感謝を伝えるのが、店長だけでなく、お店に立つ人の役目じゃないのかなぁと思う。わたしが同じ立場に立たされたら、そうしたい。

別に今後の人生で関わることがないので、それを彼女に伝えることはしないが、もし別のアパレルの店頭で彼女に出くわしても、絶対にものを買わない。そのぐらい残念だった。

人は割と去り際がいい加減になりがちだ。わたしのパート先でも、いままでの評価が普通の人でも、お世話になりましたのひとこともなくいなくなったりすると、ああ、残念な子だな。とガッカリする。第一印象も大事だけど、去り際って脇がゆるみがちで、そのときこそ人の本性が出るのかもしれない。

5.わたしは「人」を大事にしたい


こちらの店長に何があったかは分からないので、厳しく追及するつもりはないが、やはりひとのふり見てわが振り直せ、とはよく言ったもので、わたしはできるだけ「人」を大事にしたいなぁと思った。

シビアな状況だったとしても、いままで覚えていたお客さんに知らんふりをしたり、自分からお礼を言わずにどうでも良さそうな顔をしたり、というのは、やっぱり違うと思う。

ああ、わたしは「売上のため」に親切にされていたんだなぁ、と思うし、もう退職が決まって売上が関係なくなったら、素通りしちゃうんだ。と思ったら、「コーディネート上手で愛想のよい店長」なんか瞬時に吹っ飛ぶ。ただの銭ゲバに見えちゃうよ。

別にプライベートな付き合いはないので、別に私生活に影響はないのだが、どうせなら、「コーディネート上手で愛想のよい店長」を演じきって幕を閉じてほしかったなぁと思った。それができない時点で、うん、ちょっと残念な人認定してしまう。

そういう経験を経て、わたしは今後も誰か人と関わってお金をいただく仕事をするとしても、「金」ではなく「人」と接していきたいなと強く思った。お金の絡みがあるかないかで態度が変わる人間にはなりたくないなぁ、と肝に銘じた。

そんなこんなで好きなショップがなくなり、近隣のデパートにも系列店があるので、もし何か欲しければそちらに行くことになりそうだが、そちらでまたよい店員さんとの出会いがあればよいなぁと思う今日この頃だ。


今日もお読みくださりありがとうございました!

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