「鳴門のうずしお」は渦を巻いてぐるぐるしていた【アラフィフ女のソロ活ガイド】
歳を重ねたせいか、
最近「ふしぎな自然現象」に興味を持つようになった。
間欠泉とか
古い地層とか
7年に一度だけ大量発生するセミ(いわゆる素数ゼミ)とか
とにかく、自然てすげぇって思うことにアンテナが立つ。
今回は
「鳴門のうずしお」だ。
大塚国際美術館めあてで鳴門を訪れたので、
他の観光はノーマークだった。
もうひとつ、鳴門に行くなら
「鳴門のうずしおが見たい」
なると巻き、という食べ物があるのは皆さまご存じだと思うが
この語源を調べずとも、「たぶん鳴門の渦を模したものだろう」
と想像がつく。ちなみに、調べていない。(調べろw)
けれど、鳴門のうずしおは昔の人がきっとそれを見て
「すっごいグルグルやね!」と感動し、
食べ物に模してしまうほど、すごいものだのだろう、
と勝手に思っていたので、わたしの中では
「おもわず食べ物にしちゃうくらい、すごいやつ」
のイメージだ。
父は徳島出身、母は疎開先で徳島にいた時期もあったので、徳島にルーツはあるのだが、わたしが生まれたころには父の実家から縁を切られており
わたしは徳島に行ったことはない。なので今回が初上陸だ。
なぜこんなに「鳴門に行くなら、うずしお見なきゃ!」と思ったかと考えると、おそらく徳島にゆかりがある両親から、わたしが小さいころに「鳴門の渦」の話を幾度となく聞かされていたのかもしれない。
なので鳴門に行くことになり、うずしおについて調べたら
干潮と満潮時近くの時間帯にしか渦は見られないらしく、
しかも大潮のときが一番大きいのが見られるらしい。
そこまで考えずに日程を組んだので、
わたしが見に行く日は「普通」の渦の日だったのだが
それは仕方がない。
鳴門の渦がきれいに見られるる場所はどこか調べたが
いまいち情報がない。なので、ゲストハウスの主人に聞いてみたところ、
キレイに見えるはずの橋の上の通路は、
残念ながら例のウィルスで閉鎖されているため、
渦を間近で見たいなら、観光汽船に乗るしかないとのこと。
そもそも船に乗ったら、渦に巻かれて沈没しそうだが
そういうわけでもなく、間近で鳴門のうずしおが見られるらしい。
とても興味があるが、ひとつ不安があった。
もともと三半規管が弱く、乗り物酔いがひどい。
特に船は瞬殺で酔うので心配だったので、ゲストハウスの主人に相談したら、酔い止め飲めば大丈夫らしいとお客さんが言っていたそうだ。
渦が見たいので背に腹は代えられない。
家にあった酔い止めを荷物に入れた。
鳴門に到着し、この日は友人と一緒だったので
一緒に渦を見るべく、「うずしお汽船」という船着き場に行った。
天気は良かったはずなのだが、少し不安定でパラパラと雨が降っている状態。風も強いし、なんだか寒い。船酔いもちと不安だったのだが、乗るしかないとチケットを買いに行った。
チケットを買う段になって、やっぱり心配になり
売り場のおばちゃんに「船酔いしますかね?」と聞いたら
こともなげに
「大丈夫や。そんな暇あらへんから」
とあしらわれた。
その風貌と言い、雰囲気と言い
名作ゲーム「逆転裁判」のオバチャンそっくりだ。
「オバチャン」から、
「酔うヒマがない」という情報を入手した成歩堂、ではなく私は、
ちょっと何言ってんのかわかんない、という感じだった。
異議あり!といった感じだ。
そんな暇がない、とはどういうことか?
時間が短いのか、なんなのか?
追加の質問をするまでもないほど即答で瞬殺だったため
そのまま引き下がってきたが、少しモヤモヤする。
まあとりあえず、数多くの乗客を見ているおばちゃんが即答するのだから、多分大丈夫だろう。酔い止めも飲んだし。ということにした。
とか言ってる間に乗船時間が来た。
意外と小さい。船、というより「ボート」。
いかにも酔いそうな感じで心配。
ちなみに、チケット代金は、おとな1枚で1800円。
友人は「なかなかいい商売だ」とか言って
売り上げやらコストやらを計算し始めたが、
たしかに乗る船は釣り船みたいな小さなボートだし、
ちょっと高いかな?というお値段だ。
うずしお付近まではものすごく揺れるそうなので、
船内で座ることを勧められた。当然言うことを聞いておとなしくしている。
船には高校生から大学生くらいのグループが来ていて、
あえて立って、左右に大きく揺れる船を楽しんでいた。
ああいう楽しみ方は、若いうちしかできなかったんだな。
と、しずかに座って椅子の前のつかまり棒につかまりながら思う。
そうこうしているうちに船が出発。
うずしおに向かう途中は船がめちゃくちゃ揺れる。
ただ、なんとなくユラユラ、ではなく、
右に左に思いっきり傾いて、立っていられない感じなので
逆に酔いにくいかもしれないと思った。
いちおう、「これはジェットコースターだ」
と自己暗示をかけていたら、わたしの場合は大丈夫だった。
あとは経験上、なるべく酔わない方法として
「わーすごい!」「きれい!」などと大きく声を出して気が紛らわす、という方法を編み出している。
なので今回も「わーーー!」とはしゃぎながら船に乗っていた。要はうるさいおばさんであるが、それは酔い止め効果もあるので仕方ない。観光地なのでご容赦願いたい。
鳴門大橋のほうに向かっているなーーーと思ったら
なんとなーく波が荒くなってきた。
船内放送で「渦でーす」みたいなアナウンスがあったので
外に出てみた。
右にも左にも小さい渦っぽいのと、
ただの波が混ざったようなのがたくさんある。
ものすごい勘違いだったのだが
観光写真だと、
「でっかい鳴門の渦がひとつだけ」
という写真が多いので
鳴門の渦は、大きな渦がひとつだけ、
長時間ぐるぐるしていると思っていた。
でも、違った。
あちこちに、小さな渦がぐるぐるっとできたと思えば、
またあっという間にただの波になっていく。
だいたい2~3秒で消えていくので、
「あっちにあるよーー!」と聞いてそっちを見ると、
もう消えていたりする。
そのはかなさが何だか好きだ。
どこからともなく波が集まって、
ぐるぐるぐるっとしたら、
みんなわーっと散っていく。
渦を写真に収めるのも割と大変。
スマホを構えたら、もう渦が消えてしまうのだ。
自分で撮れた中では、これが一番「渦っぽい」写真。
写真中央で渦を巻いているのがおわかりだろうか。
これは、渦に気づいてカメラを向けたけど、間に合わなかったもの。
すでに渦のピークを過ぎて、解散に向かっている。
天気が不安定でいまいちだったが、
海の色が深いグリーンで美しい。
渦が見えると、童心に返って
きゃーすごい!と夢中になってしまう。
うずしお、恐るべし魅力。
チケット売り場のおばちゃんが言っていた
「船酔いする暇がないから大丈夫」とは、このことか。
渦を見るのに必死だ。
右サイドを見て、左サイドに移って、また探して。
わーーー!渦だ!
と思えば、すぐに消え、違う場所で別の渦ができている。
乗船時間20分のうち、半分以上は
うずを見るために同じところをぐるぐる回っていたが
正直時間が足りないくらい面白くて、もっと見ていたかった。
風が強い日や午前中は、うずしおがあまり見えないらしく
小さいながらもうずしおが見られたのはラッキーだったようだ。
必死に見て、気づいたら港に戻る途中。
鳴門大橋がカッコイイ。
観光汽船の所要時間は約20分。
小さい船だが、「酔っている暇はない」のは本当だ。
いちおう酔い止めを飲んでおくと安心かもしれない。
帰りに宿に向かう途中、海岸に出た。
夕暮れがとてつもなく美しい。
鳴門は、
大塚国際美術館と、鳴門のうずしお以外、目立った観光はなさそうだが
とにかく海がきれいで、のんびりしたおだやかな土地だ。
鳴門に興味がある方はこちらのサイトをご覧いただければ。
うずしおの原理なんかも書いてあるので興味ある方はぜひ。
鳴門にある汽船。あとから調べたら2社あるっぽい。
次回はぜひ、大潮狙いで行ってみたい。
わたしが乗ったうずしお汽船
もう少し大きい船の「うずしお観潮船」
観光汽船のサイトには、うずしおを見るのにベストな時間や、大きなうずしおが期待できる大潮のカレンダーなどがあるので、参考にしてもらいたい。
たまたま船しか見る手段がなかったが、
間近でうずしおを見られる迫力は、船でしか味わえないと思う。
なので、逆にラッキーだった。
人生で見ておいてよかった!と思えたものの一つだ。
ぜひ機会があれば見に行っていただきたい、おすすめスポットだ。
ぜひ観光汽船にチャレンジして、
間近のうずしおを体験してみていただきたい。
今日もお読みいただきありがとうございました!