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【桂由美さん追悼企画】「Yumi Katsura(ユミカツラ)東京コレクション2024」


日本のブライダルファッション界の第一人者であり、世界的に著名なブライダルファッションデザイナーである桂由美さんが、2024年4月26日に94歳で逝去されました。今回は追悼企画として、2024年3月5日に、恵比寿ガーデンプレイス「ザ・ガーデンホール」で開催された「Yumi Katsura(ユミカツラ)東京コレクション2024」の模様をお届けします。

桂由美さんは、1964年に日本初のブライダルファッションデザイナーとして活動を開始し、ブライダルイベントを通じてウェディングに対する夢を与え続け、ブライダルの伝道師とも言われています。1981年にニューヨークでのショーで初めて発表した「ユミライン」と呼ばれるシルエットのドレスは、桂由美さんの代表作で、今現在も世界中の花嫁を魅了し続けています。

1993年に外務大臣表彰を受賞。1996年には中国より新時代婚礼服飾文化賞が授与されました。1999年、東洋人初のイタリアファッション協会正会員となり、2003年以降は毎年パリでオートクチュールコレクション開催。2005年7月、YUMI KATSURA PARIS店をパリのカンボン通りシャネル本店前にオープンし、2011年秋にニューヨークでライセンス契約での再デビュー果たすなど、世界的な創作活動を展開しました。


「Beyond 60years Rose Yumi Story」をテーマにした「ユミカツラ東京コレクション2024」


2024年3月5日に、恵比寿ガーデンプレイス「ザ・ガーデンホール」で開催された「ユミカツラ東京コレクション2024」。来年迎える予定だったデザイナー活動60周年を前に、約1,000人の観客を集め 「Beyond 60years Rose Yumi Story」をテーマとして、最新のウエディングドレスや和装、メンズフォーマルなど、約70点を発表しました。

愛と美を象徴するバラは、ユミカツラブランドのシンボルフラワーです。バラの刺繍、バラのレース、バラのプリント、バラの造花など、1964年12月末に日本初のブライダル専門ショップをオープンして以来今日まで、 バラは ユミカツラのロマンティシズムを語るに不可欠な存在です。

1998年には日本最大級のバラ園「京成バラ園芸」で、ユミカツラの名を冠した花嫁のための新種の白バラ「ローズ・ユミ」が誕生。それ以降、国内外の節目のコレクションでは、この「ローズ・ユミ」を題材に作品を発表してきましたが、1年後に60周年を控えた今回は、ユミカツラ59年の軌跡をバラの花々に託し、ステージいっぱいに咲かせました。

コレクションの開幕はユミカツラの代名詞「ユミライン」が登場


先にもご紹介しましたが、今や全世界のトレンドのひとつになっているスレンダーシルエットのドレスは、1981年、ユミカツラの初となるニューヨークコレクションで発表したデザインです。

「和と洋それぞれの魅力と日本流のエレガントを表現する」 オリジナルデザインとして、黒振袖のお引きずりスタイルから着想したスレンダーシルエットのドレスは、全米のバイヤーたちを魅了。ユミカツラの名をとり“ユミライン”と称され、メディアからは「スマッシングデビュー」と称賛されました。

この出来事は、桂由美の半生を描いたスペシャルドラマ「はれのひ シンデレラ」(2月24日/YTV・NTV系で全国放送)のラストシーンで感動的に描かれています。

コレクションの開幕は「Yumi Line Parade(ユミラインパレード)」と銘打って、チュール使いの軽やかなユミライン、モノマテリアルの シックなユミライン、総レースの優美なユミラインなど、素材によって様々な表情でエレガンスを表現する珠玉の 「ユミライン」6作品が登場し、観客を魅了しました。

カジュアル&フォーマルに対応する、ありそうでなかったドレス「ykf(エフ)」


日常着としても着回しが楽しめる軽やかなエレガンスウェアとして3年目を迎えた「ykf(エフ)」。サステナブルの理念のもと、天然素材を用いて製作した高品質なオールメイドインジャパン製もこだわりのひとつです。

今回は「Noble Noir」をテーマに、ブラックとホワイトのコンビネーションの一部をラインナップして発表。 シンプルなシルエットなのにエレガントな後ろ姿は、「ありそうでなかったドレス」として、大人の女性たちに大好評となりました。

多様化するウエディングシーン対応するメンズフォーマル12作


「多様化するウエディングシーンや、多彩なデザインの花嫁ドレスに対応する、メンズフォーマルの多様化にも力を入れていきたい」とする記者会見での桂由美さんの言葉通り、トレンドの「マイクロウエディング」や、 お色直しでもう1着を望むグルームたちのニーズに応えたメンズフォーマル12作品を発表。男性はもちろん、女性客からも大きな拍手が贈られました。

最高級素材で、アーティスティック・デザインのホワイト&カラードレス


ウェディングドレスは、世界中から最高級素材を集め、半年から1年かけて制作しラインナップ。王道のタイムレスドレスからユミラインまで、妥協のない細やかなクチュールテクニックと洗練のクリエーションです。

披露宴のラストを飾るイブニングドレスは、360度異なる表情でゲストを魅了するアーティスティックなデザイン。繊細なクチュールテクニックを駆使した類まれな美しさは、ゲストへのサプライズ効果が抜群です。極上のエレガンスをお届けするユミカツラの自信作です。

和装シーンでは、トヨタの傘型モビリティ「&brella(アンブレラ)」が登場


トヨタの傘モビ企画・開発チームが開発した傘型モビリティ「&brella(アンブレラ)」がユミカツラ仕様で登場。洗練された日本らしさをカタチにし、観光地や和体験、披露宴での演出などで活用することで地域活性化とともに未来への新たな進化を図る新しい試みです。スマホでの操縦も可能。2011年にパリコレでコラボした京和傘日吉屋さんも傘部分で協力。伝統と革新、新たな日本の美のアピールとなりました。

オートクチュールシーンは、バラをモチーフに新素材、新テクニックの新作


ユミカツラのシンボルフラワー「バラ」をモチーフに新素材、新テクニックの他に類を見ない7作品をラインナップ。また、SDGs(持続可能でよりよい世界を目指す国際目標)に取り組んでデザインした作品も登場しました。 様々な残布や端切れから生まれたとは思えない美しいバラの花々で埋め尽くされた、ベールアンサンブルのキュートなミニドレスに注目が集まりました。

以上、桂由美さん追悼企画として、「Yumi Katsura(ユミカツラ)東京コレクション2024」の模様をお届けしました。桂由美さんのデザインポリシーの根底にあるのは「日本人であることに誇りを持ち、日本の文化や伝統に敬意を込めて向き合う」というもの。年々多様化するブライダルシーンをよりエレガントに、より感動的にするために尽力された桂由美さんの功績は偉大です。

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