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マインドフルネスキャリア:自分が大切にしたいことを大切にできる幸せなキャリア

 『国連の推計によると、2050年までに、日本の100歳以上の人口は100万人を突破する』と言われています。日本は世界でも有数の急激に高齢化が進んでいく国であり、現在の平均寿命も男性はスイスに次いで2位ではあるものの、女性、そして男女でみれば、世界1位の長寿国家。今、50歳くらいの方は100歳を迎える方が今よりももっと多くなる見込み。まだ人生折り返し地点、あと50年という長い時間が残されている。人生、まだまだこれからというところでしょうか。

 しかし、今の50代のおかれている環境はどうでしょうか。2013年に改訂された「高年齢者雇用安定法」によって、定年が60歳から65歳に引き上げられたものの、2025年までは、経過措置期間ということで、60歳定年、それ以降は再雇用制度を利用というケースがほとんど。また、それよりも前、50代でも「役職定年」という、役職を解かれ、一般職となったり、全く別の仕事についたりといったといった制度を設けている企業も少なくありません。

 「無我夢中で走り続けてきたけれど、そろそろ止まれと言われているような気がして、少し寂しい」

「まだまだこれからと思っていたけれど、企業人としては、先が見えてきてしまった」

「モヤモヤ、空虚感、エネルギーがなくなる感じがする」

「仕事がなくなることが不安でたまらない」

などなど、心がざわざわと騒ぐ方も多いのではないでしょうか。

 長い間、ひたすら走ってきたのですから、急に訪れる転機に、心がざわざわするのは当たり前。でも、このざわざわはチャンスだと私は思います!

 今までの人生を振り返り、自分がどんなことに価値を感じ、どんなことを大切にして、どんな基準で人生の選択をしてきたのか、自分だからできたことを見つめなおしてみると、自分らしさとは何か? 自分の価値軸、自分軸が見えてきます。

 自分軸が見えてくると、どんな未来を描きたいのか? を考えるエネルギーも涌いてきて、一歩を踏み出す勇気がもてるのかもしれません。

 私は、このざわざわが、40歳になった頃にやってきました。
 新卒で入社した会社にずっと勤め、32歳で長男を、36歳で長女を出産し、時短勤務制度を利用し、月100時間という短い時間で働く正社員として、8年が経過。仕事も子育てもがんばりたい!という気持ちはあるのに、空回り。いつも不完全な、なんとなくモヤモヤした気持ちで過ごしていました。
 
 0歳から保育園に通う息子のことを、近所の専業主婦のママ友には「かわいそう」と言われ、幼稚園の年齢になれば、「保育園にしては、いい子に育っているよ」と言われ…

 教育学科卒で、幼稚園、小学校の教員免許を持ち、独身時代はニュージーランドの親子の育ちあい教育システムを日本で展開する任意団体を作りボランティア活動をするくらい、人一倍、子どもの教育には興味、関心があった私。子どもたちの小学校受験では、働く母というハンデを持ちながら、シッターさん、実家の祖父母の力を借りてなんとか乗り切ったものの、この先もずっと、子育てを中途半端な状態で続けるのか、子どもたちに寂しい思いをさせてしまうのかと思うと、ざわざわが日に日に強くなっていきました。

 実は2人目の育休明けに配属された部署(私は出産前、第一子出産後、第二子出産後とまったく違う部署、違う仕事への配属でした)は、初めての仕事ながらも、上司、同僚に恵まれ、22年間のサラリーマン生活で、最も充実した仕事、成果をあげられた職場でした。自分の強みを見つけ、自分だからできる仕事、自分らしい仕事スタイルを実践できるようになった仕事充実期。全く不満はなかったのです。それでも、子育てももっと楽しみたい、子どもに関わりたいという思いが強くなり、44歳で会社を卒業しました。

 会社は卒業しましたが、元々仕事は大好き。保育園時代のママ友には「〇〇くんママは、立ち止まったら死んじゃうね(笑)」と言われるくらい、常に何かに向かって猛ダッシュしているようなタイプなので、仕事自体を辞めるつもりはありません。とはいえ、辞めたのは、中学受験を目指していた息子が6年生になるタイミング。1年間だけ、お初の専業ママになってみようと決め、思いっきり、息子の受験に伴走。娘の習い事の付き添いも嬉々として行っていました。

 そして息子の受験が終わると、いよいよ次のステージへ向けて始動。

会社を辞める時、思ったのは、

★正社員という立場上、仕組み、企画を考えるのが仕事で、実際にエンドユーザーであるお客様と接することはあまりない立場だったので、今度は、目の前にいる人の悩みや問題を解決したり、幸せにできる仕事をしたい。

★24時間365日、自分の価値軸で、時間やパワーをどう使うのかを決められるようにしたい。

★自分の価値軸で判断をするためには、自由、そして自分で責任をとれる働き方をしたい。雇われない生き方をしたい。

★子どもたちはどんどん成長していく。あっという間に親など必要なくなる時がくる。だからこそ、今を大切に、今、子どもと向きあえる時間を大切にしたい。

★経済的な自立は大切なことと考え、プロとしての仕事ができる人間でい続けたい。

の5つ。

 この5つを軸に考えることで、私の会社卒業後のステージは、私らしく、満足に過ごすことができているのかなぁと感じています。

 いい学校を出て、いい会社に就職して、いい人と結婚して…という人生はもう昔の話。人はそれぞれ、価値観が違い、大切にしたいことも違います。だからこそ、自分を知り、自分の価値軸を持ち、自分が大切にしたいことを大切にする、そんな生き方ができたら、素敵だと思いませんか。

 マインドフルネスキャリア。自分と向き合い、自分に気づく。自分軸で人生の選択をするキャリア。心がざわざわした時はチャンスです。


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