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新人デザイナー向けユーザーや事業理解のコツ

UIデザインやUXのあり方を考えようとした時に、まずは事業やユーザーを知りましょう、と言われたことはありませんか?

でも、ビジネスや数字の話は苦手、というデザイナーの方もいらっしゃるはず。
そんな若手デザイナーの方に、デザイナーだからこその、ちょっとした事業理解のコツをご紹介します。

ユーザーを身近な知り合いだと思い込む

事業やユーザーという言葉を聞くと、論理的に賢く何かを考えなければいけないような気がしてしまうことはありませんか?

私はそんな風に感じていた時期がありました。
でも、実際にはもっと感覚的にユーザーを知ろうとした方が、イメージしやすいこともあります。
ペルソナやジャーニーマップも良いのでしょうが、私の場合は友人になったつもりでインタビューでお話して感覚的に理解を深める方法がシンプルかつやりやすく感じました。
どんなイメージかというと、、、

  • どんなことに楽しいと感じるかな

  • どんなことを嫌うかな

  • なぜこれが嫌でこれは良いと感じるのかな

  • どんな日常を過ごしているのかな

といったことをお話しながら、考えます。
ユーザーも人間です。
サービスを使う以前に1人の人間として、どんなタイプの方なのかを知る段階を踏むことで身近に感じやすくなります。

その上で、サービスに対して感じていることや、どういう時にサービスを使おうと考えたのか、などを深掘りします。

事業は図でイメージする

事業というのはとても広義な言葉です。
事業理解を、と言われても何からどう理解すれば良いか戸惑ってしまうことも。
また、よし、やるぞ!と気合いを入れて経営資料や数字の羅列をみても、頭に入ってこない、どうも実感が湧かないということもあるのではないでしょうか?

そこで、大事なところにに的を絞って、図など絵で事業のイメージをすると、イメージがしやすくなります。
知ろうと思えば、深くも広くも知ることができると思いますが、まずはシンプルに以下の3つをおさえておくことをおすすめします。

また、データや資料は、何も自分で作らずともこういう資料が見たい、という話を身近な先輩に聞いてみると良いでしょう。

おさえておきたい3つのポイント

  1. サービス利用者(ユーザー層)

  2. 事業運営者と利用者、関係者の関係性

  3. 売上や利益の推移

1.サービス利用者(ユーザー層)

性別や年齢、新規、リピーター、エリア、契約プランなど、事業(サービス)によって切り口は様々ですが、どんな層のユーザーがどのぐらいいるのかを円の大きさで描き、事業戦略的にはどこの円をどのぐらいにしたいと考えているのかを点線で描き足します。
誰にどんな価値を届けるのか、どんなアプローチをするかといったアイデアと、この図を照らし合わせることで、どのアイデアが良さそうか、どこに伸びしろがありそうか、絵でイメージしやすくなります。

2.事業運営者と利用者、関係者の関係性

サービスフロー図を書き起こします。
まずは事業の関係者を書き、そこに契約やお金の流れを矢印で書いていきます。
そして、それぞれの立場の方がこの事業に期待していることを書き足します。
このフロー図によって、事業の登場人物やお金、サービスの流れが絵で理解できるようになります。
登場人物と彼らのニーズも明らかになるので、何かを変えようとした時にどんな影響があるのかも考えやすくなります。

3.売上や利益の推移

できれば、ユーザー層のセグメント別の棒グラフや積み上げグラフがあると良いです。
遠くから見た時に何が好調で、何が鈍化しているのかに注目して、年間と月間の粒度で観察することをおすすめします。

壁打ちしてもらおう

上記の3つのポイントについて、自分なりの整理がてまきたら、事業戦略に関わっている方に壁打ちしてもらいましょう。
上記の取り組みだけで理解できる人なんていません。
いたとしても、それはほんの一部のかなり優秀な人だけです。
自分一人で事業を理解するという意識は持たない方が良いです。

それなら最初から聞けば良いじゃないか、と思われるかもしれませんが、そうではありません。

粗削りでも良いので理解の下地を作ってから話を聞くことが大切です。
少なからず、何故だろう?とか、これはつまりどういうことなんだろう?という疑問を持つことや、外れても良いので自分なりの想像をしてみることで、理解が深まるのです。

自分の解釈と戦略を考えている人の認識の差異がどこか、何故差異があるのかを深く議論する方が効率良く、相手の話もすんなり入ってきやすくなります。
私はいまだに自分が関わるサービスは、この方法で疑問やズレを補正しながら日々デザインを考えています。

終わりに

事業理解のフレームワークはいくつもありますし、理解の深め方は人それぞれです。
今回ご紹介した内容は、あくまでも私がこれまで色々試した中でたどり着いた一つの方法でしかありませんが、よかったら試してみてください^ ^