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Apple iPadのCMについて
令和6年5月21日
先日、Appleの新しいiPadのCMについて、色々な議論といいますか、日本国内では特に批判の声が上がったと聞いております。海外でもクリエイティブなお仕事に携わる方々からのご批判が多かったそうですね。それに伴い、Apple側は謝罪のコメントを出して、Apple側が当初想定していた意図とは違う結果になったということでしたが、これについて私なりの見解を残しておきたいと思いましたので、今日はその話題について触れてみます。
まず、結論をお話しすると、日頃からApple製品を使っている私としては、今回のCMは非常に残念で怒りを通り越して悲しい気持ちになりました。今までのAppleのCMでは考えられない内容で、人間活動としてのクリエイティブを全て否定するようにも感じましたし、Appleの創業者がいなくなったら企業理念までもが曲げられてしまうものなのか、それとも、前のこと(スティーブ・ジョブズ氏の思想)は否定して、新たな破壊的な思想を採用したのかとも思いましたし、代々、重要な思想は受け継ぐという日本の企業理念の継承のようなことはアメリカの企業は行わないのか、とも思いました。皮肉を込めれば「『ある意味』Think different」なのかなとも思います(Think differentとは、かつてのアップルのCMで使用されていたキャッチコピーです)。
この人間の営みを破壊するような映像に日本人の多くが嫌悪し、批判の声が挙がったたことについて、私は(不謹慎かもしれませんが)ある種の希望といいますか、一筋の光のようなものを感じたんですね。
何故かと言うと、日本人というのは元来「万物に神が宿る」と考える民族だから。自然にあるものや生きとし生けるもの全てに神が宿ると考え、また食器や包丁など、普段使う道具や、楽器など、色々な人間の営みで使われる数々の物品までも神が宿ると考えるんですよね。だから「モノを大切にしなさい」という教育が浸透していたわけです。
その万物に神が宿ると考える民族の一人として、私はあのCMを見ると「日本人における『神』を抹消する行為」にも見えて、日本の神々に対する冒涜なのでは?」とも思ったんですね。言い方を変えれば「日本人はAppleの製品を使わないで欲しい」というApple側のメッセージにも受け取れなくもない、と思ったわけです。穿った見方かもしれませんが、日本人差別のようなものを感じたんですよね。
アメリカから日本は馬鹿にされているところも多分にあるのかもしれませんが、それでも健気に生きている日本人って素晴らしいって私は思います。人を攻撃したり、人を馬鹿にしたりすることを「強さ」だと信じてやまない人よりも、それをやらない人の方が私は強いと思いますし、日本人の元来の考えを私は支持しますし、大好きですよ。
人間によるクリエイティビティを否定するかのようなAppleの姿勢に、とても残念に思いました。元々、Appleの製品には、日本の「禅」の考え方が反映されていたんですよね。スティーブ・ジョブズさんは、日本の僧侶から禅について学んでいたのは有名な話。京都にも家があったそうなんです。もう既に売却されたそうですが。
それだけ、日本の文化や精神性をリスペクトしてくださっていた方の作るモノですから、多くの日本人が共感するわけですよね。ですけれど、企業のトップが変わったらその考えを否定するかの映像を全世界に発信するとはどういうつもりだったのかと思うわけです。
全くもって、今回のCMはセンスが皆無だと思いますし、モノを大切にする日本人の精神性を侮辱しているものとして私は受け止めています。謝罪すれば済む話ではないと思います。
クリエイティブに携わる全ての人への侮辱とも考えられますが、日本人のことも侮辱しているとあの映像を見ていると思います。ちなみに絵文字は日本が発祥ですからね。
日本から、日本独自のOSを産んでくださる方はいらっしゃらないかしら?と期待してしまうのですが、そのようなことが起きたら、私はその会社を応援したいです。モノを大切にするという観点では、壊れるまで今使用しているAppleのパソコンやタブレット、スマホを使いますが、買い替えの頃に日本独自のOSで動くデジタルデバイスが誕生していたら非常に嬉しく思います(スマホはありますね♪)。
それから、あのCMに嫌悪感を示したということは「何が大切なのか」が分かっているということ。ですので、その「大切だと思ったもの」をより一層、今後も大切にしていけるといいのではないかと思います。あのCMに嫌悪感を示した日本人が沢山いたということは「何が大切なのか分かっている方が多い国」ということでもあるので、これは希望を持っていいのではないかと、私は思います。
AIの技術がどんなに進もうとも、人間の感性や感覚は、機械はどんなにやっても超えられませんから、自分自身の感覚や感性をどんどん研ぎ澄ませていくことが、これからの時代に必要なことなのではないかと思います。
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