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好き嫌いせず、とりあえずやってみることの大切さ

noteでも書いているけれど、私は登山の沼にハマっている。この前、友人と話していたときも、何でも山の話につなげようとして、登山好きしか興味ないであろう、あるある話を持ちかけたほどだ。それでも興味津々に聴いてくれる彼女に感服する。

私が登山女子になったのは、アウトドア好きのドイツ人パートナーと旅先や近所の低山を登っていたのがきっかけ。私はオタク気質なところがあり、一度夢中になると、とことん突進するイノシシのような人間だ。これまでダンスやピラティス、書くことに人生を捧げてきたが、今は登山が私の生きがいとなっているし、いけるところまで挑戦していきたいと思っている。

彼ももちろん登山やキャンプが大好きなのだけど、私があまりに山に行きたがるから少し不満を抱えていたよう。と言うのも、前回の記事で話した通り、彼は半分ポルトガル人だから海も大好きなのだ。特に日本の暑さが苦手なので、夏は山よりも断然海派らしい。

彼と出会う前から海が嫌いなわけではなかったが、海に行こうと言われてもテンションが上がらなかった。20代の頃は友人とビーチに遊びに行ったこともあったけど、オープンなクラブのような雰囲気があり、それ以来、海・ビーチ=パリピという陽キャのイメージがこびりついていたのだ。

しかし、ロサンゼルスに住んでいたときは、休みの日にビーチに行くなんて日常茶飯事だったし、海外旅行ではバリ島やオーストラリア、ハワイなど山より海がメインの場所に行くことも多かった。ハワイで友達とカヤックをして、まったく進めない上に流されて、ライフガードのかっこいいお兄さんが何度も方向転換してくれたという楽しい海の思い出もある。

なのに、30代になると、海への足取りはどんどん遠ざかっていくことに。ビーチを歩くのはいいとして、海の中に入るのは気が引けた。何がいるかわからないし、魚が近くに寄ってきたら怖いという理由で、海に入りたくなかったのだ。

幸い、誰も海に誘ってくる人が周りにいなかったけど、宮古島旅行が決まった。それは去年の夏。彼と私の誕生日が4日違いなので、お祝いを兼ねて1週間のバケーションに出かけることにしたのだ。

ダイビング経験豊富な彼は、私とシュノーケリングがやりたいと言い出す。意気揚々と水着や用品を揃え、やる気満々の様子を見れば「やりたくない」なんて言葉は出てこない。

宮古島に行けること自体は嬉しかったけど、旅の直前まで不安しかなくて、彼のようにウキウキ気分ではなかった。雪山登山やソロ登山をする勇気はあるのに、シュノーケリングと魚に怯える私。わけがわからない。

しかし、いざ宮古島の海を目の前にしたら、そんな得体の知れない恐怖感なんて吹っ飛んだ。

なんなんだ、この透き通ったブルーの海に、フォトジェニックな白い砂浜は!

普段は落ち着いた彼が、興奮して飛び跳ねている。超ゴキゲンで幸せそう。その後、ホテルに到着して真っ先にビーチの偵察をしていた彼のもとに駆けつけ、早速シュノーケリングにトライした。

息の吐き方や泳ぎ方のコツを教わり、海の世界へ突入。カラフルな魚たちと同じように、私たちも優雅に泳いでいる。慣れない私の手を引っ張り、少しずつ奥まで泳いでみる。意外にも怖さはなくて、むしろ楽しくて仕方なかった。

結局、6日間連続で宮古島のあらゆるビーチを巡り、シュノーケリングをした。

この旅の最大のハイライトは、ウミガメと一緒に泳げたことだ。「ヒャハハ〜」と出したこともないはしゃぎ声をあげながら、水草を黙々と食べるウミガメをまじまじと見つめていた。まさか海に興味がない私が、ウミガメにこんなにもキュンキュンするとは、人生は何が起こるかわからないものだ。

大人になると、自分の経験で物事を判断して、最初から「やらない」ことを選択しがちになる。好き嫌いがはっきりしてくるから、自分の範疇を超えることには見向きもしなかったり。

だけど、何ごともちょっとやってみてから、好き嫌いを判断してもいいんじゃないかと思う。旅行が嫌いな人は、とりあえず1泊2日の近場でお泊まりしてみるとか、自然が苦手な人は、キャンプじゃなくて設備が整ったグランピングをしてみるとか。

やってみて、自分には合わないなと思っても、別に損にはならない。自分を探す材料が増えるだけだから。



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