精油は薬ではない
こんばんは。
看護師パフューマ―の加々美です。
本日は、精油は薬ではないというお話です。
精油とは?
精油とは植物の二次代謝産物で、
美と健康に役立てていく自然療法です。
ざっくりとお話ししましたが、
実は精油って何?って聞かれると
上手く答えられない人が多いかもしれません。
人によっては、
良い香りがして、リラックスして、
よく眠れるようになって、イライラが軽減して、
…って言葉を使って伝えようとしてくれる方が多いように感じます。
そもそも、精油は植物から採られます。
というより、人間が搾取しているのかもしれません。
植物というのは、芽吹いたら置かれた場所で成長するしかありません。
植物が足を動かして、動いているところなんて
見たことありませんよね。
植物は自ら動くことを捨て
「待つ」を選びました。
子孫繁栄のために虫を良い香りで誘ってみたり、
逆に自身の体を守るために嫌な匂いをまき散らしたり
種族の絶滅を回避するための二次代謝産物を作りだした。
そう思うと、植物は本当にすごいなぁと感じます。
精油は人の手で得られる
精油は植物の二次代謝産物です。
今このnoteを読んでくださっているあなたに質問します。
「精油1瓶はどれぐらいの植物を使って得られているでしょうか?」
今脳内をフル回転してくださっているあなた、
本当に素敵です。
答えは、精油それぞれ違います。
というのも、精油を抽出する方法もいくつかあり、
精油を抽出する部位も違うのです。
でも、これだけは言えます。
精油1瓶が5㎖だとして、
精油1瓶=植物1本
は絶対にありえません。
精油は、大量の植物から抽出され
やっと精油5㎖となります。
それを人の手で創り出しています。
精油は人が豊かに生きるためのツールとして
人工的に作り出された。
精油は精製された油。
植物から精油を得るとは、
どのようにして得られているのでしょうか?
答えは、主に水蒸気蒸留法(他に圧搾法や揮発性有機溶剤抽出法などもあります)にて
精油を得ています。
蒸留窯内に植物と水を入れ、火にかける。
熱した植物入りの水が沸騰し、芳香成分が水蒸気となる。
冷却装置内を水蒸気が通ることで、一気に冷やされ水蒸気が水に戻る。
この時、精油と芳香蒸留水が共に抽出されてきます。
この過程も人の手によって作られ、
人の手によって精製されています。
こうして書いていくと、
どれだけ人間が自分勝手なのかと感じてしまいますよね。
精油は芳香成分の集合体
精油は主に水蒸気蒸留法で得られますが、
そもそも芳香成分という小さな分子から構成されています。
例えば、
スイートオレンジ精油なら
95%以上はリモネンという芳香成分が占めます。
リモネンはオレンジのフレッシュでフルーティーが匂いを表現し、
発泡スチロールを溶かす力もあります。
このようにして、
精油は小さな分子が集まって
大きな力を持った奇跡の産物なのです。
どんなにたくさんの検査をしても、
オーガニックで育てられた植物でも
リモネンの分子構造は変わりません。
精油は化学です。
スイートオレンジの成分内容は産地や天候、
精油の抽出方法などの環境で多少の違いはあります。
ですが、スイートオレンジの主成分はリモネンなのは変わりません。
これが、急に果糖とか栄養成分に変わることはありません。
精油とは薬ではない
ここまでお話ししましたが、
精油は植物から人工的に得られる、芳香成分の集合体です。
そして香りを楽しむものであり、
美と健康に役立てていく自然療法なのです。
もちろん、現代の医療において、
植物から得られている内服薬もあります。
医師が処方するもので治療効果が明確になっているものは
医薬品として医師の診断や処方、薬剤師の調剤によって説明されたのちに
しっかり届けられるのです。
しかし精油はどうでしょうか?
日本では雑貨として市場に出回り
誰でも手軽に手にすることができます。
簡単に手にできるからこそ、
精油を過信してはいけないのです。
精油によって、様々な効果を期待する人が多いのが現状ですが
その前に精油は人が植物から搾取されたものだということを
ぜひ忘れないでほしいです。
本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
また次回お会いしましょう!