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ヴァザーリの回廊再公開

先日5日、8年に渡るヴァザーリの回廊の修復が終わり、12月21日から一般公開が再開する発表がありました。



なので、これから訪れる方のために、また私の復習も兼ねて、回廊について投稿します。



ヴァザーリの回廊は、ヴェッキオ宮殿、ピッティ宮殿間を繋ぐ空中回廊で、1565年に芸術家ジョルジョ・ヴァザーリによって設計されました。



トスカーナ公主コジモ・デ・メディチ1世が家族が自宅であるピッティ宮殿から、政府の拠点であるヴェッキオ宮殿まで、安全に移動できるように計らってのことです。


この時、コジモの跡取り、フランチェスコがオーストリアの公女ジョヴァンナとの結婚を控えていたので、式に間に合うよう数百人の職人を集め、1km程もある回廊をわずか6カ月で仕上げさせました。



ヴァザーリの回廊は、ヴェッキオ宮殿の「緑の間」から始まります。コジモの奥さんだったエレオノーラ・ディ・トレドの居室だった場所です。そこからヴェッキオ宮殿とウフィツィ美術館の間を通るニンナ通り上空を渡り、ウフィツィ美術館に入ります。


右手がヴェッキオ宮殿、左手がウフィツィ美術館。上空のアーチがヴァザーリの回廊。


ウフィツィ美術館からはアルノ川沿いの回廊、ヴェッキオ橋上部につながり、サンタ・フェリチタ教会2階、何件かの建物の中を通り、ピッティ宮殿に辿り着きます。


川岸右にあるウフィツィ美術館から川沿いの回廊上、ヴェッキオ橋上を通り、アルノ川の反対側にある、ピッティ宮殿へ続く。


川沿いのヴァザーリの回廊下

修復前まで、1600年代に蒐集された肖像画が回廊に展示されていましたが、今はウフィツィ美術館内に移されています。なので、今後は「メディチ家の気分になってフィレンツェの市井を眺める」という体験を味わえます。



回廊へはウフィツィ美術館の2階D19の部屋から入場します。チケットはウフィツィ美術館の入場料込みで43ユーロ+予約手数料4ユーロ、12月10日から予約開始です。

〈予約サイト〉
https://www.b-ticket.com/b-ticket/uffizi/default_eng.aspx.html


一度の購入で予約できるのは5枚まで。これは日にちを変えても同じです。
予約時に入場者の名前を入れる必要があります。


回廊の入場予約時間より、2時間前から館内には入れてくれます。公開時間は10時15分から16時35分(月曜休み)、1回の入場上限は20分ごとに25名までです(+ガイドや付き添いの人は2人まで)。入場時には予約した時に送られるQRコードを提示します。回廊に滞在できる時間は45分です。



回廊内でガイドツアーはできませんので、ガイドは出口まで付き添うのみです。


出口はボーボリ庭園の端にある「ブオンタレンティの洞窟」の脇です。係員がピッティ宮殿正面入口まで誘導してくれます。



一度回廊に入ったらウフィツィ美術館に戻ることはできません。ただし、お荷物をクロークに預けた方は荷物を受け取るためにのみ再入場できます。



参考になさってみてください。



(記載の情報は2024年12月7日現在のものです。)



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