朦朧とした目で、似たような質問を
小さな声で何度も言葉にする
私は別の世界にいったほうがいいんですって、
そんなことを言う。
そんなんゆわんと、って言ってみるけどもちろん届かない。
たくさんの穴を体に開けて、
体を震わせて泣きながら
元気です。
大丈夫です。
そう言わないと連れて行かれるから。
心を守るように小さく丸まって、
迷惑かけて何度もすみませんと言う。
どうなったら治るんですか
自分はなんでこうなんですか。
一晩中電話帳にいる誰かに電話をかけつづけて、その誰かたちは離れていく
彼女の手を握って自分の心臓あたりに手を当てる。
どんな言葉も受け取る力が残っていないから、一緒にここで生きてることを伝えるには、この方法しか見つからない。
誰かとの曖昧な約束が命綱で、
その綱がはなされるたびに
自分のことを見失ってしまう
「人」という魅力的な存在以外のものが近くに感じられた幼い頃に
色々語り合えたらよかったのかな
自分の中にあるたくさんの感情を呼び起こす時間を過ごせてたら
なにか変わっただろうか。
命綱をたくさん持てる体力はなくて、その唯一の命綱の片方は「人」につながっているから、揺さぶられて曖昧で不安定。
空や石や草木が音楽が
その命綱の片方を持ってくれたらいいのに。
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