放課後の告白

登場人物
健太(けんた)2年生
幸翔(こうと)2年生
春樹(はるき)2年生
大和(やまと)1年生
柚(ゆず)1年生

佐藤先生(登場せず)

真面目な顔をして健太が机に座っている
立ち上がり、前に出る
こっそり机に隠れて覗いている幸翔

健太「さ、さ、佐藤先生!!す、すきです!」

沈黙

健太「だぁぁぁぁぁ、無理だぁ」

幸翔が後ろから健太を驚かす

幸翔「1人でなーにしてんの?」

健太「わぁぁぁぁぁ!!!って幸翔かよ」

幸翔「す、すきです!って下手かよ笑」

健太「うるせぇ!」

幸翔「そんなんだとふられるぞ?」

健太「先生に告白なんて緊張するに決まってるだろ...」

幸翔「え?先生って誰先生」

健太「もちろん、あの佐藤先生だよ」
幸翔「は?」

健太「優しくて、美人のあの先生に俺は一目惚れしたんだ」

幸翔「や、やめとけー!!!」

健太「なんだよ急に」

幸翔「いや、ほら、相手先生なんだし、あんだけ美人なら彼氏いるかもだろ?!」

幸翔、明らかに動揺している様子

健太「そんなの分からないだろ?」

幸翔「でも」

健太「もしかして、幸翔...」

幸翔「な、なんだよ」

健太「お前も佐藤先生のこと好きだろ!」

幸翔「そ、そーんなわけないじゃーん」

健太「わっかりやす。おかしいと思ったんだよみんな帰ってるのななんでお前がこの教室にいるんだ?って」

幸翔「...あーそうだよ!そーですよ!俺も告白しようとしてんですよ!これでいい?」

健太「開き直んなよ」

春樹、大和口喧嘩しながら登場

春樹「だーかーら!お前には絶対渡さない!」

大和「僕だって渡す気ないです!」

春樹「歳離れてるんだからOK貰えるわけないだろ!」

大和「そんなの先輩だって同じじゃないですか!てか、ゆーて1個差!」

健太「あのー...」

春樹「なんだよ!」
大和「なんですか!」

2人同時に

健太「ひぃ!」

幸翔「おい、俺の後ろに隠れんな」

春樹「告白しにきたんだよ」
大和「告白しにきたんです」

2人同時に

幸翔「ちなみに聞くけど佐藤先生じゃないよな?」

春樹「なんでわかった?!」

健太「敵増えたー泣」

大和「敵?ってことはお2人も告白ですか?」

健太、幸翔頷く

大和「今すぐここから出ていってください」

健太・幸翔・春樹「お前にそんな権限はない!」

大和「後輩には優しくって教わらなかったんですか?!」

春樹「お前退部させるぞ?」

大和「すんません」

健太「2人は同じ部活?」

春樹「あぁ、俺は春樹。んでこっちが大和俺たち陸上部なんだ」

健太「そうなんだ。あ俺は健太こっちは」

幸翔「幸翔。俺たちは同じクラス」

大和「自己紹介はいいとして、どうします?」

春樹「どうするって?」

大和「こんな大人数から告白なんて先生困っちゃうじゃないですか」

健太「確かに...」

足音が聞こえてくる

幸翔「佐藤先生来ちゃったんじゃねえの?!」

4人慌てる
柚登場

柚「え?だれ」

健太「そっちこそ」

柚「いや、私は忘れ物取りに来ただけで...」

大和「これ?って柚?!」

柚「大和、あんた今日告白するんじゃなかったの?」

大和「そうなんだけど...」

柚「え?もしかしてここにいる人たち全員告白するメンツ?」

4人頷く

幸翔「まて、2人はどういう?」

大和「同級生です。同じクラスの」

柚「席も近いんで」

大和「あ!柚!ちょっと相談!」

柚「なに?私帰りたいんだけど」

大和「どうしたら告白成功すると思う?」

柚「そんなの知らないよ気持ち次第でしよ」

健太「っておい!抜けがけすんな!」

春樹「ずっる」

幸翔「柚さん俺にも教えてくれませんか!」

健太「俺にも!」

春樹「俺も!」

柚「えぇ...んーどういうところが好きになったのか言えばいいんじゃないですか?」

大和「例えば?」

柚「えっと...落し物拾ってもらって嬉しかった!とか?」

健太「そんなんで好きなるのちょろいな」

柚「例え話です!」

春樹「俺は授業中紙で手切った時に絆創膏くれてそれで好きになった」

大和「僕はシンプルに一目惚れです」

幸翔「俺は合唱コンの指揮者指導でめちゃくちゃ優しくしてもらって好きになったんだ」

柚「合唱コン?」

幸翔「あぁ」

柚「え?4人が告白しようとしてるのって先生?」

健太「そうだよ」

柚「ちなみに誰先生?」

健太「可愛くて」

幸翔「美人で」

春樹「優しくて」

大和「生徒から人気の」

4人「佐藤先生!!」

柚「...まじ?」

大和「え、なんか悪い?」

柚「4人ともお姉ちゃんのことが好きなの?!」

4人「お姉ちゃん?!?!」

健太「ちょちょちょちょっとまって」

春樹「お、お姉ちゃんとは?」

幸翔「姉妹のことだろ?」

春樹「んな事わかってる、あほか」

幸翔「あ?」

大和「そこは別にいいんですよ!柚ちゃんと説明して!」

柚「説明も何も大和私の苗字知ってる?」

大和「苗字?えっと佐藤柚。ん?佐藤...佐藤?!」

柚「今更?!」

大和「だって佐藤って多い苗字ランキング1位じゃん!」

柚「音楽の授業で最初に言ってたじゃない!このクラスには妹がいるって」

大和「ごめん、そんとき見とれてて話聞いてなかった」

春樹「お前もアホか」

健太「なら尚更!佐藤先生って好きな人いたりするの?」

幸翔「この生徒かっこいいよねとか言ってたりしなかった?」

春樹「俺の事話したりは?」

大和「柚と同じクラスなんだし、ちょっとくらい僕のことも話してたりとか」

柚「あの!!!!!」

4人「...」

柚「お姉ちゃん。彼氏いますから」

4人「えええええええええええええ!!!!」

柚「じゃあ私はこれで。あ、告るんなら告ればいいんじゃないですか?振られる前提でいいのなら。じゃあね大和」

4人「俺(僕)たちの初恋がぁぁぁぁぁぁぁ」

健太「どーしよ先生呼び出しちゃったよ」

幸翔「俺もだよ」

大和「どうしましょぉ先輩(泣)」

春樹「俺今お前に構ってらんねぇよ...」

だんだん暗転
幕が下がるまで話し続ける

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