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便秘薬で死にかけた話、する?

そう、あれはEC療法が始まってまもなくの頃でした。

抗がん剤治療はまずドセタキセルから始まりました。

ドセタキセルは手指の皮膚障害、脱毛くらいで特に重篤な副作用がなかったのでちょっと舐めてました、EC療法を。

〈赤い悪魔〉とも称されるエピルビシン、その副作用の一つに

便秘

がありました。

ドセタキセル初回の時に、念の為にと下剤が出されてましたが、一度も使うこと無く終えました。

EC療法

初日から

出ない。

というわけで、人生初の下剤のお世話になることに。

朝晩食後に1錠ずつ。

なるほど。

というわけで飲みました。
食後に。
水とともに。

の、はずでした。

水だけ先に飲み込んで、薬が口にのこってしまい。

その錠剤が喉にへばりついてしまい!

どれだけ咳き込んでも口の外に出ていかない!!!

「魚の骨が喉に引っかかった時に無理に何かを飲み込んで喉の奥に流そうとしてはいけない」

そういう知識はある。

指を突っ込む。

もう少しで届く!
あと一息!!

「餅が喉に詰まった時、お腹を圧迫する背中を強く叩く」

体をくの字に曲げて、お腹を圧迫する。

私の異変に気がついた次女が顔色を変え
「水?」
「水はあかん、出すわ」

喉にへばりついたブツ、もう少しで届くのに、届くのに取れない!
もうすぐ気管が塞がる?!


走馬灯…

学生時代、体育会系クラブに所属していた時の先輩が、元高校球児で甲子園出場経験のある方でした。
初戦、9回裏、ラストバッター。
ゴロの球がファーストに届くまでの全力疾走の数秒間。
そのわずかの時間に、リトルリーグからこの試合までのすべての野球のシーンが脳裏に蘇ったというお話。

青春の光と影。
ええ話や。

一方。

がんで散る予定(仮)の命やったのに…

なんで便秘薬を喉に詰まらせて死ぬん?
アホなん?
自宅で死んだら検死やん?
べ、便秘薬を喉に詰まらせて窒息死とか、ないわ〜😭

私の人生、何やったん??

そんな私の右手の指先に届いた錠剤の
かけら…

かけら…

そう、指先に残る錠剤、ほぼ泡となり。
それはまるで人魚姫のごとく。

マグミット錠、口の中で簡単に溶けるお薬なんですって!!

はよ言わんかい!!
(取説よく読まんかーい、というブーメラン)

☆こういう方は私だけではないようで。

そんなわけで、マグミット先生との出会いは最悪でしたが、その後は良好な関係を維持しております。

抗がん剤治療が終わったら、また元の快便女王に戻る予定なので、期間限定のお薬と成りますように!

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