【絵本紹介】もうすぐ節分~鬼の絵本:ロングセラー編~
節分が近づいてきました。
節分といえば、鬼!(豆まきやいわしは!?)
ということで、鬼にまつわる絵本を集めてみました。
どうやら日本人は鬼に対して恐れも親しみももっていたようで、絵本の中でも怖い鬼から優しい鬼まで、バリエーション豊かに登場します。
今回は、30年以上読み継がれているロングセラー絵本から、5冊ご紹介しますね。
■おにたのぼうし (あまん きみこ 作 岩崎 ちひろ 絵 ポプラ社)
節分の夜、どこからも豆をまく音がして、おにの子のおにたは行くところがありません。
つのを隠すための帽子をかぶって、おにたは町を歩きます。
ようやく見つけた、豆の匂いのしない貧しそうな家で、おにたは、病気のお母さんを看病する女の子を、喜ばせてやりたいと思います……。
「節分の絵本」というと一、二を争うくらい有名な絵本ではないでしょうか。
1969年発行なので、小さい頃に読んでもらった、または自分で読んだ経験のある人も多いでしょう。
子どもたちも切なさ、哀しさを感じるのか、読み終えた後もしばらくしーんとした余韻が教室に漂います。
個人的には、岩崎ちひろさんの絵が、とっても心に沁みるなと思っています。
■鬼といりまめ(谷 真介 作 赤坂 三好 絵 佼成出版社)
村で日照りが続いたある年のこと。
「雨を降らせてくれたら、娘のおふくを嫁にあげてもいい」と言った母のつぶやきを聞いた鬼が、雨を降らせます。
約束通り、おふくは仕方なく鬼のところに嫁に行くのですが、鬼のわがままなふるまいにがまんができなくなって逃げ帰ります。
おふくを追いかけてきた鬼に、お母さんは……。
節分になぜ豆をまいて鬼を追い出すのか、行事の謂れがわかる絵本です。
鬼が非道なものというより、ちょっぴり同情もおぼえてしまう人も多いかも?
■おなかのなかにおにがいる(小沢 孝子 作 西村 達馬 絵 ひさかたチャイルド)
おにといえば、外からやってくるものですが、なんと、みんなのおなかの中にもいるというんです。
しかも、おなかの中のおには、おなかの持ち主と性格が同じ!
くいしんぼうおに、なきむしおに、へそまがりおに……。
節分の日に豆まきをして、よくないおにを追い出すのです。
「自分のおなかにおにがいる」という設定が楽しいですね。
自分のよくないところが、自分のせいではなく、「おにがしているんだ」と考えたら、ちょっと気が楽になる??
自分のことを、客観的に見る視点を与えてくれるという点でも、読んであげたい一冊ですね。
■だいくとおにろく(松居 直 作 赤羽 末吉 絵 福音館書店)
昔、あるところに、流れがはやくて何度橋を架け変えても流される川がありました。
村人たちから橋を架けるお願いをされた大工は、どうしたものかと川を眺めていると、「お前の目玉を寄こすなら、橋を架けてやってもええぞ」と鬼が現れます。
大工がちゃんと返事もしないでいるうちに、鬼は橋を架けてしまって……。
鬼が現れたところから、大工と鬼の知恵比べが始まったような面白さがあります。
大工がこのピンチをどうやって乗り越えるのか?
子どもたちはそれが気になるようです。
そしてなんといっても赤羽末吉さんの迫力ある絵がすばらしい!
昔物語の絵巻を見ているような気分になれる絵本です。
■島ひきおに(山下 明生 作 梶山 俊夫 絵 偕成社)
昔、海の真ん中の島に、鬼が一人で住んでいました。
一人ぼっちの鬼は寂しくて、嵐の晩にたどり着いた漁船の漁師たちの姿を見て喜びますが、漁師たちは肝をつぶしてしまい、一緒に暮らすどころではありません。
人間たちと暮らしたい鬼は、漁師たちの出まかせを間に受け、島を引っ張って、海をさまよい始めます……。
人間と仲よくしたいのに、「鬼」というだけで避けられ、忌み嫌われてしまう。
どこか『泣いたあかおに』と通じるものがあります。
もちろん、人間には人間の事情があるわけで、どちらが悪いということでもなく、それだけに切なさがこみ上げる作品です。
ちなみにかなり以前は、この作品で学習発表会(学芸会)の劇や、集団作りなどがテーマの研究授業に取り組む実践を時々目にしたものでした。
他にも鬼のでてくる絵本として『泣いたあかおに』『ももたろう』があります。
こちらの電子書籍でご紹介しています。
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【ワーク】
鬼が出てくる伝承を子どもたちに話してみよう。
(取り組むことで自分の考えが整理されます。ご自分のノートでも、コメント欄でも、書いてみてくださいね)
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【質問】
鬼が表しているのは何ですか?
(ご自分に問いかけてみてくださいね。答えはすべて正解です)
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よかったら、手に取って読んでみてくださいね。