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「学べて良かった」では意味がない。そもそも、「研修の評価」とは何か?
私は現在、立教大学大学院のリーダーシップ開発コース(以下、LDC)の修士2年生です。
LDCの特徴は、2年次になるとリアルクライアントを自ら探して全て一人で組織開発・人材開発の実践を行い、その結果をプロジェクト報告書(修士論文)に書くという、かなり実践型の大学院です。
組織開発・人材開発実践において欠かせない、「研修評価」について今回はまとめていきたいと思います。
参考文献:研修開発入門 「研修評価」の教科書 「数字」と「物語」で経営・現場を変える
研修評価とは?
そもそも研修評価、とはなんでしょうか?
大学院の授業でも口酸っぱく言われるのが、「学び温泉にはなるな」という言葉です。
学び温泉とは、学んだ後に「楽しかったー」「気づきがあったー」「面白かったー」というように、充実はしているけれども行動変容に繋がっていない現象のことを指します。
もちろん、気づきがあることは素晴らしいのですが、参加者の行動変容にまで繋げなければ経営インパクトには繋がりません。
私たちは「経営インパクト無くして組織開発ではない!」と学んできているので、「学び温泉に気を付ける」ことはとても意識しています。
研修とは「仕事の現場以外の教育環境で学んでもらい、学んだものを、現場で実践できるように転移させる施策」のことを言います。(中原,関根,島村,林,2024)
研修評価とは、人材開発のために行う施策の一つです。研修と同様に、「経営・現場にインパクトをもたらす」ことであるとも言えます。
研修評価の3つの役割(機能)
研修評価には3つの役割があると言われています。1つずつ見ていきましょう。
①形成的評価機能
評価データを通して研修を改善することを通して、研修転移の可能性を高めることです。
形成的評価は、研修をやっている側、研修担当者が、研修の良し悪しを把握し、より良いものに改善するために行う研修評価です。
私も事後アンケートなどを通して、場をより良くするために改善を重ねますが、研修をより良くしようとアップデートすることって、研修転移において欠かせないです。
②総括的評価機能
研修評価を通じて、研修効果を「見える化」して、他者に説明可能にする(アカウンタビリティを果たす)ことです。
研修評価で得られたデータを根拠として、研修のステークホルダー(決裁権者)に対して研修の効果を説明することが可能になります。
研修が持つ効果をステークホルダーに対して要約し、総括することで、研修の持続可能性を確保することを目指します。
③リマインド機能
私も経験がありますが、研修を受けても現場に戻れば学んだことを忘れてしまったり、日々に忙殺されてしまいます。
だからこそ、研修後に簡易なアンケート調査を行うなどすると、学んだことを思い出せる「リマインダー」としても機能します。
研修評価は客観的に「研修効果を厳密に測定する」ことが目的ではなく、研修で学んだことが実践されるように研修受講者に積極的に働きかけていく行為になります。
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今回はそもそも研修評価とは何か、研修評価の機能についてまとめました。次回は、具体的に研修評価ってどうやるの?という話をまとめたいと思います。