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年下の先輩、敬語、嫉妬 第59回 月刊中山祐次郎
皆様、お読みいただきいつもありがとうございます。今回の「月刊 中山祐次郎」は、南日本新聞(鹿児島県のローカル新聞)一面「朝の文箱」に掲載された私のエッセイを、許可を得て転載します。終わりにはエッセイ裏話を書いております。
<過去の南日本新聞「朝の文箱」>
エッセイ第一回「2浪、受験、鹿児島へ」はこちらから。
エッセイ第二回「合格発表、指宿、本田」はこちらから。
エッセイ第三回「草木、方言、ドイツ文学」はこちらから。
エッセイ第四回「バス、鰻池、ストーム」はこちらから。
20年前の4月、僕は鹿児島大学医学部に入学した。神奈川生まれ育ちで、「親父が鹿児島市出身(鴨池小)である」こと以外は何のつながりもなかったこの南国の地で、僕は生まれて初めての一人暮らしを始めた。
千葉出身のチャラそうな2学年上の先輩に「サッカーやってたんならサッカー部入りなよ。関東出身の人も多いし」と、練習見学後に谷山街道沿いの豚カツ屋「浜かつ」で勧誘された。とはいえ練習は週5回という、厳しい体育会のそのサッカー部に入ることを僕はためらっていた。サッカーは中学・高校とずっと部活でやっていたのだから、大学生になったら色んなサークルとかバイトとか、それっぽいことを一通りやってみたい。それも、医学部以外の友達を作って、だ。このサッカー部はキャンパスが離れている関係で、医学部・歯学部生だけの部だった。
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