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1.[全曲レビュー]They might be giantsの「They might be giants」 僕の好きなアルバム その1

卒論書いたり、ライブの練習をしないといけないけど、最近すごくハマっているアーティストがいるからnoteに記事を書きます。それにnoteはタイピングの練習になるからいい。

その名もThey might be giants。初めて名前を知った時のことは思い出せないけど、3rdアルバム「flood」に入っている「Istanbul」と「Birdhouse in your soul」をたまたま聴いて、感動しそこからCDを漁るようになった。

そしてつい先月、大学帰りにフラッとよったディスクユニオンで手に入れたレコードが1stアルバムの「They might be giants」である。


・They might be giantsとは

・プロフィール

左John Linnell 右 John Flansburgh

歴史とか詳しいことはあまり知らないから書かないけど、簡単な説明をここではする。
メンバーは二人で、John LinnellJohn FlansburghのWジョン。
出会いは高校の学校新聞制作。意気投合した二人は大学入学時に一度離れ離れになるが、卒業後ニューヨークのブルックリンのアパートにて合流。その後They might be giantsを結成する。現在でも精力的に活動を行っており、発表したスタジオアルバムは20を超える。

・フォロワー

アーティストや評論家に多くのファンを持つ彼ら。
僕が知っているところでは
例えば…
2010年代インディロックの最重要バンド「Car Seat Headrest」のボーカルwill toledo。彼はどっかのサイト内で彼らへの愛を爆発させていたり、3rdアルバムに収録されている「Dead」をカバーしてたりする。

どっかのサイトの書き込み


他にも音楽評論家系Youtuberである、Anthony FantanoはAmoeba records の「What's in my bag」で彼らを取り上げている。(5:56ごろ)


また、日本ではスカートでお馴染みの澤部渡も彼らのことを絶賛していた。それに2023年にハリウッドボウルスタジオで行われた、They might be giants  とSparksの対バンライブに直接行ってたりもする。
そう、あなたがもしSparksを好きならば絶対にハマること間違いなしのバンドなのである。
https://turntokyo.com/features/sparks-they-might-be-giants-live-in-la/

他にもOk goMike eagleなど少し捻くれたフォロワーが多いのがこのバンドの魅力を表している。

・1st album 「They might be giants」

・概要

このアルバムが発表されたのは1986年。1980年ごろから宅録を初めていた二人は、留守番電話に音源を吹き込み、電話をかければ毎日違った曲を聞くことができるサービス「Dial A Song」などを行い着々と楽曲を増やしていた。

その後1984、85年に発表したDemo音源を再構築したのがこのアルバムである。
そのため「They might be giants 1984(85) demo」とYoutubeで調べれば、初期のバージョンを聴くことができる。
アルバムにはなんと19曲も収録されている!!

・全曲紹介

1.Everything Right Is wrong again
オープニングを飾るポップなナンバー。軽快なドラムとエレキギターがかっこいい一曲。また、ゆっくりになるところのディレイの使い方とか曲の構成とか勉強になるところが多い。
この曲は84年のDemoに収録されていて、そこではアコースティックギターが使われたテンポの少し遅いバージョンを聴くことができる。
またアウトロの有無だったり、比べてみると面白いしどちらも良いと思う。
「何事も調子が良くったって、悪くなる」っていう歌詞も捻くれてて良い。

2.Put Your Hand Inside The Puppet Head
二曲目も前の流れをくんだ軽快な曲。ただ歌詞が難しい。
「指人形の頭に手を突っ込んでごらん」
他の歌詞では世間への怒りを感じ取れるけどその解決方法が、指人形…
まだ読みが足りないんだと思う。
でも歌詞を考えなければ、パ行が沢山並べられててかわいい曲だと思う。
子供達が歌うのもいいかもしれない。
この曲はもうdemoで大体完成している。MVもあるんだね。

3.Number Three
これは個人的にアルバムで3番目に好きな曲。
三曲目に「三曲目が浮かばないから、大統領に聞きに行ったよ」なんて歌を入れるセンスに脱帽してしまう。
そして楽曲はシンプルなカントリーソング。バスドラムも首尾一貫して4つ打ちのシンプルなプログラミング。
トリビアとしては途中のサックスは45回転のレコードを33回転でプレイしたものをサンプリングしたらしい。
動画はskaバージョン。

4.Don't let's Start
こちらは初期の大名曲!!
曲調はロックでありながら、歌詞にある通り「別れ話は今はよそうよ」と
どこか悲しい雰囲気も漂っている。
サビ→A→B→(繰り返し)→サビ→C→サビ、と構成は結構シンプルだが、
ハイハットのシャッフルとか結構細かいところに発見がある。
1985年のDemoの時はサビとCメロしかできていなかったのに、こんな良い曲にまで仕上げるところは、よっぽどこの曲に自信があったんだと思う。
その結果シングルカットもされて、オーストラリアのシングルチャートでは最高94位を取っている。

5.Hide Away Folk Family
五曲目にして、急にゆったりとした曲になる。
ムードは森の中でまったり…なんだけど歌詞は
「民族の一家よ隠れて、そうしないと誰かに捕まるよ」とか「あいつらが家に火をつけた」など文明社会による民族への駆逐を表現している気がする。
そのギャップが素晴らしい。
それによって、ブレイクに入ってくる轟音のギターが森の木を伐採するチェーンソーのように聞こえてくる。
ストーリー性を感じる一曲。
この曲はDemo音源がない。動画はライブ映像

6.32Footsteps
これは不思議だ。というかよくわからない。
ただの言葉遊びな気もするし、深い意味があるのかもしれない。
コーラスの「チンジャンチギロン、ヴィンガンヴィギロン…」は面白い。
ずっとフランスバーグが歌ってると思ってたけど、ライブを見たらリンネルだった…

7.Toddler Hiway
これは30秒くらいのアカペラの短い曲。
こうゆうセンスは彼らも尊敬するThe Regidentから来ているんだと思う。
あるインタビューで「ビートルズとレジデンツから音楽を学んだ」
と答えていた。
後にアルバム「Apoll 18」に収録されている20秒くらいのバラバラな曲をメドレーで演奏するFingertipsの原点だと思っている。

8.Rabid Child
この曲は始まりから暗い雰囲気で、アルバムの中で一番怖いと思っている曲かもしれない。
ボーカル、ドラム、シンセベース、シンセパッドと使っている楽器が結構少ない。
歌詞にチェスピースフェイスが出てくるけど、なんのことか全くわからない。
ビデオあんのかい…

9.Nothing's Change My Clothes
結構好きな曲。
サビ後の三拍子のドラムがかっこいい。
それとフランスバーグ(多分)の「ドミノー」ってコーラスが面白い。
今更だけど「Don't…」とかこの曲の「…gonna change」のところでリンネルの声がしゃがれるのが、カッコ良すぎる。
ここでA面が終わる。
動画は最近見つけたファンが作ったビデオ。
とてもかわいい。
途中白くなるのが惜しい。

10.(She Was A )Hotel Detective
こっからはB面
この曲はフランスバーグがリードボーカルを取っている。
曲調は「KISS」みたいなハードロック。
「with me」とか「Tree」とか「bee」とか、ダジャレのようなシンプルな韻の踏み方をしたり、
「俺のところへおいでベイビー」のようなわざと誇張した真似をして、商業ハードロックを馬鹿にしている感じが面白い。

11.She's An Angel
この曲がアルバムで一番大好きだ!!
リンネルが歌う美しいラブソング。
特にサビの歌詞はキュンとさせる。
ドッグショウで出会うところが俺には想定できなかった。
そこに足を運ぶリンネルも可愛らしい。
ぜひ歌詞を読みながら聴いてほしい一曲。
動画はコーラスグループのカバー。素晴らしい。

12.Youth Culture Killed My Dog
007のようなイントロから始まって、フランスバーグが怒りをぶつけてくる。多分どこか昔を懐かしむ気持ちが爆発したのかもしれない。
アルバムに収録されているのはアコギだけど、本当はエレキを入れたかったらしい(でもトラックが足りなくて諦めた)
笑い声のSEや途中から入ってくるトランペットがかっこいい。
84年のDemoは全く違う雰囲気。

13.Boat Of Car
このアルバムで1,2を争う意味がわからない曲。
この曲だけはフランスバーグの彼女Margaret Seilerが歌っている。
シンセのユニゾン(多分)がカッコよかったり、ボーカルがゲイリーニューマンぽいなと思ったり、短い曲だけど聴くたびにはまっていく。
こちらはDemo。
別に彼女じゃなくても良かったんじゃ…
ちなみにライブではフランスバーグが歌っている。

14.Absolutely Bill's Mood
時代が不明瞭なオペラっぽい楽曲。
俺的には一番影が薄い曲。
でもギターのテケテケした謎の音とか。変わったドラムの使い方とか
気になる点は多い。
なぜかサビでジョナサンリッチマンの「I Was Dancing in the Lesbian Bar」を思い出す。(ちなみに後年彼らはそれをカバーしている)。

15.Chess Piece 
再び出てきたチェスピースフェイス。
これもよくわからない楽曲。
でも「アヘ」って言っているように聞こえるボーカルは好き。
聞けばわかる。
宇宙感を感じる。
こんなたくさんの人がいるライブでもやるということは、
本人は気に入っているようだ。


16.Hope That I Get Old Before I Die
これはThe Whoの「My Generation」の有名な歌詞
「I hope I die before I get old」をもじっている。
イントロでは、ものが落ちる音やカットフィルターが徐々に上がっていくようなシンセの音、殴る音など変な始まり方をしている。
サビはボーイスカウトの歌集に乗りそうな、カントリーソング。
これを聴いてアコーディオンが欲しくなり、買ってしまった。
映像はオーストラリアのテレビ番組。

17.Alienation's For The Rich
この曲もそんなに印象に残らない。
ゆったりとしたカントリーソングって感じ。
ボーカルはフランスバーグ。
転調するところがいいね。
それとアコーディオンの音も良い。
Demoの音をそのまま使っているみたいだね。

18.The Day
アコーディオンとボーカルのみの楽曲で、フランスバーグのソロから合唱へとなる。
枕爆弾とはなんなのか。
プロテストソング歌うフィル・オクスとマーヴィンゲイの結婚は一体何を意味するのか、まだ読み解くのに時間がかかりそうな気がする。
ただ超絶暗い曲ではないような気がする…
わからない。

19.Rhythm Section Want Ad 
ラストの曲。
この曲も大好きだ。
途中で入るポルカとか「NO NO NO」って言っているコーラスとか面白い。
歌詞はリズムマシーンを駆使する彼らの意思表示だと思う。
「ドラマーは僕らには必要ない」
全編通して思うけど、They might be giantsのドラマーは絶対に大変そうだ。
変なことが多すぎる。それは変拍子とかじゃなくて、一般的な使い方とは違うということだ。多分ドラマーなら嫌がるような。
だから、思い通りにプログラミングできるリズムマシーンを二人は気に入ったのだろうと思う。
動画はファンビデオ。俺もいつかこんな素晴らしいビデオを撮りたい。

・まとめ

以上がこのアルバムの紹介である。まだ歌詞を読み取れてないところや、聞き取れていない楽器の音があるかもしれないので、もっともっと聴いていこうと思っている。
また、もしこれでThey might be giantsにハマってくれた人がいたら2nd、3rdもオススメなので聞いてってもらいたい。どちらも名盤である。
そして、読者の中でより詳しい人がいれば、似ているバンドやアーティストを教えて欲しいです。
それと記事に間違いがあったら時もコメントで教えてください。

僕はライブと卒論の提出が近いので早く準備をしようと思います。



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