見出し画像

鬼滅の蕎麦

出張で大手町へ。
寄り道銭湯は自動で決まった。

行く前から夕飯どうしよ、って。
こないだ入手した神田の蕎麦冊子をパラパラと。

こういう冊子が意外とばかにできない。江戸前蕎麦の成り立ちについてもさらっと面白く書いてある。

江戸城から見て邪気が流れてくる鬼門の方角に神田明神が移された。

その他の裏鬼門も封じられいわゆる結界が現在の神田エリアに形成。この結界内で蕎麦食文化が発展していく。そばの実は三つ角形状であり「みかど=帝」にも通じ、鬼除けの蕎麦とも認知されていった。ここから匿名の編者は「鬼滅のお蕎麦」なるパワーワードで冊子を〆るのである。

ふーん、オモロー。この冊子を鬼滅の蕎麦本と呼ぼう。

次に、江戸ということでなんとなく杉浦日向子の本を取り出す。蕎麦巡りの本である。

日向子さんは2005年に亡くなられて、この本が書かれたのはたぶん2000年頃。何件かの神田の蕎麦屋への言及があり、そのうち二軒が上記の鬼滅の蕎麦本にも記載してあることを確認した。

これだ。日向子も愛した鬼滅の蕎麦屋巡り(何言ってんだコイツ)。

コース決まって大手町へ出張。


でかいビル群を見上げていると気づかないが横道にそれるとこんなパワースポットがある。

平将門の首塚である。よほどのヅカファンじゃないと見逃しちゃうね。

神田明神も元はこの辺にあったらしい。つまり江戸城ど真ん前だ。

関が原決戦前に家康も願掛け(?)した将門の首塚。決戦を制し江戸城とともに天下泰平のシンボルとして祀られ、ここを中心に鬼門を封じるべく結界が張られた。

数百年が経ち巨大ビルが建ち並ぶなか、首塚はなお霊跡として君臨し続けている。

この首塚の真下に、鬼滅の刃の無限城があるという作中設定らしい(とブログで読んだ。出典はわからない。でも有名な歴史家の小和田哲男氏の書いた「鬼滅の日本史」なる本があるらしく、それかな。読んでみたい)。

なんて考えながら出張~FIN~(何をしていたのか)。

近場の銭湯「稲荷湯」へ。いい湯だった。千代田区に残るたった3軒の銭湯の一つ。

さっぱりしていよいよ目当ての蕎麦屋「まつや」へ。
だがしかし。

臨休。。

残念。
杉浦日向子の本にあるもう一つの店「松扇」はちょっと遠い。心が折れて近場のお店「尾張屋」へ。

ここはここで大正創業の歴史ある蕎麦屋であった。
麺が細く、大海老のぷりっぷりさ。うまい、うまいぞ。

禁酒中なのが残念でならないが、はしご酒ができぬいま、銭湯巡りともっとも相性のよさそうなのは蕎麦巡りかもしれない。明治大正ぐらいからの蕎麦屋はまだまだ健在だ。開拓してみたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?