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"裏回し"を極めれば超一流のスペシャリスト

バラエティやお笑いの現場における「裏回し」と呼ばれるポジション。
もう、ご存知の方も多いかとは思いますが

メインで看板を張るMCではなく、MC以外のポジションから様々な角度で進行を助ける役割を指す。
ふったりツッこんだり隙間を埋めたり拾ったり…
必要とされるスキルは多岐にわたる。

メインのMCに関してはプレッシャーや背負う荷物も多く、自らが看板となっている責任が重くのしかかる。
良いも悪いも全て抱え込み、あらゆるタイプの荒波に耐えうるだけのメンタルも必要とするのが真ん中に立つMCの使命。

だからこそ、メインMCは立場として別格。

しかし、求められる技量だけに特化すれば、裏回しが担う役割はかなり大きい。

器用に仕切れるタイプのMCが重宝される場合もあるが、器用に回せることと笑いを生み出せることはイコールしない。

さらに、役者やアーティストなど異分野の人がメインMCを張るパターンもあり、その場合は当然仕切ったり回すことに不得手。

この2パターンのシチュエーションにおいて、手練れの裏回しの存在の有無はクオリティを大きく左右する。

むしろ、裏回しなしでは成立すらしない可能性も感じる。

決して過小評価されているとまでは思いませんが、裏回しを高水準で極めていくことには想像以上のスキルと地肩を求められる。

そこで今回は
スーパー助演男優賞とも言える、"裏回しを極める芸人の凄まじさ"を深掘りしてみたくなりました。

「裏回しを極める」とは、いったいどういうことを指すのか?

そして、超一流の裏回しを極めた先には何が待つのか?

細かく丁寧に解析し、個人的見解ではありますが、1つの結論を導き出します。

バラエティ、笑いの板の上における
裏回し論&MC論をマジメに書いてみたいと思います。

そもそも、MCと呼ばれる人間に求められる最大のスキルは、現場を回す仕切りの力。
話をふったりツッこんだり引き取ったり
その場で起こることの全てを一手に司り、先頭を切って番組やイベントを前に進めていく進行力と牽引力。

大抵、お笑いを志した人間はメインMCのポジションに憧れる。
時代は変われど、メインMCになる夢を1度も考えたことのない人は、ほぼいないと推測される。
冠番組と呼ばれるものがほとんど同義語に当たるので、誰だって1度はその高みを目指して当たり前。

実際、自らの名前やコンビ名が入った番組を持てるなんて、ひとつかみの人間の中から選出された、ひとつまみだけ。
とんでもない倍率の死闘を制したものにだけ与えられる貴重なポジションなのは百も承知な上で…

実は、仕切るだけなら難しくはない。


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