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【無料】イジメほどスベっていることはない

教師が教師をいじめていたというニュース。
呆れて何も言えないのだが、もちろん大人の世界にもイジメは存在する。

今回は教師の話だったので衝撃を受けたが、どこの世界でも大なり小なりあるのだろう。
私も社会に出てから、そんな場面を見たことがないわけではない。

そもそも人をいじめる原理とは何か?なぜ、人間関係のある場所には、そんな残酷なことが普遍的に存在しているのか?

あくまで持論だが誤解を恐れずに言うと、人をいじめることは「楽しい」からなくならないのではないだろうか。

人間が楽しいと思えることの1つに、まず"多数派"というものがある。
基本的に多数を味方にし、多数で群れることができる環境を人は好む。
少数派を楽しめる人はよっぽど芯の通った人か、確固たる自分の世界を持つ人だ。
そんな人はなかなかいない。
大概は多数派の中に身を投じ、同じ温度感を持つ人たちと対等な交流ができることに人は安心感を持つものだ。

そう、楽しいと思えることのもう1つは"安心感"だ。
多数派でいられることには安心感がある。
みんなと同じだから、仲間外れにはならない。自分は大丈夫だと安心できることは、日々を楽しむ土台となる。
そして、その安心感を間違った方向に向けると、それは"優越感"へと変わる。

多数派に属し安心でき優越感に浸る。

この状態をキープしたいモチベーションがイジメと無関係とは思えない。

結局、集団生活においてこの立ち位置にいられることは楽しいのだ。
特に学生時代はいつもどこかでカーストを気にしながら、いつ自分がカーストの最下層に落ちるか分からない恐怖と戦っている部分がある。
多数派に属し安心できて優越感を持てる環境にいる限り、下に落ちる心配はない。
このポジションをキープするための手段の1つにイジメがあるのだ。
複数人で徒党を組み、共通の敵を作る連帯感に楽しさを見い出してしまう。

さらに、大人になればなるほど、そこにストレス解消の要素が加わり、楽しめる種類も少し変化する。

今の時代はSNSを駆使したイジメがあるなども聞くが、おそらくその根源は同じだろうと推測する。
大勢で誰かを叩く連帯感は好きなのだ。
ネット社会になり、人間の闇の部分はさらに浮き彫りになったと思われる。

そして、「イジり」という言葉が定着したこともイジメやすくする状況に拍車をかけた可能性がある。

イジりとは、芸人が笑いを取るために、あれやこれやと相手に失礼なことを言いつつも、相手の良さを引き出すことを指す言葉だ。

あちこちで言われ倒したであろう、「イジメ」と「イジり」の違いについて今さら言及するつもりはない。
おそらく誰もがその違いは知っているだろう。

だが、そんな簡単にイジりなんて言葉を使うべきではないと強く言っておきたい。

なぜなら、これはプロでさえも微妙な場面があるからだ。
もちろんプロの中にもレベルがあり、腕のない芸人がイジった時の悲惨な空気たるや…あれは本当にただの地獄。

たまに芸人のテレビ番組での発言やイベント等々の発言などで、ネットが大炎上することがある。

その炎上のほとんどが腕のない芸人、もしくは売れていない芸人によって引き起こされている。
つまらない芸人、もしくは知名度のない芸人が誰かをイジると「オマエが言うな!」の大合唱となるのだ。

同じことを言っても、同じことをしても、なぜか許される人はいる。
そこには理屈では推し量れない能力やセンスや説得力が存在しているのだ。

しかし、腕のない芸人や知名度が不十分な芸人は受け入れてもらえない。
笑いにできなかった瞬間、相手が不愉快に思った瞬間、周りが不愉快に見えた瞬間、それはイジりではなくなり、ただの嫌な奴と化す。

愛があればこそ…などと綺麗事では収められないほど、いろんな意味でリアルに腕を必要としているのがイジりだ。
プロでも安易に使えないほどデリケートなものなので、本当にやめておいたほうがいい。
イジってるつもりのあなたは満足していても、後で陰口を言われている可能性は大だ。

過去に私が書いた、何でも笑いに変えることの罪についての記事を読んでほしい。
いかに、この自己満足が愚かな行為か分かってもらえると思います。

多数派、安心感、優越感、ストレス解消、
人をイジる。
どれも楽しい要素ばかりだ。
そりゃイジメはなくならない。

しかし、これらを楽しいと思える人間に魅力を感じるだろうか。

どれも人の顔色を見たものか、第三者からの評価を気にしたもの、もしくは自己中心的なものであり、全く生き様としてのオリジナリティを感じない。

自分ごときが言うのもなんだが、
もし、この文章を読んだらこれだけは覚えといてほしい。

イジメられている人に言うことはたった1つ。
学生なら学校へ行くな。社会人なら職場へ行くな。
世界はそこだけじゃない。歯をくいしばる必要など1ミリもない。人生を損するだけだ。
だから、もう絶対に行くな。誰に何と言われても関係ない。行ったら負けだぞ。

そして、イジメている人に言っておきたい。
今は良いと錯覚してるかもしれないが、おまえの人生ほどつまらないものはない。
誰1人としておまえから何も学ぶこともなければ、何か影響を受けることも、感動させられることも一切ない。
この先、人に何も与えることのできない無価値な人間となる未来だけは約束しよう。

いいか、人の目を気にしたり自分のポジション取りに気を取られて、独自の思考を持てないまま人を傷つけている奴はスベっているのだ。
おまえは人生丸ごとスベっている痛々しい奴なんだと自覚しろ。

スベってばかりの芸人は引退する。
だから、イジメからも引退してオリジナリティある道を歩いてください。
人に何か影響を与えられるようなオリジナリティ溢れる人生のほうが面白いはずだ。
今からでも遅くない。
ほら、客の顔が引きつってるぞ。
イジメからは引退して面白い人になりなさい。

#イジメ #イジり


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ゆじりこ【放送作家・ライター】
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