【M-1グランプリ準決勝】笑いの判断基準は「好み?」「レベル?」「客ウケ?」
M-1グランプリ2019の準決勝。
紛れもなく日本一のお笑いライブだった。
ネタのクオリティは当然のこと、大勝負に賭ける漫才師たちの姿はそれだけでエンターテイメントたりえる。
とにかく、準決勝ともなると全員が全員本当に凄い。5000組以上から勝ち抜いてきた事実が一目瞭然である。
しかし、審査を経て決勝に上がれるのは26組中9組。
ここの審査は本当に頭を悩ませるだろう。
というのも判断基準があまりに難しすぎる。
M-1はルール上、とにかく面白い漫才であることが基準だが、面白い漫才って何なの?
と聞かれれば、好み、レベル、客ウケの3つを考慮することになるだろう。
まず基本的に、笑いは好みでしかないはず。
いや、笑いだけでなく、音楽でも映画でも何でも基本的には好みしかない。
自分にとっては面白くても誰かにとってはつまらない、なんてこと日常茶飯事だ。
だから、当然のように世間は全員自分の好みで判断する。
だから、毎度のようにあーだこーだと意見が割れてネット上などは荒れることになる。自分の好みでないものが勝つと「はいゴリ押し」といつものアレを浴びせかける。
ここにとやかく言っては始まらない。
M-1は予選の段階からプロの好みを信用するしかないのだ。
そして、好みとは違った評価基軸、レベルとは何か?
それは自分の好みではなくても、レベルが高いと感じれば評価することを指す。
実際、自分が好きじゃないものを評価することは相当難しい。だが、自分の好みだけが判断基準にならないためにも、その要素はある程度必要な気もする。
しかし、レベルの高さを判断する基準さえも好みと言えば好みなのだ。
自分好みで面白いと思っても、自分から見て技術やレベルが高いと感じても、他の誰かにとっては全然そうじゃない場合がある。
ゆえに、客ウケというのは主観が唯一入らない評価基軸だろう。
客にウケたかウケてないか?
そのウケの量は基本的に一目瞭然であり、ここを考慮しないわけにはいかない。
客の笑い声の大きさや多さほど分かりやすい勝ち負けはないのだ。
それなら、客の投票でジャッジすればいいのでは…?という意見も出るだろう。
しかし、ただの人気投票になってしまう恐れが1つ。
あと、それ以上にプロにウケることも芸人にとって絶対的に必要不可欠なのだ。
客は素人なのだから素人を笑わせれば十分なのでは?と思うかもしれないが、プロにウケてきた歴史がレベルを向上させてきたのは間違いない。
おそらく、これはお笑いに限った話ではないだろう。
プロの目がエンターテイメントを育てるのだ。
好み、レベル、客ウケ、甲乙つけがたく、やはりどれも外せない。
前置きが長くなってしまった。
個人的に関係性があるコンビもいるので、少しやりにくさもあるが、準決勝をネタバレ一切なしで軽く振り返ろう。
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