「優しい」「やりやすい」と言われることは真の意味で褒め言葉なのか?
「あの人は一緒に仕事をやりやすい」
「あの人は優しいから、またご一緒したい」
もし、陰でそう言われていたら誰だって嬉しいだろう。
逆に「仕事をやりにくい」と言われてしまっては致命的かもしれない。
ただ、この「やりやすい」「あの人は優しい」という言葉…
芸人界隈でもかなり横行している。
「あのMCは何でも優しく拾ってくれる」
「あの人がいてくれたら凄くやりやすい」
現在、最上級の褒め言葉として君臨している気がしますし、今は本当にそういった時代なのかもしれません。
風通しよく、みんなに優しく、ピリピリしない。
たしかに、自分が板の上に立つことを想像すれば、MCや共演者はやりやすい人のほうがいいに決まっている。
優しく話をふってくれて、優しく話を聞いてくれて、たくさん笑ってくれる。
絶対にそんな人がいい。そんな人じゃなきゃ萎縮して力を発揮できない気がする。
みんな、そんな人と一緒に仕事するほうが心地良いに決まっている。
ネガティブなことなど何一つない。
やりやすいに越したことはないのだから…
ただ、「やりやすい」「優しい」と言われることが最大限の褒め言葉だと、どうしても思えない。
基本的にこの話は板の上に立つ演者だけに限った話ですが、最近少し気になるので文章に残しておきたくなりました。
「やりやすい」の反対の言葉は「やりにくい」
「あの人はやりにくい」なんて言われる人は圧倒的にクセまみれだ。
褒め言葉として使われることはありえない。
だが、不思議なもので、やりにくいと言われる演者だけにしか放てない魅力があり、やりにくい演者だけにしか表現できない世界がある。
確実に今の時代には合っていませんし、私自身もやりにくいことが素晴らしいなんて思っておりません。
一緒に仕事をやりやすいことも素晴らしい。
優しいことだって本当に素晴らしい。
でも、それはプロの演者として真の意味で褒め言葉なのか…?
やりにくい人だけが解き放つ魅力とは何なのか…?
掘り下げて追求してみます。
ゆえに、ここからの論調は少し偏っていきます。
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