<ラグビー>2024年シーズン(8月第四週)
(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)
〇 TVのニュースで「階段イップス」というのをやっていた。つまり、ある時から理由不明で階段をスムーズに昇り降りできなくなるという病気だが、意外と大勢の人が罹っていることを知った。
実は、私が小学低学年の頃、エスカレーターのイップスになったが、その後すぐに克服できた。ところが45歳の頃、今度はこの階段イップスになり、今でもまったく治っていない。私の場合は、階段を昇るのは問題ないのだが、急いで降りるときが問題で、左足を降ろすときに、一段ずつ降りなくなってしまい、しばしば一段飛ばしで降りてしまうことがある。だから、本当に急いで降りるときは、思い切って一段飛ばしを両足でやるしかないのだが、それはかなり危険だし、足元がすべる雨の日には絶対にできない。
イップスに加えて、元々の近眼・乱視に加えて老眼にもなっているため、階段をしっかりと目視できないから、今はもう駆け足で階段を降りることは絶対にできない。もしやったら絶対に転ぶ。これに加えて、脊椎管狭窄症で両足が痺れやすくなっているので、階段の昇り降りでは、手すりをつかまって慎重にやっている。それでも、後ろから急ぐ人が駆け足で昇り降りしてくる気配を感じると、特に降りているときはもう恐怖しかない。もしぶつかられたら、階段を転げ落ちて死ぬかも知れない。だから、駅の階段はとても危険な場所なのです。
〇 オートバイの全EV化は必須だ。EVそのものは、政治的・軍事的・経済的に問題がありすぎだが、ことオートバイに関しては、消音装置をつけない限りは、ガソリンエンジン車は全面禁止にすべきだ。それがいやならEV車にしてもらうしかない。そうすれば、今の異様な騒音公害のみならず、地球環境破壊行為も止められるだろう。
1. パシフィックネーションズカップ結果
フィジー42-16サモア(HT15-16)
前半は競ったが、後半に入ってからサモアにシンビン2人が出たこともあり、フィジーが連続トライを挙げて完勝した。フィジーはかなり強くなっている一方、サモアはRWCのときでないと、良い選手が集まらないのがネックになっている。
カナダ28-55日本(HT7-38)
前半こそ日本は得点でリードしたものの、度重なるハンドリングエラーで何度もトライを取り損なう。そのうち、カナダも日本のプレーに対応してきて、日本のミスからトライを返す良い雰囲気で前半を終える。後半は、最初に日本がトライを取ったが、その後はカナダペースになって21-45まで迫る一方、カナダが試合の主導権を握り続ける。しかし、カナダの連続するミスで日本は救われ、その後は互いにトライを取り合って終わった。
日本は、BKも含めて、なんでもないところでのノッコンを多発したように、ハンドリングの酷さ(これは固定したメンバーがないことも一因)に加え、ブレイクダウンで数回ターンオーバーされるなど、チームとしての基本プレーが未だ「試運転中」となっている。いったいいつまで「試運転」と「メンバー選考」が続くのか。もしかすると2027年RWCまで「試運転」と「メンバー選考」が続き、メディアは常に「エディーさんは、まだいろいろと試しているから負けても仕方ないし、RWCではベスト4に入れる」と、大政翼賛会的報道をしていくのだろうか?
この調子なら、次に対戦するアメリカはカナダより強いから、ロングキックで日本を自陣へくぎ付けにし、そこからのパワープレーでトライを取ってくるだろう。日本はアタックで今回のような安易なハンドリグエラーを繰り返すが、相手がディフェンスミスしてくれた時だけ取れるトライに終わるのではないか。それでも辛勝して、なんとか準決勝までは行けても、相手になると想定されるサモアには勝てないだろう。
もし、サモアに勝てても、決勝の相手になると想定されるフィジーに大敗するのが目に浮かぶ。まるで、少し前のオーストラリアの悲劇を再現するようだ。違っているのは、メディアがコーチを批判していないことだけではないか。現在の日本は、世界ランク20位ぐらいの実力に大きく低下している。
2.その他のニュースなど
(1)女子バーバリアンズが、南アフリカ他へ遠征
女子バーバリアンズは、9月7日にケープタウンで行われる南アフリカ対オールブラックスの前座試合として、女子南アフリカ代表と試合をする。その後27日には、女子日本代表と対戦し、さらに女子オーストラリア代表、女子イタリア代表と対戦する予定となっている。
女子バーバリアンズは、元ブラックファンーズでWRWC優勝経験を持つリンダ・イツヌがヘッドコーチを務めており、来年開催されるWRWCへの宣伝効果が期待されている。
(2)オールブラックスの、南アフリカ遠征スコッド
今シーズンのラグビー界で、文字通りの頂上決戦となるオールブラックスと南アフリカの二連戦に向けた、オールブラックスのスコッド36人(FW20人、BK16人)が発表された。
LOパトリック・ツイプロツとSO/FBスティーヴン・ペロフェタは、怪我により引き続きスコッド外となったが、交代要員のLOジョシュ・ロードとSO/CTBハリー・プランマーの二人がスコッドに残った。プレーすれば、初キャップとなるのは、SO/CTBハリー・プランマーとFBルーベン・ラヴの二人となっている。キャプテンのスコット・バレットが怪我から復帰した。その後、PRイーサン・デグルートも怪我でスコッド外となり、代わりにジョージ・バウワーが招集された。
Forwards (20)FW20人( )内は州代表及びスーパーラグビーの所属
Hookers HO3人:
Asafo Aumuaアサフォ・アウムア (Hurricanes / Wellington)
Codie Taylorコーディ・テイラー (Crusaders / Canterbury)
George Bell ジョージ・ベル(Crusaders / Canterbury)
Props PR6人:
Ethan De Groot イーサン・デグルート(Highlanders / Southland)*首の怪我で外れた。
Tyrel Lomax タイレル・ローマクス(Hurricanes / Tasman)
Fletcher Newell フレッチャー・ニュウウェル(Crusaders / Canterbury)
Pasilio Tosiパシリオ・トシ (Hurricanes / Bay of Plenty)
Ofa Tu’ungafasiオファ・トゥンガファシ (Blues / Northland)
Tamaiti Williams タマイティ・ウィリアムス(Crusaders / Canterbury)
追加スコッド:George Bowerジョージ・バウワー
Locks LO4人:
Scott Barrett スコット・バレット(Crusaders / Taranaki) (Captain)
Sam Darry サム・ダリー(Blues / Canterbury)
Josh Lord ジョシュ・ロード(Chiefs / Taranaki)
Tupou Vaa’i ツポウ・ヴァアイ(Chiefs / Taranaki)
Loose Forwards FW3列7人:
Ethan Blackadderイーサン・ブラカッダー (Crusaders / Tasman)
Sam Cane サム・ケーン(Chiefs / Bay of Plenty)
Samipeni Finau サミペニ・フィナウ(Chiefs / Waikato)
Luke Jacobson ルーク・ジェイコブソン(Chiefs / Waikato)
Dalton Papali’i ダルトン・パパリイ(Blues / Counties Manukau)
Ardie Savea アーディ・サヴェア(Moana Pasifika / Wellington) (Vice Captain)
Wallace Sititiワレス・シティティ (Chiefs / North Harbour)
Backs (16) BK16人
Halfbacks SH3人:
Noah Hothamノア・ホッサム (Crusaders / Tasman)
TJ Perenara TJ・ペレナラ(Hurricanes / Wellington)
Cortez Ratima コルテス・ラティマー(Chiefs / Waikato)
First five-eighths SO2人:
Beauden Barrett ボーデン・バレット(Blues / Taranaki)
Damian McKenzie ダミアン・マッケンジー(Chiefs / Waikato)
Mid-fielders CTB5人:
Jordie Barrett ジョルディ・バレット(Hurricanes / Taranaki) (Vice Captain)
David Havili デイヴィット・ハヴィリ(Crusaders / Tasman)
Rieko Ioane リエコ・イオアネ(Blues / Auckland)
Anton Lienert-Brown アントン・リエナートブラウン(Chiefs / Waikato)
Billy Proctorビリー・プロクター (Hurricanes / Wellington)
Outside backs バックスリー6人:
Caleb Clarke ケイリブ・クラーク(Blues / Auckland)
Will Jordan ウィル・ジョーダン(Crusaders / Tasman)
Ruben Love ルーベン・ラヴ(Hurricanes / Wellington)
Harry Plummer ハリー・プランマー(Blues/Auckland)
Sevu Reeceセヴ・リース (Crusaders / Southland)
Mark Tele’aマーク・テレア (Blues / North Harbour)
<個人的予想メンバー23人>
ウィリアムス、テイラー、ローマックス、ヴァアイ、スコット・バレット、ブラカッダー、パパリイ、サヴェア、ペレナラ、マッケンジー、テレア、ジョルディ・バレット、ALB、ジョーダン、ボーデン・バレット (リザーブ)アウムア、トゥンガファシ、トシ、ダリー、ケーン、ラティマー、ラヴ、リエコ
1~21まではほぼ固定メンバーだと思うが、22は迷う。安定性及び万能性ならハヴィリかプランマー、決定力ならクラークかリースだろう。しかし、意外性ある新戦力なら、ラヴかプロクターになる。そして、トニー・ブラウンの加入によって、キックが減少したといわれるスプリングボクスだが、やはり競った戦いではキック対応で差が出てくるので、カウンターアタックの良いラヴを起用したい。
(3)オールブラックスのアシスタントコーチ、レオン・マクドナルドが辞任
監督のスコット・ロバートソンとクルセイダーズで共にコーチであった縁から、オールブラックスのアタック担当アシスタントコーチに就任したレオン・マクドナルドだが、監督のロバートソンとの関係が上手くいかないことを理由に、南アフリカ遠征を前にコーチを辞任した。後任についての情報は、現時点ではない。
マクドナルドが担当していたアタックについては、スコット・ハンセンとタマティ・エリソンが共同で兼任する。また、ハンセンは、BK担当のジェイソン・ホランド及びスキル担当のエリソンへのサポートも行うこととしている。
一方では、ロバートソンがエディー・ジョーンズのようなパワハラをしていることが理由ではないかと報道されており、大事な南アフリカ遠征を前にしたオールブラックス首脳陣の内紛が心配される。
なお、元オーストラリア・ワラビーズの名CTBティム・ホランは、オールブラックスを去ったマクドナルドは優秀なコーチなので、是非ワラビーズのコーチ陣に呼ぶべきだと主張している。監督のジョー・シュミットがNZ人であることから、マクドナルドをワラビーズのコーチに加え、崩壊したチームの立て直しをサポートしてもらうというアイディアは、良いものと思える。
(4)南アフリカのスコッドにRWC優勝経験者等が復帰
オールブラックスとの二連戦を迎える南アフリカ・スプリングボクスは、スコッドの入れ替えを発表した。PRスティーヴン・キッショフ、SHジェイデン・ヘンドリクス、WTBカナン・ムーディーらが怪我から復帰し、FLジャスパー・ウィーゼとCTBアンドレ・エスターハイゼンの出場停止処分が終わった。一方、LOフランコ・モスタート、ルード・デヤーガー、ジャン・クリエルは、怪我により引き続き欠場となる。
スコッド(FW21人、BK16人)は以下のとおり。( )内は所属チーム
PropsPR7人: Thomas du Toitトーマス・デュトイ (Bath), Steven Kitshoff スティーヴン・キッショフ(Stormers), Vincent Koch ヴィンセント・コッホ(Sharks), Frans Malherbe フランス・マルアーブ(Stormers), Ox Ncheオックス・ノッチェ (Sharks), Gerhard Steenekampジェラルド・スティーンカンプ(Bulls), Jan-Hendrik Wesselsジャンヘンドリクス・ウィールズ (Bulls).
HookersHO2人: Malcolm Marxマルコム・マルクス (Kubota Spears), Bongi Mbonambiボンギ・ムボナンビ (Sharks).
LocksLO5人: Eben Etzebeth エベン・エツベス(Sharks), Salmaan Moerat サルマン・モエラット(Stormers), Ruan Nortje ルーアン・ノッチェ(Bulls), RG Snyman RG・スナイマン(Leinster), Nicolaas Janse van Rensburg ニコラス・ヤンセファンレンズブルグ(Montpellier).
Loose forwardsFW3列7人: Ben-Jason Dixon ベンジョンソン・ディクソン(Stormers), Pieter-Steph du Toitピータースティフ・デュトイ (Toyota Verblitz), Siya Kolisi シヤ・コリシ(captainキャプテン, Racing 92), Elrigh Louw エルライ・ロウ(Bulls), Kwagga Smith クワッガ・スミス(Shizuoka Blue Revs), Marco van Staden マルコ・ファンスタッデン(Bulls), ジャスパー・ウィーゼJasper Wiese (Leicester Tigers).
ScrumhalvesSH3人: Jaden Hendrikse ジェイデン・ヘンドリクス(Sharks), Cobus Reinach コブス・ライナッハ(Montpellier), Grant Williamsグラント・ウィリアムス (Sharks).
FlyhalvesSO3人: Sacha Feinberg-Mngomezuluサッシャ・ファインベルグムンゴメズル ( Stormers), Manie Libbok マニー・リボック( Stormers), Handre Pollard アンドレ・ポラード(Leicester Tigers).
CentresCTB4人: Lukhanyo Amルッカンヨ・アーム (Sharks), Damian de Allendeダミアン・デアレンデ (Wild Knights), Andre Esterhuizen アンドレ・エスターハイゼン(Sharks), Jesse Kriel ジェッシー・クリエル(Canon Eagles).
Outside backsバックスリー6人: Kurt-Lee Arendse カートリー・アレンゼ(Bulls), Aphelele Fassiアファレレ・ファッシ (Sharks), Cheslin Kolbeチェスリン・コルベ (Suntory Sungoliath), Willie le Rouxウィリー・ルルー (Bulls), Makazole Mapimpi マカゾレ・マピンピ(Sharks), Canan Moodieカナン・ムーディー (Bulls).
<個人的見解>
南アフリカは、アイルランドに1勝1敗とし、ウェールズとオーストラリアには圧勝・完勝した。さらにBチームを強化して選手層の厚みを増している。SOもアンドレ・ポラードの後継者が出ており、万事順調に見える。しかし、かつてのオールブラックスがそうであったように、RWCの翌年や翌々年を良い成績で終えても、RWC開催時には、チームはピークから下り坂になっていることが多々ある。実際、チームの好調を4年間維持することは至難の技だ。そのため、今強いからと言っても、四年後にどうなっているかは、誰もわからない。
そして、試合前の予想が劣勢になっているときのオールブラックスは、妙なプレッシャーがなくなる一方、強く闘志に火を点けられて、いつもより強くなっている。南アフリカにホームのアドバンテージはあるが、オールブラックスとは1勝1敗で終えるのではないか。
(5)オーストラリアのアルゼンチン遠征のスコッド
アルゼンチンへ遠征する、オーストラリア・ワラビーズのスコッド35人(FW19人、BK15人)が発表された。
WTBフィリポ・ダウグヌとCTBハンター・パイサミが、怪我でスコッドを外れた。プレーすれば初キャップとなるのは、CTBハミッシュ・スチュワート、WTBコリイ・ツール、LOジョシュ・カンハム、CTBデイヴィット・フェリウアイの4人。また、HOブランドン・パエンガアモサが、モンペリエーからウェスタンフォースへ移籍したこともあり、ビリー・ポラードに代わって3年ぶりにスコッド入りした。
PRジェイムズ・スリッパーは、ジョージ・グレーガンの持つオーストラリア最多キャップ139まであと3キャップとなっているので、今シーズン中の記録更新が予想されている。
Forwards (19)FW19人: Allan Alaalatoaアラン・アラアラトア, Angus Bellアンガス・ベル, Angus Blythアンガス・ブライス, Josh Canhamジョシュ・カンハム, Matt Faesslerマット・フレイザー, Nick Frostニック・フォレスト, Langi Gleesonランギ・グレーソン, Tom Hooperトム・フーパー, Isaac Kaileaアイザック・ロッダ, Josh Nasserジョシュ・ナサー, Brandon Paenga-Amosaブランドン・パエンガアモサ, Tom Robertsonトム・ロバートソン, Lukhan Salakaia-Lotoルッカン・サラカイアロト, James Slipperジェイムズ・スリッパー, Carlo Tizzanoカルロ・ティッザーノ, Taniela Tupouタニエラ・ツポウ, Rob Valetiniロブ・ヴァレティニ, Jeremy Williamsジェレミー・ウィリアムズ, Harry Wilsonハリー・ウィルソン
Backs (16)BK16人: Ben Donaldsonベン・ドナルドソン, David Feliuaiデイヴィット・フェリウアイ, Josh Flookジョシュ・フルック, Jake Gordonジェイク・ゴードン, Len Ikitauレン・イキタウ, Max Jorgensenマックス・ジョーゲンセン, Andrew Kellawayアンドリュウ・ケラウェイ, Marika Koroibeteマリカ・コロイベテ, Noah Lolesioノア・ロレシオ, Tom Lynaghトム・ライナー, Tate McDermottテイト・マクダーモット, Dylan Pietschディラン・ピーチ, Hamish Stewartハミッシュ・スチュワート, Corey Tooleコリイ・ツール, Nic Whiteニック・ホワイト, Tom Wrightトム・ライト
Unavailable for selection怪我による選考外: Kurtley Bealeカートリー・ビール, Charlie Caleチャーリー・ケール, Filipo Daugunuフィリポ・ダウグヌ, Harry Johnson-Holmesハリー・ジョンソンホームズ, Bayley Kuenzle,ベイリー・クエンズル Rob Leotaロブ・レオタ, Lachlan Lonerganラクラン・ロナーガン, Fraser McReightフレイザー・マクライト, Hunter Paisamiハンター・パイサミ, David Poreckiデイヴィット・ポレッキ, Blake Schouppブレイク・スコウップ, Liam Wrightリアム・ライト
<個人的見解>
南アフリカに連敗、しかも二敗目はBチーム相手に完敗したことで、ジョー・シュミット監督のワラビーズは、エディー・ジョーンズ前監督による崩壊から立ち直れていないという見方が出ている。特に、海外でプレーする選手を代表入りさせないことが、選手層の薄さに響いているとの批判がある。もしここで、好調のアルゼンチン相手に連敗するようであれば、シュミット監督は、オーストラリア協会に対して、海外でプレーする選手を南アフリカのように制限なく代表入りさせることを検討させねばならないかも知れない。
(6)南アフリカ強化に貢献した、トニー・ブラウンのアタック理論
前日本代表監督ジェイミー・ジョセフの退任に伴い失職していたトニー・ブラウンは、南アフリカ代表のアタックコーチに就任し、ディフェンス偏重だったチームに良いアタックを導入することに成功している。その背景の一端をメディアのインタビューに答えて明かしている。
「私は特に才能があったわけではないが、ゲームを本当によく理解していたし、ゲームをプレーするさまざまな方法を見つけようとした。そのため、自分が選手よりもコーチとして優れていると常に思っていた。」
「私より多く才能のある選手を集めて、彼らにゲームを理解してもらい、特定の方法でプレーしてもらうことができれば、私はもっと良いコーチになれると思っている。」
「私は常に、ディフェンスに抑えられるのではなく、ディフェンスを操るために革新を試み、さまざまなことを試したいのだが、それが難しい。」
「また、常に革新を試み、選手たちに本当にエキサイティングなことをさせて、彼らが実際に挑戦してみようという意欲が起きるように努めている。」
「私にとってラグビーの一番素晴らしいことは、(これまでと)違う(新しい)やり方を見つけ、選手たちを鼓舞することだ。そして、選手たちに(やみくもに)自由にやらせるのではなく、素晴らしい選手になれるという信念と機会を与えることだ。」
「ほとんどのディフェンスコーチの行うシステムでは、特定の役割を担う選手がいるので、選択肢を正しく選べば(アタックの)スペースを作ることができるだろう。」
「明らかに、背後のスペースを守るのは常に難しい。なぜなら、すべてのディフェンスコーチはゲインラインをブレイクされたくないので、前のディフェンスラインに多くの選手を配置するからだ。」
「だから、バックフィールド(ディフェンスライン背後)のスペースを最大限に活用するためには、良いキッキングゲームができなければならない。また、ディフェンダーを動かして、他の場所に(アタックの)スペースを作ることができなければならない。」
「ラグビー全般に言えることだが、攻撃時にスピードを出すことができれば、ボールを(ディフェンスのいない)スペースに動かす成功率が高まる。だから、スピードや勢いを出すためのさまざまな方法を見つけたい。私は、常にディフェンスライン(の横幅全体)を短くすることについてコーチングをしている。そうすることで、(どちらかのタッチライン)端に(アタックの)スペースが生まれるのだ。」
<個人的見解>
私なりに理解したものを箇条書きにした。
(1)選手との良いコミュニケーションを確立する。
(2)選手に自信と希望を持たせる。
(3)キッキングゲームで後ろのスペースを攻略する。
(4)ディフェンスを中央に集めて、タッチライン際にアタックスペースを作る。
こうして書くと、世界中のどのコーチもやっている当たり前のことなので、ここから先が知りたいと思う。でも、それは「企業秘密」なのは仕方ない。ジェイミー・ジョセフ監督時代の日本代表は、このブラウンのアタック理論にどれだけ救われたことか。ジョセフが退任したのは仕方ないが、ブラウンをアタックコーチとして引きとめられなかったことは、日本代表に大きなダメージを与えている。もっとも、現代表コーチに留任していたとしても、ジョーンズ監督とのコミュニケーションに不安が残るので、うまくいっているとは限らないが。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?