<ラグビー>スーパーラグビーパシフィック準々決勝の結果から
今週はちゃんとラグビーの話題から。
日本代表とNDS(準代表と言えばよいのか?)が発表された。そして、ウルグアイとの第1戦はNDS主体となり、第2戦及びフランスとの2連戦は、日本代表にNDSを加えたメンバーにするそうだ。
それで、私なりの最終版日本代表23人を選んでみた(1番~23番の順)。カタカナの名前ばかりと思うかもしれないが、ラグビーの世界では、日本協会所属の選手代表としてプレーするため、クラブチーム同様に国籍は関係ない(なお、オリンピックはサッカー同様に国籍規定あり)。
稲垣啓太、坂手淳史、垣永真之介、ワーナー・ディアンズ、サナイラ・ワクア、ベン・ガンター、マイケル・リーチ、ジャック・コーネルセン、流大、山沢拓也、ジョネ・ナイカブラ、ディラン・ライリー、中野将伍(中村亮土)、シオサイア・フィフィタ、尾崎晟也、(リザーブ)堀江翔太、クレイグ・ミラー、ヴァルアサエリ愛、ピーター・ラブスカフニ、テビタ・タタフ、斎藤直人、田村優(松田力也)、ラファエレ・ティモシー。
これは2023年RWCまでのメンバーを想定しているため、SOのリザーブに今回は怪我で欠場の松田力也と、同じく辞退した中村亮土を( )に入れている。彼ら2人がスコッドに入れば、( )の前にある選手と入れ替わることを想定した。
また、7番FLには多くの良い選手がいて選考に迷うが、リーチは年齢から(走力を必要とする)7番は難しいと思われているものの、オールブラックスのリッチー・マコウの如く、年齢を感じさせない良いプレーをしているので、代表最後の花道として入れたい。そのためもあり、LOのリザーブに専門職を置かずに、3列のリザーブを2人にした。もしLOにけが人が出た場合は、ベン・ガンター、ジャック・コーネルセン、ピーター・ラブスカフニのいずれかがLOでプレーすることになる。
同様にバックスリー専門のリザーブを置かなかったが、怪我人などで仮にラファエレ・ティモシーがCTBに入った場合は、山沢拓也やディラン・ライリーを、WTBやFBにする想定でいる。
グラハム・ヘンリー、スティーヴ・ハンセン、エディ・ジョーンズらのコメントを見ると、試合に勝つための戦略の第一歩は、試合に出る23人を選ぶことであり、またこれで戦術の大半が決まってしまうと述べている。つまり、試合で使うサインプレー等よりもセレクションが重要な要素だと言っているわけだ。そういう観点から見れば、私の選んだ23人は攻撃重視のメンバーだと思っている。
1.スーパーラグビーパシフィック準々決勝
6月3日
クルセイダーズ37-15レッズ
誰がなんといっても、クルセイダーズが普通にプレーすれば、レッズに楽勝する。それぐらい、実力差が大きい。
そのとおりにクルセイダーズがレッズを圧倒した。TMOで認められなかった2トライの14点を加えれば、51-15の大差になったゲーム。優勝を狙うチームと、プレーオフにやっと出てきたチームとは、格が違う。
相変わらずFBウィル・ジョーダンが大活躍しているので、アイルランド戦では秘密兵器になると思う。また、リッチー・モウンガも好調だが、ブルーズのボーデン・バレットはさらに好調なので、オールブラックスの10番はバレットになり、モウンガは22番になりそうだ。WTBセヴ・リースもいい。
6月4日
チーフス39-15ワラターズ
チーフスが通常通りにプレーし、不要な反則(レッドやイエローなど)しなければ、チーフスが完勝するゲーム。ただし、チーフスに少しでも不安要素がある場合は、ワラターズに逆襲するだけの力はある。
チーフスは、キャプテンのFLサム・ケーンが欠場したものの、なんといってもSHブラッド・ウェバーの大活躍もあり、実力通りにワラターズに完勝した。また、怪我から復帰のLOブロディ―・レタリックの疲れ知らずの献身的な働きは、来年のRWC限りで引退なんて言っていられないくらい、実に若々しい。
ところで、ブルーズのオールブラックス入りが確実と言われているFLダルトン・パパリイが病気と怪我により、またクルセイダーズのFLイーサン・ブラカッダーも怪我で長期欠場する見込みとなった。代わりのFLというか、そもそも7番FLはサム・ケーンなのだろうが、スコッド内の空いたポストを取りそうなのは、このゲームでも好調だったルーク・ジェイコブソンとブルーズのアキラ・イオアネではないだろうか(残りは、アーディ・サヴェアとホスキンス・ソツツ?)。
ブルーズ35-6ハイランダーズ
NZ勢同士の対戦で、客観的にみてブルーズがハイランダーズを圧倒している。唯一ハイランダーズに付け入るスキがあるとすれば、トニー・ブラウン監督が奇策を出してきた時ぐらいだが、それが通用するのも前半15分までではないか。
ハイランダーズのキャプテン兼SHのアーロン・スミスが怪我で欠場し、オールブラックス入りも心配されている。そのため、この試合に先発で出たフォラウ・ファカタヴァのオールブラックス入りが確実になった他、当落線上にいるブルーズのフィンレイ・クリスティーとハリケーンズのTJ・ペレナラが、3番目の席を争うことになりそうだ(しかし、オールブラックスの先発はブラッド・ウェバーだろう)。
そうしたチーム事情やレッドカードを受けたこともあって、ハイランダーズはブルーズに歯が立たなかったのも致し方ない。一方のブルーズは、SOボーデン・バレット、12番CTBロジャー・ツイヴァサシェック、13番CTBリエコ・イオアネ、FBスティーヴン・ペロフェタという、世界有数の破壊力のあるBKが個々に機能すれば、もう誰も止められない決定力を持っている。もう優勝に向かってまっしぐらと言う感じだ。
ブランビーズ35-25ハリケーンズ
これまでの相性から言えば、ブランビーズが有利。しかし、ハリケーンズに勝機がないわけではない。つまり、ハリケーンズの弱点であるFWがイーブンのプレーをし、ブランビーズの武器であるモールを止め、セットプレーを安定させれば、ハリケーンズの破壊力抜群のBKがトライを量産する。ディフェンス合戦になるとハリケーンズは苦しいが、アタック合戦(トライの取り合い)になれば、ハリケーンズの勝機が大きく浮上すると思う。
前半はブランビーズにレッドカードが出たこともあり、ハリケーンズはリードしたが、後半に入ってから逆転された。それでも、68分の時点で、28-25の3点差だったので、再逆転できる可能性は十分あった。しかし、58分にアタックの大黒柱である12番CTBジョルディ・バレットがHIAで退場してしまい、さらに73分に11番WTBサレシ・ラヤシがシンビンになったのが大きく影響した。最後にブランビーズにトライを取られて引き離され、アウェイの雨が降るハリケーンズがしたいラグビーにとっては悪条件となるゲームは終了した。
今シーズンのハリケーンズは、プレーオフに出られないかも知れない酷い状況から、ここまで持ち直したことで、ある程度の成果を残せたのではないか。また、アイデン・モーガンとルーベン・ラヴという、オールブラックスSO候補になり得る若手が、多くの経験を積んで成長できたことが、NZラグビーとしては一番の成果かも知れない。
2.スーパーラグビーパシフィック準決勝予想
NZ勢独占の準決勝にはならなかったが、ブランビーズがここに残ったのは、スーパーラグビーパシフィックの将来を考えれば、良かったと思う。もっとも、実力的には準々決勝までのチームではないかと思っているが。
6月10日
クルセイダーズ対チーフス
実力的にクルセイダーズが完勝すると思う。チーフスは、余程のことがない限りクルセイダーズには敵わない。特にSOブリン・ゲイトランドでは、リッチー・モウンガの相手にならないから、オールブラックス入りの可能性が低いゲイトランドは、来シーズンには、リーグワンに移籍した方が良いのではないか?
6月11日
ブルーズ対ブランビーズ
ここも実力的にブルーズが完勝するのが自然。ボーデン・バレット、ロジャー・ツイヴァサシェック、リエコ・イオアネ、スティーヴン・ペロフェタという複数のトライゲッターを止めるのは無理。さらに、ホスキンス・ソツツやアキラ・イオアネというセブンズでも通用する、走ってトライを取れるFWが複数いるのだから、モール攻撃を中心にするブランビーズでは、手も足も出ないと思う。