<ラグビー>2022~23シーズン、スーパーラグビーパシフィック第10週結果及びインターナショナルラグビー関連等
(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)
ようやく花粉の季節が終わった。大陸中国からの「黄砂&化学物質襲来」も終わった。晩春から初夏の新鮮な空気を、マスクなしで呼吸できる幸せを感じる。先日、これまでわからなかった花の芳香に気づいて、とても新鮮な気分になった。こんな当たり前で、人として自然なことが、なんでできなかったのだろう。花粉も、黄砂も、ウイルスも、化学物質も皆自然災害のように見えるが、それを災害にしているのは人であり、実は人災なのだと思う。こうしたことに対する、徹底的かつ批判的な研究を真摯に行うことが、人類全体にとって喫緊の課題ではないか。「喉元過ぎれば、熱さ忘れる」では、人類は進化できない。
(リーグワンのディヴィジョン1は、5月13、14日の準決勝まで試合がありません。)
1.スーパーラグビーパシフィック第10週結果
ハリケーンズ32-27ブランビーズ
リーグ2位と3位との争い。また、ハリケーンズのWTBジュリアン・サヴェアが、スーパーラグビー150試合を達成する。
試合は、ホームのハリケーンズが前半を17-14とリードし、後半も先に先にと加点して、69分の時点では32-19として(ボーナスポイントは取れないものの)完勝ペースだった。ところが、77分にブランビーズにトライを返され、さらに82分にPGを入れられて、7点差以内のボーナスポイントをブランビーズに与えてしまった。この結果、わずか1ポイント差でブランビーズが2位、ハリケーンズが3位となった。
ハリケーンズは、HOアサフォ・アウムアとNO.8アーディ・サヴェアのラインで取ったトライが良かった。また、SHキャメロン(カム)・ロイガードは、非常に良いプレーをしている。もうオールブラックス入り確実ではないか。一方、SOアイデン・モーガンは、悪いプレーと良いプレーが合い半ばして、まだまだ発展途上という感じだ。しかし、来シーズンには、オールブラックスが狙える良い選手に成長していることだろう。
ワラターズ21-20ハイランダーズ
先週痛い敗戦を喫した同士の対戦。実力的にはハイランダーズだが、ここに来てチームが下降線なのが心配。
予想どおり、ハイランダーズは前半を14-6とリードされてしまう。後半に入り、58分と63分の連続トライで14-20と逆転し、さらにワラターズにシンビンが出たため、突き放すチャンスがあった。しかし、加点できなかったばかりか、75分には逆にシンビンを出してしまう展開となる。そして79分にトライ&コンバージョンを決められ、ホームのワラターズが劇的な勝利を得た。ワラターズは、これで7位のプレーオフ圏内に上昇した。負けたものの、ハイランダーズは8位に踏みとどまった。
ところで、オールブラックスのLOは、サムエル・ホワイトロックとブロディー・レタリックの2人が世界に君臨する時代が長く続いたが、なかなか生きの良い後継者が出てこない。一応チーフスのジョシュ・ロードとツポウ・ヴァアイが既にオールブラックス入りしているが、他にはクルセイダーズのザック・ギャラハーとドミニク・ガーディナー、ハリケーンズのイサイア・ウォーカーリーウェアが、ハイランダーズのパリパリ・パーキンソンとともに後継者候補になっている。ホワイトロックは間もなく引退する年齢であり、レタリックも引退を考える時期になってきた。LOはFWの中心なので、U20を含めて優れた人材が出てきて欲しい。
フィジードルア14-30ブルーズ
ブルーズが順当に勝たねばならない相手だが、ドルアはホームで意外と強いので、苦戦するかも知れない。
前半を7-20、後半を7-10と、ブルーズがアウェイの厳しい環境ながら、ゲームをうまくまとめて快勝した。CTBハリー・プランマーのロングPG、LOキャメロン・スアフォアの相手4人をぶっ飛ばす個人技のトライがあった他、SOボーデン・バレット、CTBリエコ・イオアネ、FLダルトン・パパリイのオールブラックスは当然として、これ以外の選手の活躍が目立ったのが、チームとして良い結果につながった。
モアナパシフィカ33-43レベルズ
モアナは勝利できる絶好のチャンスだが、レベルズはけっこうしぶといので、簡単には勝てないだろう。
モアナは、前半2枚のシンビンを出してしまい、5-26と劣勢で終える。後半も41分にまたもシンビンを出してしまい、5-33とリードを拡げられる。その後トライを交換した後、61分にさらにトライを返して19-38とし、続く73分に連続トライを挙げるとともに、レベルズにシンビンが出て、ノーサイドまで数的優位のチャンスを得た。そして、80分には3連続となるトライを挙げて、33-38とボーナスポイントを得る5点差にまで迫る。そこから残り時間は少ないものの、逆転をかけたアタックを仕掛けたが、81分、レベルズに切り返されて逆にトライを取られてしまい、33-43の10点差となって、勝利だけでなくボーナスポイントも消えてしまった。
モアナの勝利への模索は、まだ続く。
チーフス34-24クルセイダーズ
チーフスが好調な滑り出しを見せた開幕ゲームのリターンマッチ。クルセイダーズとしては、同じ相手に連敗はしたくないだろう。しかし、チーフスの勢いは開幕戦以上に増している。クルセイダーズLOサムエル・ホワイトロックは、ファーストグレード(オールブラックス、クルセイダーズ、カンタベリー。U19・U20・パナソニックはカウントしていない模様)の350試合出場を達成する。
ゲームは、チーフスがクルセイダーズを返り討ちにした。今シーズンのチーフスは、かなり強いことを印象付けた結果となった。前半は、クルセイダーズに先制トライを取られたものの、その後のPGの応酬でリードし、12-7で終える。クルセイダーズは、チーフスのミスからつないだ2つのトライが、TMOで取り消されたのが痛かった。
後半に入ってからはチーフスにシンビンが出たこともあり、63分のクルセイダーズのトライ(13番CTBブライドン・エンノーのスーパーパス!)で、19-21と逆転される。しかし、その後PGを応酬した後、73分(14番WTBエモニ・ナラワの好プレー!)と80分にダメ押しのトライを挙げて、最後は34-24とクルセイダーズにボーナスポイントを与えない勝利を得た。
チーフスSOダミアン・マッケンジーは、クルセイダーズSOリッチー・モウンガに優る活躍をしており、オールブラックス復帰に向けて非常に力強いアピールになった。もしこの調子がRWC決勝まで続けば、RWCの主役になれそうな勢いになっている。また、FBショーン・スティーヴンソン、WTBエモニ・ナラワの2人も好調を維持しており、オールブラックス入り出来た場合は、RWCでの活躍ぶりを見てみたい。
今シーズン全勝というチーフスの好調ぶりを導いている、監督クレイトン・マクミランの評価が上昇している。マクミランはマオリオールブラックス監督経験もあり、将来的にどこかの国の代表チーム監督に就任するだろう。そして、ロバートソンの次のオールブラックス監督候補にもなれると思う。それぐらい深い意味があるチーフスの連勝だった。
レッズ31-17ウェスタンフォース
ハイランダーズに勝利したフォースが、その勢いのままレッズにも勝利できるか。
レッズが試合全般を通してリードし、前半を21-5、後半を10-12とまとめて完勝した。フォースは、先週のハイランダーズに勝利した勢いが全く消えていた。どうも下位チーム同士の対戦は盛り上がらず、内容にも欠けてしまう。これが、スーパーラグビーパシフィックの最大の課題かも知れない。
2.オールブラックスの次期アシスタントコーチが確定
オールブラックスのRWC後の次期監督であるスコット・ロバートソンは、自らを補佐するアシスタントコーチ4人を発表した。
このうち、オールブラックスのFWコーチを担当しているジェイソン・ライアンは、クルセイダーズ時代からのつながりもあり、そのまま留任する。また、クルセイダーズでロバートソンのアシスタントコーチをしているスコット・ハンセンが、ディフェンス担当コーチとして加入する。アタック担当コーチは、ブルーズ監督をしているレオン・マクドナルドに、またアシスタントコーチには、ハリケーンズ監督をしているジェイソン・ホランドが、それぞれ就任する。なお、長年にわたってオールブラックスのストレングス&コンディショニングを担当しているニック・ギルも留任する。
RWC以降空席となるクルセイダーズ、ブルーズ、ハリケーンズの後任監督人事については、未だ発表はないが、早晩決定されると思われる。この3チームの後任監督就任の可能性があるNZ人コーチを列記すれば、イアン・フォスター、ジョー・シュミット、デイヴ・レニー(神戸スティーラーズか?)、スコット・マクロード、ロビー・ディーンズ(ワイルドナイツ残留?)、ウェイン・スミス、スティーヴ・ハンセン(トヨタヴェルブリッツ留任?)、ジェイミー・ジョセフ(日本代表留任?)、トニー・ブラウン(ジョセフと一心同体?)、ブラッド・ソーン、ウィン・ピヴァク、ジョン・プラムトリーらがいる。
また、クルセイダーズのアシスタントコーチである、タマティ・エリソン、ジェイムズ・マーシャル、ダン・ペリン、ブルーズのアシスタントコーチである、トム・コヴェントリー、ダニエル・ハランガフ、ポール・ティトー、クレイグ・マクグラース、タナ・ウマガ、ハリケーンズのアシスタントコーチである、クリス・ギッベス、コリー・ジェーン、テイラー・ブレインダール、ジェイミー・マッキントッシュといったコーチたちの監督昇格もあり得るだろう。
なおロバートソンは、NZメディアのインタビューに答えて、将来的な課題として、現在タブーとなっている海外でプレーする選手のオールブラックス選出について、今後検討していきたいと述べている。現在オールブラックスとしてプレーするためには、NZ国内のクラブに所属してプレーすることが条件となっているが、日本やヨーロッパにオールブラックスの現役選手が期間限定で出稼ぎする事例が多くなっていることが背景にある。このため、オーストラリアや南アフリカのように、代表資格保持を認めるためのキャップ数を設定するなど新たなルールを設けて、海外でプレーする選手も代表入りさせたい意向と受け取られ、賛否両論となっている。
3.スプリングボクスのキャプテン、シヤ・コリシが怪我
南アフリカのメディアによれば、南アフリカ・スプリングボクスのキャプテンである、FLシヤ・コリシは、所属するシャークスのゲームでマンスターと対戦した際に、右足膝を負傷した。医師の診断によれば靭帯損傷との由で、手術した場合はリハビリを含めて最大9ヶ月の欠場となる。また手術をせずにリハビリのみで治療する場合でも、ワールドカップの数週間前に復帰予定となる見込みで、時間的に準備不足となってしまう。
今後の対応については、複数の医師による診断を考慮した後に決めるとしているが、連覇を目指すスプリングボクスは、ジャック・ニーナバー監督の退任発表及び後任監督が未定であることに加えて、さらに黄信号が灯ることとなった。
なお、ニーナバーが離任する一方、現在のスプリングボクスの4人のアシスタントコーチは、2027年RWCまで留任させることを発表しており、監督交代による影響を最小限にしようとしている。
4.ブラックファーンズのケリー・ブレイザーが日本の女子セヴンズコーチへ
ブラックファーンズのCTB及びブラックファーンズセヴンズのベテラン選手として、数々の大会で活躍しまた大きな実績を残しているケリー・ブレイザー、33歳は、サブバティカルを利用して、日本の女子セヴンズクラブである東京府中のブレイブルーヴのコーチに就任することを発表した。3歳と7週間の2人の息子を含む家族(同性愛であることを公表しており、「妻」タヒアが帯同)で、一年限定の赴任をする。
なお来年NZに戻ってからは、パリオリンピックまでは現役選手としてプレーしたい意向を持っている。ブレイザーは、これまで208試合のセヴンズゲームを経験している他、15人制ではオタゴ代表でブレーした後にブラックファーンズ入りし、現在までに40キャップを持ち、4度のワールドカップ優勝を勝ち取っている名選手だ。
ブレイザーは、日本の女子セヴンズクラブのスポットコーチをすることを決めた理由として、4年前に日本の女子セヴンズチームがNZに来たとき、ちょうどブレイザーはふくらはぎの怪我で欠場中だったこともあり、短時間のコーチをした経験があったからだと述べている。もちろん、彼女は日本語を解せず、女子チームで英語を理解する者が少しいただけだったが、彼女がコーチを目指す原点になったのだと回想している。
またブレイザーは、ブラックファーンズセヴンズのメンバーとして、現在も世界各地を転戦しているが、タヒアと2人の子供を帯同している。しかし、子供が病気になったときには、タヒアが都合つかない場合もあり、大変な苦労を経験しているという。しかし、日本のクラブの練習は、火曜と木曜の午後5時からと少ないため、家族と過ごす時間を多く取れることが日本行きを決めた理由の一つとして挙げている。
一方、難波GMがチームをまとめているブレイブルーヴには、NZ女子タッチ代表であり、軍のタッチラグビー、ネットボール、バスケットボールで活躍したWTBディーナランギヌイ・プケタプ(Deena-Ranginui Puketapu)が加入するので、チームでの活躍が楽しみとなっている。また同クラブでは、日本の女子ラグビー発展のため、中学生から大学生に至る学生たちにも指導していることから、ブレイザーへの期待が大きい。なおブレイザーは、ブレイブルーヴでは少しだけ英語を理解するコーチがいるが、彼女自身も日本語の基本単語などを勉強して、コーチングに役立てるつもりだ。
これまでブラックファーンズセヴンズからは、キャプテン(15人制ではFL)のサラ・ヒリニが、既に三重パールズのコーチとして日本行きを決めている。ブレイザーは2人目のコーチとなるが、今後セヴンズ及び15人制ともに世界王者であるブラックファーンズからは、多くの選手がコーチとして日本行きを決める流れが出てくるだろう。そして、可能であれば、現在(カナダ人監督が指導して)停滞している日本の15人制女子代表を飛躍させるためにも、ブラックファーンズから日本に向かったコーチたちを、いずれはセヴンズ及び15人制両方の日本代表監督にすることを真剣に検討すべきだと思う。
5.ワールドカップのトロフィーを「ウェッブ・エリス・カップ」から変更したい?
ラグビー専門のインターネットニュースであるラグビーパスは、ニュースの合間に様々な提言をしているが、現在「ウェッブ・エリス・カップ」と命名されているラグビーワールドカップの優勝カップの名称を、別のものにすべきだとの提言を掲載している。
それによると、「ラグビー校のエリス少年が、ラグビーを最初にプレーしたというエピソードは不明確である(注:この件で、「サッカーのプレー中に手を使った」という表現は、明らかに間違い。正確には、私のnote投稿記事を参考にしていただきたい)。
そのため、エリスの名を優勝カップに冠するよりも、ラグビーワールドカップ開催に向けて、幾多の困難を乗り越えて尽力した人たちの名を冠するべきである。あるいは、最近のラグビーの発展に最も貢献した選手の名を優勝カップに冠するべきだ。その貢献した選手としては、1995年と1999年にトライを取りまくったオールブラックスの怪物ジョナ・ロムー、2003年のイングランド優勝の立役者ジョニー・ウィルキンソンの二人だろう。」
こうした提言に対しては、そもそもラグビー協会が創作した「神話」であるエリス伝説については、もうそれが世界中に浸透しているのだから、敢えて否定する必要はないと反論したい。また、優勝カップにエリスの名が結びついていることに、何か特段の支障があるとは思えない。ラグビーの優勝カップの名称、相性は、ワールドカップ以外にも多くある。例えばカルカッタカップ、フリーダムカップ、ネルソン・マンデラカップなど様々あるが、必ずしもカップが与えられる対戦チーム同士に深い因縁があるわけではない。
だから、敢えてカップの名称を変える必要はないと考える。しかし、もし変更するのであれば、ジョナ・ロムーの名は同意できても、ウィルキンソンの名には同意できない。もしウィルキンの実績レベルで名前を持ち出すとすれば、南アフリカのユースト・ファンデルハイゼン、オールブラックスのリチャード・マコウとダニエル・カーター、ワラビーズのジョン・イールズなど、ウィルキンソン以上の実績を残した名選手が沢山いるからだ。
そういうわけで、もし個人選手名によるカップが必要ということであれば、優勝カップとは別に、大会MVP用のカップを創設し、その名を「ジョナ・ロムー・カップ」と名称すれば良いのではないかと主張したい。
6.美人ラグビー選手(蛇足ですが)
女子ラグビー界の国代表レベルで(クラブレベルまでは調べる余裕がないので)、一番美人だと思うのは、NZブラックファーンズのブレンマー姉妹の姉アラナだと思う。
ブルネットの妹チェルシーも姉に負けない美人だが、やはり金髪の姉の方が、メリハリが効いている。
しかし、可愛らしさから言えば、フランス代表のポーリーン(またはポーリーヌ)・ブールドンだろう。彼女は、SHとしてポイントからポイントに移動するプレーまで愛らしく見えてしまうくらいだから、普段の姿はもっと可愛いのだと思う。
そのため、女子フランス代表の画像をメディアが使う場合、彼女のものを使う場合が非常に多いように思う。しかし、けっして彼女のビジュアルだけでメディアが選んでいるわけではなく、女子フランス代表選手としてMOMになるくらいの活躍もしているから、まさに才色兼備なのだ。