<ラグビー>2023~24年シーズン(11月第三週)
(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)
中学生の頃、喫茶店にウィンナーコーヒーというのがあって、皆が、「これは食べるウィンナーがコーヒーに入っているのではない」と、得意げによく話していた。念のため説明すれば、ウィンナーコーヒーとは、ウィーン風のコーヒーという意味で、コーヒーの上にホイップクリームが載っていた。フランス人が好きなカフェオレ(このフランス語の意味は、そのまま「コーヒーと牛乳」)、イタリア人の好きなカプチーノと同様の、コーヒー+多めのミルクまたはクリームというものだ。
ところで、そもそもウィンナーとはウィーン風という意味だから、食べる方のウィンナー(ソーセージ)はウィーン風ソーセージということだ。つまり、ウィンナーコーヒーもウィンナーソーセージも、ウィーン風ということを意味しているわけで、中学生が訳知り顔で「ウィンナーコーヒーは、ウィンナーじゃないんだよ」と言っていたのは、実は半端な知識だったことになる。
さらに話は拡大して、だいぶ昔、日本のお笑い芸人が「BUTバット、しかし」という芸を流行らせていた。しかし、英語の本やネットの記事を読み進めていくと、BUTは、前文を否定的に捉える後文に続ける使い方だけではないことを知った。つまり、ANDアンド(そして、それで)というニュアンスが結構ある。だから、この芸を英単語の説明だと思っていたら、ウィンナー=ソーセージというのと同じレベルの間違いになってしまうだろう。
1. 関東大学対抗戦Aグループ結果
成蹊21-28立教
立教は地力があると思う。
筑波68-0青山学院
筑波は調子を上げている。大学選手権で楽しみ。
明治11-43帝京
まるで横綱と前頭上位との対戦。明治は手も足も出ない惨敗で、この調子だと早稲田戦は心配だ。明治のSO伊藤耕太郎は、ランニングスキルに長けているので10番ではなく12場で起用し、10番は伊藤利江人を起用したい。また、秋濱悠太は、13番よりもバックスリーが合っているように思う。
2.各種ニュースなどから
(1)ワールドラグビーは、RWC決勝のスミスのトライを(非公式に)認定する
RWC決勝の54分、オールブラックスのSHアーロン・スミスが、左スミに見事なトライを決めたが、TMOのトム・フォリーによって、ラインアウトのノッコンが確認されたことを理由に取り消された。しかし、このラインアウトのノッコンは、スミスがインゴールに入る4フェイズ前のプレーであったが、ワールドラグビーのルールによれば、「2フェイズ前までにノッコンがあった場合にトライが取り消される」とあるため、ルールに正しく従えば、トライを認定するのが合理的な判定であったと、ワールドラグビーが(非公式に)認めた。
つまり、ルールに従ってトライを認定していれば、オールブラックスは(コンバージョンを失敗しても)16-12で優勝していた計算になる。
なお、こうしたことに関して、元レフェリーのナイジェル・オウウェンスは「TMOを含めて、多くの人間がプレーの判定に関わりすぎているため、ラグビーがスポイルされている」と否定的な意見を述べている一方、退任したオールブラックス前監督のイアン・フォスターは、「レフェリーのウェイン・バーンズは、経験のあるレフェリーであり、私たちとしては彼のレフェリングと異なる見解を持ったプレーがあるものの、これらの判定結果は覆るものではない上に、彼は良いレフェリーであり、人格者であることを認めている」とコメントしている。
〇 ワールドラグビー関係者がSNSで内輪の話を暴露
アーロン・スミスのトライ認定の他に、RWCに関する内輪の話を、ワールドラグビー関係者がSNSで暴露している。
それによると、1987年の第1回RWCはトライアル(試験的)として実施したので、第1回開催としてカウントするのは間違っている(つまり、1987年大会は正式に実施されていないため、開催しなかったことにしたい)、2007年RWCの準々決勝でウェイン・バーンズが、フランスのトライにつながるスローフォワードを見逃した誤審については、TVカメラのアングルの関係でスローフォワードに見えただけで、見逃したのは間違いではなかった(注:TVカメラのアングルという弁解をしても、パスの手元から前にボールが出ているので、スローフォワードという判定が正しいと思われる)など、オールブラックスの第1回大会優勝や2007年の大誤審の悲劇を否定するような内容になっている(ワールドラグビーは、イングランドを中心とした保守的な組織であるため、オールブラックスの功績を否定したい意向が伺える)。
〇 ワールドラグビーはコメントしないとの正式コメント
ワールドラグビーは、スミスのトライを認定しなかったのは誤審であるとの指摘に対して、否定することはせず、「審判団の判断に関する公式なコメントはしない」と発表した。また、審判団が担う重責を高く評価するとともに、その判定に対する過剰かつ悪質なSNSなどによる攻撃を強く批判している。
(2)マイケル・フーパーはセヴンズへ
前ワラビーズ監督エディー・ジョーンズにRWCスコッドから理不尽に排除された、元キャプテン兼世界トップのオープンサイドFLであるマイケル・フーパーは、15人制でのプレーが制限されてしまったショックを踏まえて、来年のパリオリンピックに出場するオーストラリア・セヴンズチームに参加する。オーストラリア協会としては、RWCで史上初のベスト8入りを逃したRWCの失態を挽回すべく、セヴンズに力を入れていることの現れだ。
〇 アントワーヌ・デュポンもセヴンズへ
フランス代表SHでキャプテンを務めるアントワーヌ・デュポンは、2024年のシックスネーションズを欠場し、地元開催となる2024年オリンピックのセヴンズに参加することを表明した。
(私見)
オーストラリアやフランスが、セヴンズで金メダルを獲得するために、15人制のスターであるフーパーやデュポンをスコッド入りさせたと思われるが、15人制とセヴンズとはかなり異なるラグビーであり、15人制で活躍した選手がそのままセヴンズで活躍できた前例は少ないのが現実である。そのため、容易に「RWCで優勝できなかったら、オリンピックのセヴンズで優勝する」とはならないと思う。
なお、私の承知している限り、15人制とセヴンズの両方で活躍できた選手は、偉大なジョナ・ロムーただ一人であり、ロムーに匹敵するような選手は、二度と出てこないと思っている。
(3)大学ラグビーの「3人の伊藤」
大学ラグビーにいる「3人に伊藤」の将来が楽しみだ。年齢順に上げると、早稲田の22歳伊藤大祐(179cm、89kg、桐蔭学園)、明治の21歳伊藤耕太郎(176cm、82kg、國學院栃木)、同じく明治の19歳伊藤利江人(173cm、71kg、報徳学園)で、3人ともに高校代表経験者だ。
この3人は皆、SOをプレーしているが、将来の日本代表としてプレーすることを考えると、フィジカルの強さから考えれば、10番利江人、12番耕太郎、15番大祐に分かれるのが良いように思う。(次元の違う類比だが、かつてオールブラックスに、SHアーロン、FBベン、CTBコンラッドの、3人のABCに分かれたスミスがいたイメージを持っている。)
そして妄想はさらに広がる。ここに早稲田の矢崎由高を14番に入れ、明治の秋濱悠太を11番に入れる。さらに明治の廣瀬雄也が13番に入ったら、10、12,13、15番が仕掛けからトライまで取れる上に、11番と14番はトライを取り切る高い能力があるので、アタック力は素晴らしいものになる。ゴールキッカーも、3人の伊藤と廣瀬がいるので、誰が蹴っても心配ない。
これはけっこう良いアイディアではないかと、自分でも思っているが、果たして2027年RWCのときの日本代表は、どうなっているだろうか?
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