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<ラグビー>ブレディスローカップ第4戦に関するコメント、そしてレッドカードについて

参考にした記事
https://www.nzherald.co.nz/sport/bledisloe-cup-rugby-tough-start-for-all-blacks-rookies-after-external-factors-cut-test-debuts-short-against-wallabies/MLHNV2276VQWZGB6MBJKBDIXC4/
https://www.nzherald.co.nz/sport/bledisloe-cup-rugby-all-blacks-greats-see-red-over-bledisloe-cup-send-offs/23PDA5FFJU25VKHVOSHAGX3EX4/
https://www.planetrugby.com/australia-head-coach-dave-rennie-rapt-with-much-needed-victory-over-all-blacks-in-bledisloe-cup/

1.両チーム監督のコメント
デイヴ・レニー、オーストラリア・ワラビーズ監督:
「集中できていた」
「今日のゲームで、我々は存在感を十分に発揮することができた。また、先週のゲームから求めていた改善ができた
「オールブラックスと戦うための必要なものをすべて、チームは出し切ることができた」
「今晩のゲームでは、我々はボール扱いを丁寧にしていた他、ディフェンスが非常によかった」
「チームのキックとそのチェイスは、この試合で重要なポイントになっていたが、その結果に大変に満足している」。

イアン・フォスター、オールブラックス監督:
「両チームにとっても、今日は良くないゲームだったと思う。それは、両チームに多くの反則があったからだ。特にゲーム終盤の我々のイエローカード(注;:スコット・バレットのもの)を指摘したい」
「敗戦は良いものではない。またチームは最後まで勝利するチャンスがあった。しかし、我々は多くの不要な反則でギブアップしてしまった。一つはイエローカードであり、残りは2~3回あったPGを狙えるような反則だった。我々はこうしたことから学ばねばならない」

(このゲームでテストマッチにデビューした4人の新人含むチーム全体のプレー振りについて)
「ハーフタイム直前のチャンスは、良い反省材料になるだろう。チームは多くのプレッシャーを与え、多くの反則を勝ち取ったが、そうしたアドバンテージを生かすことができなかった。それはテストマッチの持つ厳しさでもあり、こうしたことを反省していかねばならない」

2.レッドカードが乱発されたことに対する、元オールブラックス達の批判
サー・ジョン・カーワン:
「私としては、ラグビーにレッドカードは不要だと考える。イエローカードだけで十分であり、試合後に反則した選手のプレーを報告して処罰すれば良い。なぜなら、レッドカードによってゲーム自体が犠牲になってしまうからだ」

クリスチャン・カレン:
「JK(ジョン・カーワン)の意見に賛同する。自分もレッドカード制度に全く賛成できない。10分間の退場をし、同時に反則行為の報告をする。そして、交代選手を入れればよい。今の制度は、ゲーム自体を酷く支配しすぎている」

ジャスティン・マーシャル:
「今回のレッドカードのいずれも同意できない。ラグビーのゲームを理解し、タックルなどのぶつかり合いが何かを理解すれば、今回のプレーはわずか1秒以下の小さな接触でしかなかったことがわかるだろう」

【個人的見解】
一部の方にはLINEで書きましたが、今回のオールブラックスは、3試合かけて構築してきた今シーズンのチームから、いきなり多くの交代をしてゼロからスタートしたBチームが、80%の力しか発揮できない状況でした。一方のワラビーズは、3試合の経験を踏まえてチームを成長させてきて、さらに懸案のSOに経験値(バックスリーとしてのものでしかありませんが、それでも若いBK陣ではリーダーになれました)とキック力のあるリース・ホッジを入れることで、120%の力を発揮できました。

従って、80%のオールブラックスBチーム(つまり、さらに20%引いて、Aチームの60%の実力)が、(ジェイムズ・オコナーとマット・トゥムーアを欠いているとは言え)120%のワラビーズAチームに、もう少しで勝てた内容ながら、わずか2点差で負けた試合だったと整理できます。

つまり、フォスターとしては、既にブレディスローカップを保持していることから、勝利よりも若手の経験値を積ませることを優先し、またボーデン・バレットSO、ジョルディ・バレットFBを練習させる方をより重視したと言えます。つまり、勝てば儲けもの、負けてもともとという試合だったのではないでしょうか。

一方のレニーは、今シーズンに、引き分け、負け、大敗と続き、指導者としての能力を疑問視されていた状況だったので、この勝利は値千金の価値があります。一度でもオールブラックスに勝てば、過去のロビー・ディーンズ、ワレン・ゲイトランド、ジョー・シュミット、そしてエディ・ジョーンズのように「名監督」と言われることになるので、さぞかしほっと一安心というところでしょう。

また、トライネーションズの優勝争いですが、オールブラックスもワラビーズも、アルゼンチンには全勝するでしょうから、残りはオールブラックスとワラビーズの得失点差争いになります。しかし、先週オールブラックスが大勝したので、ワラビーズがアルゼンチン相手に100点ゲームを繰り返し、オールブラックスが相当に苦戦しないかぎりは、オールブラックスの優勝はほぼ決まっています。

なお、オールブラックスとしては、Aチームについては先週のゲームで一応の完成を見たので、残るアルゼンチンとの2試合では、Bチームと新人の底上げ、さらに新たなリーダーシップグループの完成が目標になると思います。

最後にレッドカードについて。これは、私も元オールブラックス達の意見に大賛成します。ラグビーはフィジカルの戦いなので、途中から1人欠けるだけで相当なハンデになります。従って、カードはイエローだけにする(10分間の退場)一方、レッド相当の反則をした選手は、試合後に協会へリポートを出して、今後の出場停止処分などを検討してもらう。しかし、ゲーム自体には、反則をした選手が10分後に戻れるようにする。または、非常に悪質な場合(昔南アフリカやフランスの選手が良くやっていた、耳に噛みつく、目をえぐる、スパイクで思い切り踏みつける、レフェリーを殴りつけるなど)で試合に戻せない場合は、代替選手を入れて15人対15人になるようにするのが良いでしょう。

現状では、1人退場させることで、それまで拮抗していた面白いゲームが一方にひどく有利になってしまい、ひいては試合そのものがつまらなくなってしまので、これでは本末転倒です。もちろん、選手の安全は考慮すべきですが、明らかに今回のレフェリングは、規則を正に教条主義的に過度に厳格に適用し過ぎたケースだと思います。選手も、観客も、何よりも楽しくプレーしたいし、面白いゲームが見たいのです。それを、ラグビー本来のロウ(判断基準)ではなくルール(法律、規則)を過度に適用して、ゲームそのものを崩壊させることは、ラグビー精神に反する行為と思います。

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