<閑話休題>(番組の宣伝ではありませんが)定年後のTVの愉しみについて
昔、ラグビー中継が見たくてスカパーに加入し、ラグビーもオンタイムで見たいから追加料金のチャンネルも加入していた。しかし、定年後の年金生活になってからは、無駄な支出を削減しなくてはならず、ラグビーの追加チャンネルをキャンセルし、また新たにラグビー中継を始めたwowowも契約していない。
それでなくとも、NHKとか携帯電話とか健康保険とかマンション管理費とか、毎月の支出が馬鹿にならないので、不要なものは「泣いて馬謖を斬る」ように(譬えが違うかも知れないが、私にとってラグビー中継は諸葛孔明にとっての馬謖のようなものなんです)節約しなくてはならない。
そうした中でスカパーを見る楽しみは、定額料金で見られるラグビー以外では、「旅チャンネル」がある。少し前では「スーパードラマTV」の『スーパーナチュラル』が好きだったが、とうとう長いシーズンも終わってしまった。その後、『シャーロック・ホームズ』とか『エルキュール・ポワロ』とかもたまに見ているが、いずれも長続きしない。それから、「ヒストリーチャンネル」の『古代の宇宙人』は毎晩欠かさず再放送をみているが、これもいつまで長続きするかわからない。そもそも、新しい「宇宙人ネタ」が次々と出てくるわけはないし・・・。
というわけで、連日見ていて飽きないのが「旅チャンネル」で、『異郷の駅前食堂』、『酒処』、『新・居酒屋百選』、『離島酒場』、『四時から飲み』、『Railway Story』をだいたい毎日見ている。いずれも、酒・食事・旅行に関係する番組だが、特に海外で取材したものは、実際に自分が訪ねたり、住んだりした場所が時々映るので、これが意外と懐かしく感じる。さらに、たぶんもう旅行する体力も資力もないので、自分が行かれそうもない場所が高画質のTV映像で様々な細部まで見られるのが嬉しい。特に、高山や深海などは、体力的にどうやってもいけないから、文明が発展した21世紀まで生きていて本当に良かったと思っている。
一方、居酒屋を紹介する番組は、見ていると無性に酒が飲みたくなるし、番組で紹介した居酒屋に行きたくなってしまう。もしそれが東京から遠い場所なら、東京にある適当な「それ」に近いような店を探したり、さらにそれが見つからなければ、近所にある居酒屋に行ってしまう。
居酒屋に行って、ビールや日本酒を二杯三杯と飲み進めていけば、もう「節約」なんて文字は頭の中からあっさりと消えてしまう。旬の肴や定番のトマトスライス、焼き鳥、煮込み、刺身などを次から次へと注文してしまい、会計のときに数字を見て、深く反省する。さらに、「締め」と称して、立ち食いそば屋でかき揚げそばを食べたりすると、「安いから」と弁解しつつ、健康診断の結果を心配する。ふう・・・。
種田山頭火ではないが、酒飲みは、反省を繰り返す人生、なのだろうか。
酒はしづかに 身ぬちをめぐる 夜の一人
山頭火
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