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【KYOTOGRAPHIE振り返り】自分だけの分野を極めること【ティエリー・アルドゥアン編】
KYOTOGRAPHIEの振り返り5回目、ティエリー・アルドゥアン編です。
KYOTOGRAPHIEに行った人にも、行けなかった人にも楽しんでもらえたらと思います。
見た展示はシリーズ化して全部書くつもりなので、もしよければフォローしてください!
そして是非コメントやXでのDMでも良いので語りましょう。
人物などの概要
ティエリー・アルドゥアンについては英語で調べても情報が少なかったです。
もしかしたら自然学者と写真家のハイブリッドなのかとも思いましたが、
基本は写真家で「人と環境の関わり」をテーマに撮影しているようです。
個人のサイトを見ましたがヴィトンの仕事なども受けていらっしゃるようで、基礎技術がとても高いです。
展示の特徴
二条城の中の暗い空間を使い植物の種子の写真、そして種子そのものも展示されていました。
撮影された趣旨はパリの国立自然史博物館の所蔵品、そして京野菜の種子です。
ただ展示するだけではなく、宇宙を感じさせるような、暗い中にある星のような形で種子を展示していたのが印象的です。
そして種子の写真もただのマクロ撮影ではなく、何か惑星やエイリアンのような宇宙的なものに見えてくるような設計で展示されていました。
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説明を見ると顕微鏡を使って撮影したようで、またライティングもかなり緻密に行われていました。
個人的な興味から世の人々の関心ごとにスケールを広げる
種子に関わらず、マクロレンズの開発によって様々なものが撮影できるようになりました。
花もマクロレンズで撮ると別世界のようで、それを楽しいと思う人も多いです。
ティエリー・アルドゥアンも、もしかしたらそんなところから始まったのではないでしょうか。
そして個人的な興味から種子を撮り始め、
顕微鏡を使う、ライティングを工夫するなどで高いレベルで洗練されたイメージまで極めました。
それだけでなく、生命の神秘・宇宙の理のようなものを感じさせるスケールまで引き上げ、
環境問題と絡めて個人的な興味から世の中の関心ごとと結びつけました。
自分ならではのテーマを見つけ、極めること
おそらく、ティエリー・アルドゥアンは最初から最終形をイメージして撮影を開始したわけではないと思います。
とにかく自分の撮るものを極めることでその分野ではNo.1とも言える作品を作り、
それを他者に見てもらうための媒介として「宇宙的」「環境」といったコンテキストと結びつけたのではないでしょうか。
(環境については元々興味があったようですが、世の中の多くの人と同じく環境問題に興味がある、とも言えます)
なので最初から壮大なテーマを掲げたり、自分ならではの作風を意識して写真を撮る必要はなく、
まずは自分が撮るもの、自分の関心を突き詰め、オリジナリティがついてくるくらいに突き抜けるのが大事だと思わされました。
ティエリー・アルドゥアンはこの種子のシリーズが一番有名です。
もしかしたら名前よりもこのシリーズの方が有名かもしれません。
僕も個人的には自分の名前よりも写真と言葉が残ってくれた方が嬉しいので、ティエリー・アルドゥアンは目指すべき写真家像の一人になりました。
自分に取り入れるとしたら
小さなものを撮ることでかえってより大きなものを想像させる、という手法は試してみたいと思いました。
ぱっとは思いつきませんが、よくある例だとベッドのシーツの皺で山を感じさせるとかそういうの
あとは「この写真は他の人がたくさん撮ってるから」みたいなこと言わずに、好きなテーマや被写体を見つけ、
極めることで誰の写真とも似てないレベルまで引き上げる方がかっこいいなと思うようになりました。
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