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#EDDIEのかく語りき 第34回/ピックアップ俳優/ピックアップ映画『ラストマイル』『愛に乱暴』/#AppleTV最前線

みなさん、こんにちは、こんばんは。

久しぶりの配信コラム更新です。実は9月に引っ越しなど生活環境の変化があり、インターネット環境についても移行期だったこともあり、配信自体が滞っておりました。
結果的に「EDDIEのかく語りき」の第34回配信は、通信状況の不具合もあり配信中に落ちて断念。ひとまず当日に配信で語ったことと語れなかったことを本コラムにまとめます。

あと、9月1日の配信の前週に下記の通り、映画『ラストマイル』のネタバレ感想スペースの配信を行いました。こちらもぜひお聴きくださいませ。

では、ここから「EDDIEのかく語りき」配信のコラムをまとめてまいります。

#EDDIEのかく語りき 第34回トークテーマ

2024年9月1日(日)22時〜𝕏のスペースで配信した「#EDDIEのかく語りき」第34回目のトークテーマについてまとめていきます。
細かい話は配信の方で語っていますが、残念なことに通信環境が悪すぎてかなり聴き苦しい配信になっています。30分弱でピックアップ俳優の特集だけ話しているので、アーカイブをお聴きください。


①EDDIEのピックアップ俳優/ケイリー・スピーニー

前回からのスタートした企画、ピックアップ俳優のコーナー。
僕の好きな俳優・気になる俳優をピックアップしてご紹介。スターからあまり話題にのぼらない方まで、そのときの気分やトレンドなどに応じた俳優をご紹介します。

■ケイリー・スピーニー

■ケイリー・スピーニー/Cailee Spaeny/本名:同じ
誕生日:1998年7月24日
出身地:アメリカ/スプリングフィールド
<プロフィール紹介>
米ミズーリ州スプリングフィールド出身。
子供の頃から地元の劇場で多くの演劇作品に舞台俳優として参加し、主演も務める。2016年に楽曲「Fallin」で歌手デビュー。
短編映画「Counting to 1000」(16) を経て、長編映画の初出演作となったSFアクション大作「パシフィック・リム アップライジング」(18)で重要な役どころを演じて注目を集め、その同年に「バイス」「ビリーブ 未来への大逆転」「ホテル・エルロワイヤル」など映画の出演作が相次ぐ。
ソフィア・コッポラ監督作「プリシラ」(23)ではタイトルロールとなったエルビス・プレスリーの元妻役を演じ、第80回ベネチア国際映画祭のボルピ杯(最優秀女優賞)を受賞した。A24製作、アレックス・ガーランド監督の「シビル・ウォー」(24)にも出演している。

映画.comより

【映画賞受賞・ノミネート歴/ケイリー・スピーニー】
<ゴールデングローブ賞>
■第81回 ゴールデングローブ賞(2024年)
ノミネート 最優秀主演女優賞(ドラマ) プリシラ
<ベネチア国際映画祭>
■第80回 ベネチア国際映画祭(2023年)
受賞 ボルピ杯(最優秀女優賞) プリシラ

映画.comより

今月はケイリー・スピーニーをご紹介。
『プリシラ』でヴェネチア国際映画祭最優秀女優賞(ボルピ杯)を受賞し、『エイリアン ロムルス』『シビル・ウォー アメリカ最後の日』と立て続けに話題作に出演する彼女。
2018年に頭角を表し、近年遂にブレイク!

元々は2018年の『パシフィック・リム アップライジング』にヒロインとして出演したことで注目をされたようですが、その後も『ホテル・エルロワイヤル』や『ビリーブ 未来への大逆転』、『バイス』に出演。その当時で20〜21歳ということでキャリアも浅かったですが、前述の『プリシラ』で大ブレイク。
『ビリーブ 未来への大逆転』ではフェリシティ・ジョーンズ演じる主人公のルース・ベイダー・ギンズバーグの娘ジェーン・ギンズバーグ役を演じたことが記憶にも焼き付いています。
『プリシラ』でブレイクを果たした時に「あのときの子か!」と。

『プリシラ』では撮影期間が30日ほどしかなかったらしく、慌ただしく日々が過ぎていった様子。14歳〜27歳と広い年代を1人で演じ切っただけでもすごいのに、朝には妊娠した役を演じたのに、ランチ後には14歳の役を演じるなど時系列もバラバラ。衣装やヘアメイクが彼女の心情の変化を表すように仕掛けられた作品なだけに、あどけなさも大人っぽさも両立できる彼女の存在感は幅広い年代のプリシラ・プレスリー役にうってつけだったと言えるでしょう。

また、10月4日より公開された『シビル・ウォー アメリカ最後の日』では、新人カメラマンとして内戦が勃発したアメリカの戦場を駆け回り、『プリシラ』とは全く異なる表情・役柄を見せてくれました。
公開したばかりというのもあり深いことはここでは言及を控えますが、今後の更なるブレイクにも期待できますね。

②EDDIEのピックアップ映画/映画『ラストマイル』『愛に乱暴』

◆『ラストマイル』

テレビドラマ「アンナチュラル」「MIU404」の監督・塚原あゆ子と脚本家・野木亜紀子が再タッグを組み、両シリーズと同じ世界線で起きた連続爆破事件の行方を描いたサスペンス映画。

流通業界最大のイベントである11月のブラックフライデー前夜、世界規模のショッピングサイトの関東センターから配送された段ボール箱が爆発する事件が発生し、やがて日本中を恐怖に陥れる連続爆破事件へと発展する。関東センター長に着任したばかりの舟渡エレナは、チームマネージャーの梨本孔とともに事態の収拾にあたるが……。

主人公・舟渡エレナを満島ひかり、梨本孔を岡田将生が演じ、事件に巻き込まれる関係者役で阿部サダヲとディーン・フジオカ、捜査を担当する刑事役で「アンナチュラル」の大倉孝二と「MIU404」の酒向芳が出演。さらに「アンナチュラル」から三澄ミコト役の石原さとみ、中堂系役の井浦新、久部六郎役の窪田正孝ら、「MIU404」から伊吹藍役の綾野剛、志摩一未役の星野源らが再結集する。主題歌も「アンナチュラル」「MIU404」に続き米津玄師が担当した。

映画.comより

【見どころ/期待するところ】
野木亜紀子脚本というだけでも楽しみなのに、ドラマ『アンナチュラル』『MIU404』とのシェアードユニバースというのだから豪華な俳優陣の共演に期待が高まるばかり。

【配信コラム】#EDDIEのかく語りき 第31回より

事前の見どころとしては上記のように書いていましたが、いい意味でシェアードユニバースという謳い文句は印象が薄い作品でした。
いや、ドラマ『アンナチュラル』や『MIU404』の登場人物がこれでもかとばかりに投入されていたので、紛うことなきシェアードユニバースだったんですが、あくまで物語は主人公を演じる満島ひかりと岡田将生の2人が軸となるショッピングセンターを巻き込む爆発事件。
そこに自然な形で解剖医や刑事が関わっていくことになり、決して各ドラマのキャラクターありきの映画にはなってなかったのです。

下記の通り、X相互のpecoさんとネタバレ感想のスペース配信をしているので、よかったらこちらもお聴きくださいませ。

とにかく現代において、ほとんど全ての人がお世話になっているであろう物流。商品を購入したら宅配業者が荷物を届けてくれるし、人に贈る/贈られるという時にも配達員の存在は欠かせません。
そんなショッピングセンターが抱える社会的構造の穴や不条理を、もしかしたら起こるかもしれない大事件を題材に見事描き切ったのは野木亜紀子の脚本力と言わざるを得ないでしょう。

もし同じような事件が現実に起きてしまったら?今作で触れられている物流に限らず、どんな残酷な事件や地震のような大災害が起きたとしても「自分は関係ない」と正常性バイアスに陥ってしまう人は少なくありません。
かくいう僕もその1人です。起きてしまったら仕方ないけど、心のどこかでは自分の身に起こるはずがないと思ってしまうんですよね。
これは難病に限らずな病気でも同様です。あれだけ日本では余命ものの映画やドラマが作られているにも関わらず、そんな病気に自分がかかるはずがないと思って生活している人も多いでしょう。
今作はそんな正常性バイアスを持っている現代人に問題提起し、リアルに巻き起こるかもしれない現実と隣り合わせの問題として描いているのが実に巧みです。

満島ひかり演じる舟渡エレナという人物について、冒頭から劇中、そしてクライマックスで彼女に対する印象はガラッと変わります。それぐらい鑑賞者の予想を覆してくる脚本の凄さもありますし、満島ひかりの演技の賜物とも言えます。実にお見事な好演でございました。

細かいネタバレありの感想は前述のXのスペースで語っておりますので、そちらをご視聴くださいませ。

◆『愛に乱暴』

「悪人」「怒り」などで知られる作家・吉田修一の同名小説を江口のりこ主演で映画化し、愛のいびつな衝動と暴走を緊迫感あふれるタッチで描いたヒューマンサスペンス。

初瀬桃子は夫・真守とともに、真守の実家の敷地内に建つ離れで暮らしている。桃子は義母・照子から受ける微量のストレスや夫の無関心を振り払うかのように、石鹸教室の講師やセンスある装い、手の込んだ献立といった“丁寧な暮らし”に勤しんで日々を充実させていた。そんな中、近隣のゴミ捨て場で不審火が相次いだり、愛猫が行方不明になったり、匿名の人物による不気味な不倫アカウントが表示されるようになったりと、桃子の日常が少しずつ乱れはじめる。

徐々に平穏を失っていく主人公・桃子を江口が演じ、夫・真守を小泉孝太郎、真守の母・照子を風吹ジュン、真守の不倫相手・奈央を馬場ふみかが演じた。監督は「おじいちゃん、死んじゃったって。」「さんかく窓の外側は夜」の森ガキ侑大。

映画.comより

めちゃくちゃ面白かったですね!
吉田修一原作の映画化はたくさんありますが、その中でもトップクラスにハマりました。『悪人』や『横道世之介』、『怒り』、『楽園』など、監督は違えどもいずれもハイレベルな劇場版で、その力強さの所以は原作の持つ魅力にあると思います。

【見どころ/期待するところ】
小説の実写化常連の吉田修一原作。しかも主人公の鬱屈とした日々にストレスを抱える主婦役に江口のりこは期待しないわけがない。思いっきり陰鬱でおどろおどろしい人間の汚いところ満載な内容に期待したい。

【配信コラム】#EDDIEのかく語りき 第31回より

このように鑑賞前の見どころを書いていましたが、見事のその期待に応えてくれました。
森ガキ侑大監督の作品は『さんかく窓の外側は夜』しか観たことがないのですが、彼の演技プランと撮影プランが素晴らしく、実に見事な作品に仕上がっていました(撮影監督は『マチネの終わりに』や『生きてるだけで、愛。』の重森豊太郎)。

そして、江口のりこの怪演こそが本作の魅力をさらに引き上げています。
冒頭から漂う不穏さ、夫が妻に関心がない様子が手に取るようにわかり、夫の母である姑とも関係性は一見悪くないが一線母の方が引いている印象。
「ピーちゃん」と飼い猫らしきものを呼ぶ彼女もこれまた不気味さが漂っていました。
この映画は江口のりこ演じる主人公の桃子の視点で進行するため、僕ら鑑賞者は彼女の視点が一つの正解になります。ただ、彼女は本当に倦怠期に夫に相手をされない可哀想な妻なのか…物語が進行するにつれて明かされる真実に驚愕を受けます。
さらにSNSの使い方が絶妙にうまかったですね。細かいことを説明すると完全にネタバレに触れてしまいそうなので、簡単にですが、X(Twitter)のようなSNSを桃子が頻繁に見ている描写が出てくるんですね。これは一見彼女がフォローしている女性もしくは誰かを監視していると思わせられるんです。ただ、これが後に予想外の顛末につながっていくので、「うわぁ、そういうことかぁ」と真実がわかった瞬間に微笑んでしまう自分がいました。

あとは役者全員が素晴らしい演技で魅せてくれました。夫役の小泉孝太郎は全く妻に関心を示さず、いわゆる妻の話を聞いていない妻に関心のない夫。ただ、自分の都合だけ押し付けてくる感じですね。
姑役の風吹ジュンは良い人の役のイメージが強いのですが、絶妙に良い人と自分本位な人の二面性をうまく演じてくれていました。夫との関係性が冷え切っていることは気づいているのか、気づいていないのか、それはお構いなしで桃子の味方でいてくれる…そう思っていたら…という当たり前に人間が持つ二面性が実にお見事でした。

ほか、出番こそ少ないものの、馬場ふみかや桃子の元上司役の斉藤陽一郎が良かったです。馬場ふみかは物語のゲームチェンジャー的な役割なので、言ってしまうとネタバレになってしまうのでとても良かったとだけ言っておきます。
斉藤陽一郎はXでも下記のように書きましたが、本当に憎たらしい役柄で、ただこんな人は現実にいるというリアルさを自然に表現していたのが素晴らしかったですね。この人の登場する2回程度のシーンだけでも観る価値があります。少なくとも企業に勤めて上下関係の板挟みなどを経験したことがある人はわかるでしょう。

色々と情報収集すると、舞台挨拶などでチェーンソーが使われていて、そんなに猟奇的な話なのか!とスリラー的展開を期待する人もいるかもしれません。ただ、この映画はスリラーの要素はほとんどなく、どちらかというと人間の陰部を惜しみなく披露する陰鬱としたサスペンスという感覚です。
江口のりこがチェーンソーで人間をバッタバッタと切り落とすようなスラッシャームービーではありませんので、そっち方面で期待はしない方が良いです。
ただ、自分は下半期のベスト10には入れたくなるぐらいには愛着ある作品になりました。

③AppleTV最前線

今回のAppleTV最前線では、現在配信中のドラマと近日配信予定のドラマをご紹介します。

■ドラマ『レディ・イン・ザ・レイク』

1966年、少女の失踪事件がボルチモアの街を襲ったとき、2人の女性の人生が死の危険をはらみながら交錯していく。
ローラ・リップマンの2019年の小説を原作に映像化。1966年にボルチモアで発生した少女失踪事件をめぐる、ふたりの女性の運命的な衝突を描きます。
主演はナタリー・ポートマンとモーゼス・イングラムです。イラン・ノエル、ブレット・ゲルマン、バイロン・バウアーズ、ノア・ジュープ、ジョサイア・クロス、マイキー・マディソン、プルイット・テイラー・ヴィンスが共演。アルマ・ハレルが製作・監督です。
主演のナタリー・ポートマンと原作者のローラ・リップマンは、製作総指揮にも名を連ねています。

ナタリー・ポートマンが最近奇妙な役を演じることが増えてきた気がします。アカデミー賞でも話題になった『メイ・ディセンバー ゆれる真実』のエリザベス役、そして本作のマディ役。
『メイ・ディセンバー』のエリザベスはかつて世間を騒がせた"メイ・ディセンバー事件"の当事者グレイシーとジョーの夫妻を訪ね、これから映画化するモデルたちに図々しくも生活に押し入って取材するという役柄でした。
そして、本作では彼女の演じるマディが暮らす街ボルチモアで巻き起こった少女の失踪事件を皮切りに、ただ主婦として夫に尽くしてきた彼女がジャーナリストとしての道を切り開いていくという物語。

それだけを聞くと、女性が社会進出する前向きな物語に見えますが、彼女は外の世界を知ったことで様々な誘惑に誘われ、人々の生活に図々しくも入り込んでいくのですが、その模様はまさに『メイ・ディセンバー』のエリザベスでした。

もう1人の主人公と言えるのがモーゼス・イングラム演じるクレオ・ジョンソン。彼女も事件に深入りし、それから大ごとに巻き込まれていくのですが、彼女の境遇が恵まれた白人女性のマディとは正反対に進んでいくのです。
同じように事件に入り込んでいくのに、表で堂々と活動するマディと誰にも知られることなく少しずつ人々の視野から消えていくクレオ。この対称性がこのドラマの面白さであり、失踪事件の真相や街に蠢く奇妙かつどうしようもない権力に抗っていく物語としてとても見応えがあります。

【近日配信の新作】

■ドラマ『窓際のスパイ』シーズン4/2024年9月4日配信開始

「窓際のスパイ」はイギリス情報局保安部MI5のチームを描く、ゲイリー・オールドマン主演によるスパイ・ドラマです。シーズン4は、原作小説「Slough House」シリーズの第4作「Spook Street」を基に描かれます。
スラウハウスの基盤を揺るがす爆破事件で幕を開けます。

今回はリバーの生い立ちが分かるエピソードとなっており、ラムはいち早く、自ら目をかけていたリバーの不審な旅立ちに気付き、平行線で真相解明すべくスローホース全員が試されることに。長官になり損ねたMI5副長官のタヴァナーと新長官との関係がコミカルにスタートしながらも、本格的な権力争いとなって、ラムとスローホースたちを巻き込んでいく物語。

出演は、主演のゲイリー・オールドマンのほか、ジャック・ロウデン、クリストファー・チャン、クリスティン・スコット・トーマス、ロザリンド・エリーザーら。

■ドラマ『ラ・メゾン』/2024年9月20日配信開始

パリのオートクチュールメゾンを経営する一族を描く、フランス語のドラマです。
フランスの象徴的なオートクチュールメゾンが、ハイファッションの世界で劇的なドラマを秘密裏に繰り広げる。背後で支えていた権力者一族がスキャンダルに陥った時、彼らは自らを改革する方法を見つけられるのか。それともライバルたちに駆逐されるのか。
エグゼクティブ・プロデューサーのアレックス バーガー(Alex Berger)のオリジナルアイデアに基づきホセ・カルタジローネ(José Caltagirone)とバレンタイン・ミルヴィル(Valentine Milville)が制作。監督は受賞歴のあるファブリス・ゴベール(Fabrice Gobert)とダニエル・グルー(Daniel Grou)が務めた。
出演者は、セザール賞に7回ノミネートされたランベール・ウィルソン(Lambert Wilson)や同賞へのノミネート経験をもつアミラ・カサール(Amira Casar)、同賞最優秀女優賞受賞のキャロル・ブーケ(Carole Bouquet)などが揃う。2024年9月20日配信開始、全10話予定。

アイアリより

◆まとめ

配信コラムは以上です。

今回は配信自体が途中で切れてしまったこともあり、配信コラムも短縮版でお届けしました。前回配信で語ろうと思っていたピックアップ映画については、配信では語れておりませんので、本コラムをお読みいただけたら嬉しいです。

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