ホワイト? ブラック? プラチナ?
1.はじめに
4月から5月にかけて日本経済新聞が「NEO-COMPANY」という連載企画を掲載し、日本成長の原動力となる企業の目指すべき姿を採り上げ、働き方と業績の関連についての分析などを行いました。
少し時間が経ちましたが、「働きがい」を考えるには興味深い記事が連載されていましたので、振り返ってみたいと思います。
2.御社は、ホワイトですか? ブラックですか? それとも…
日本経済新聞社は、企業分析を手掛けるクレジット・プライシング・コーポレーションの協力を得て、日本最大級の会社情報口コミサイト「オープンワーク」に書き込まれた社員の投稿を分析し、上場企業約2,300社を「働きやすさ」と「働きがい」の2軸で類型化しました。サイトへの投稿は企業ごとにAIが数値化したとのことです。そして、業績との連動などを分析しました。
4つの企業群に分類しています。
主なプラチナ企業として、サイボウズ、味の素、メルカリなどが紹介されています。
この種の調査で、いつも上位にランキングされていた古巣の会社がランク外となっていたのは、ちょっとさびしかったですが。
3.業績を上げるのは、働きやすさか? 働きがいか?
企業群ごとに、2022年度までの10年間の売上高増加とPBR(株価純資産率)を分析しています。
結果は、下記の表・図の通りです。
この結果から見ると、業績の伸びは、プラチナ>モーレツ>ホワイト ということになります。
「働きがい×働きやすさ」が最強であり、働きやすさよりも働きがいが重要な要素であるということがうかがわれます。
厚生労働省の平成26年「働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査」の結果や、世界約150ヵ国で「働きがいのある会社調査」を行っているGreat Place to Work🄬の分析結果などからもわかります(下図参照)。
ここ数年、働き方改革関連法により働きやすさは高まってきたと思いますが、それだけでは会社の成長には不十分であるということです。
日本経済新聞の記事で、プラチナ企業の代表であるサイボウズの中根弓佳執行役員は「働きやすさは当たり前で、はたらきがいも高めることが会社と社員の成長になる」とコメントされています。
4.楽じゃいないけど、楽しい会社
がんばった成果がすぐに表れ、成長を実感できれば、働きがいを感じられることでしょう。
高度成長期の多くの日本企業は「昨日よりも今日、今日よりも明日」と期待が持て、業績も上がり続けたので、多少のハードワークも厭わず、働きがいを感じていたことと思います。
失われたウン十年を経て、安定成長の時代になると、このようなマインドを持つことは難しくなってきています。
入社3年目くらいの頃、急成長が落ち着き、高い目標がなかなか達成できずに苦しんだことがありました。がんばってもがんばっても、目標未達が続き、無力感と徒労感だけで、自分のやっている仕事の意義を見失いかけていました。
そんな時、当時の支社長が会議で「苦しいときこそ、ゲーム感覚で取り組むんだ」と説示され、目が覚めた感じがしました。
大きな目標を追うのではなく、小さな目標を設定し、それを1つずつクリアしていくことを考えました。例えば、翌日のランチを賭けて、電話での受注量を先輩と競り合いました。
不思議と、おもしろいように注文を頂くことができ、今まで苦労していたことが何だったのかと。受注のコツも習得できたように感じました。翌日、先輩にうな重をご馳走させてもらいましたが。
営業の仕事を続けることに自信を失いかけておりましたが、こうした小さな達成感からやりがいや醍醐味を感じ、営業職を続けることができました。
その後、労組の専従役員を務めていた頃、参加していた研究会で「楽じゃないけど、楽しい会社」をテーマに取り組まれている方のお話をうかがい、「これだ!」と思いました。
それ以降、働き方や組織風土づくりを考える際には、常に意識してきたことです。「働くことに誇りと喜びを持てる会社、だけど楽じゃないよ」と。私どもがテーマとしている「働きがい」につながる考え方であります。
5.おわりに
経営者の皆さんは、業績目標の達成を社員の皆さんへ求められていますが、それだけでなく、そこに加えていかにやりがいを感じさせることができるのかが、必要とされているのだと思います。
私どもは、企業の成長には「働きがい」を高めることが大切であると考えております。
「働きがい」の好循環(下図参照)を回せる組織風土を、経営者の皆さまと創り上げてまいりたいです。お気軽にご相談くださいませ。
お問い合わせは、こちらまで。
https://www.hatarakigaiks.com/form.html
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