妊婦さんの血液状態について

精度管理責任者の西片です。

先日、友人から「妊娠しましたー」と嬉しい知らせが!!
先生や看護師さんに話しにくいことで気になることがあったら相談してくださいと話をしたところ、
「中性脂肪が高めにでて気になっています」とのこと。
中性脂肪は食事の影響を受けやすいのです。
食後すぐに採血すると中性脂肪は高値に出ます。
そのことから正確な検査結果を出すため、早朝空腹時での採血をお願いしています。

少し話がそれましたが。
妊娠中の母体は赤ちゃんに栄養やエネルギーを送るため糖によるエネルギーと脂肪によるエネルギーを使っています。その為妊婦さんは中性脂肪が高値になります。
これ、何かと似てますね。
そう、ランニングと似てますね。笑
ランニングスキルが高い人は糖と脂質の両方のエネルギーをうまく使っています。
ちなみにフルマラソンの消費カロリーは約2100Kカロリー。
体内に蓄えられる糖は多くても2000Kカロリーと言われているのでフルマラソンを走るにはいかに糖と脂質のエネルギーを使うかが重要ですね!

あと妊娠中期から後期になるとALP(アルカリホスファターゼ)という酵素タンパクが高くなります。
ALPは肝臓や胎盤などで作られますがその生成箇所によって6つに分けることができます。これをアイソザイムと言います。
胎盤で作られる4型のALPが活発になるので妊婦さんはALPが高くなります。
※ちなみにALPは測定値を海外と共有するため、2020年4月より1年間の準備期間が設定されIFCC法への切り替えの指示が日本臨床科学学会から案内が来ています。
簡単にいうと基準値が変わります。
現状のJSCC法は115〜359(U/L)。
IFCC法は38〜113(U/L)と大きく変わるのでご注意ください。


妊娠すると血清タンパクににも変化があります。
血清タンパクは100種類以上存在していてそれを大きく5つに分類する検査があります。
これをたんぱく分画と言います。

この検査で肝硬変、ネフローゼ症候群、Mタンパク異常症などの診断に使えます、
この検査は一部自動化が進んでいますが最終的に検査員が見て報告する検査です。
検査自体は昔ながらですが臨床的に重要な為、依頼してくださる先生が多いです。

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